2009年12月15日火曜日

連載コラム134 from 台湾













写真は北台北にある温泉川の流れです。

11月4日、マレーシアに覚せい剤5キロを
密輸しようとした日本女性が逮捕され、
マレーシアの法律では死刑になる可能性が
非常に高いというニュースが流れた。

前回も執筆させて頂いたが、
海外では「何も考えず」気軽に麻薬に手を出す、
そんな日本人がとても多い。

今回は、そんな日本人を何人か紹介しようと思う。

年齢関係なく手が出せる麻薬
日本でも年々薬物に手を出す年齢が下がっている、
そんな風に報じられているが、
海外に行くと、いとも簡単に麻薬に手を出すことが
できる。

大麻など、合法な国もあるほどで
「さほど身体に悪くないし、大麻くらい」
という気持ちがあるのだろう。

アメリカのドラマに『Weeds ママの秘密』というドラマが
あり、郊外の住宅地区の公園などで
主婦と普通の父親たちが取引をしたりしている。

ドラマはドラマであるが、大麻くらいならば
誰もが罪悪感なく手を出しているのである。

親がそんな風なので子供もそうなるのは当然であり
学校でも大麻くらいなら入手は簡単。

「よい学校なら」というのも関係なく
学生間で麻薬は取引されているのである。

日本人留学生は「カモ」
筆者は高校、大学と海外の学生寮で暮らしていたが、
やはり麻薬は存在していた。

得に大学にもなると誰もが一度は手を出さねば
いけないような雰囲気にまでなっていたのである。

友人いわく高い料金を出してくれる
「日本人留学生はカモ」だそうで、
相場より高い値段で売りつけていた。

買う日本人留学生のタイプは、
「海外での学生生活を思いっきり楽しみたいタイプ」
「勉強についていけずストレスがあるタイプ」
「何とかして現地生徒の中に溶け込みたいタイプ」
であった。

彼らは「日本じゃしないから」を免罪符に
よく買い寮の部屋の窓を全開し吸っていた。

見回りで見つかったり、抜き打ち検査で見つかったりして
寮違反だと寮を追い出された者もいたが、
そこはリッチな日本人。みな何とかしているようだった。

彼氏に勧められて
学生でも就労者でも
薬物に手を出すきっかけは「交際相手」という話は
よく聞く。

ジャンキーと交際しているわけではないが、
覚せい剤や今日本でも関心が高まっているMDMAなど
クラブやバーへ行けば意図も簡単に買えるため、
最初はクラブで彼氏と一緒にやったというケースは多い。

色々なストレスから開放されたり
これも恋愛の一環だと感じたり。

セックスの前後に楽しむものも多い。
身体の関係を結んでいるときだと、麻薬へのガードも緩まり
つい手を出してしまうのだそうだ。

麻薬断ちの難しさ
禁煙でさえ難しいというのに
薬物を断つという行為は本当に苦しいものだという。

正直、大麻くらいなら簡単と思うだろうが、
確かに簡単に止められるだろうが、
機会があれば再び手を出す可能性も高い。

MDMAに覚せい剤のレベルになると
一人で断とうとすることはまず無理である。

きちんとした指導のもと止めないと、
ダイエット同様リバウンドが酷く、
大量に打ちすぎて死んでしまうケースが多いからだ。

軽い気持ちで手を出しても
軽く止められることはできないのである。

ジャンキーになってしまうと本当に生活は崩れ
人間らしい生活もできなくなってしまう。

どんな状況であっても薬物には手を出さない。
そういう強い気持ちを海外にいる日本人に
持っていてもらいたい。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)

1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

連載コラム146 from 東京

どうも、高田クリニックの高田です。みなさんご存知だろうけど、ついに私も、つかまってしまいました。

今、監獄から書いてるわけだけど、自分で自分の顔、整形したけど、あいかわらず人相悪いです(笑)ダルビッチも、うちで整形したんです。

記憶に間違いなければ、あの整形外科の先生、ぷっつん5に出てたんじゃなかったかな。もうひとりの先生は名前忘れたけど、処女の見分け方がわかり、教えると正平さんが手当たり次第使うから教えてあげないといってたな。あの番組もソドムの的に悪い番組だった。ロンドンの番組が、可愛く見える。

まあ、冗談はともかく、これも1ちゃんねるで書いてるくらいの扱いだろうと思って、つねに変わらぬ意識でやりたい放題、書いてきたけどね。1ちゃんねるっていうのは、家で寝転んでしゃべってるというか、家でも話せないような腹の中の黒いものを吐き出してるんだろうね。ただ、悲しいかな、高橋尚みたいに魂がある奴、少ないね。

品川さんも、自分は新しいものがでるたびに買わなきゃきがすまない病気だと。へんないい方だけど、病気だと自覚してるのはマシだと思いますね。

言葉は悪いけど、そういう病気にならないと、この社会がなりたたないようになってるんだな。いつからそうなったか知らないけど、どっかで目的と手段が入れ替わってきちゃった。物をたくさん買わないと成り立たない。たくさん買った人、売った人が尊敬される。欲しくもないものでも欲しいと暗示をかけられて買うというか。そういう意識が変わらない限り、環境の仕事も商品も、なかなか根づかないんじゃないかな。

皆さんには、読む自由がある。口先だけの男が、好き勝手に書いていいなら、亀田も勝ったはいいけど、あいかわらず口ほどじゃないね(笑)このまえの弟のときもそうだったけど、ほとんど盛り上がるシーンない試合ばっかりだろう。まあ、チャンピオンに勝つというのは、すごいことだけどね。それも2階級制覇だから。

ただ、あれくらいのレベルになると負けない試合っていうのもできるのかもしれないね。いろいろ意見はあるだろうけど、僕は負けてもスカッとした試合を見せてもらいたい。これ書いてる人間に似てるとか、これと同じなんていわれたら、嬉しくないだろうに(笑)

ハーンズがハグラーに3RKOで負けた試合は、負けたハーンズが褒められてた。ハーンズは、注目された試合で、ことごとく客を愉しませるというか、期待どうりの試合をしてきたね。ほとんど負けてるけど。

たまにならともかく、ホラー癖になってる状況は、あまりよくないと思うよ。まあ、ネガティブとリアリズムの違いも、初心者はわかりにくいかもしれない。

わかりやすくいうと、太宰はネガティブだね。走れメロスなんかは、友情とか子供向けにいい話だけど。まあ、太宰はこれと人間失格しか読んだことないけどね(笑)村上さんは、初期の1、2冊流し読みですね。

菊池も、あどけない顔ですね。太宰読んでるという大沢さんも、あれでルーキーのとき、いきなり長島さんに直訴した。センターからサードに戻してくれと。さすがの長島さんも驚いたと思うよ。いきなりだったから。

それでも、突き放さないのが長島さんの度量だろうね。というのは、それまで長島監督に、そんなこといってくる選手はいなかったんだろう。逆に、毎試合後にマンツーマンで指導してたみたいだからね。

司馬遼太郎はリアリズム。芥川は、霊性が売りみたい。

究極のリアリズム小説というか、僕が好きなのは、みんな兵士体験者か、監獄の中に入れられた人なんだ(笑)コリンウィルソンくらいじゃないかな。違うのは・・まあ、犯罪者といっても、ほとんど政治犯だけど。怒られるだろうけど、芥川さんも、監獄なんかに入れられてたら、逆に自殺などせず、さらにいい作品書いてたかもしれないなんて空想しちゃうね。

もし、戦争で身内を亡くした方が、読んでたとしたら、いい気分はしないと思う。そういう方にはお許し願いたいし、いま戦争をやっても、種類が違うから、これから戦争が巨人輩出機関にはなるようなことはないだろうね。

まあ、現代人も、ちょっとは投獄体験というか、空虚感になれる訓練をしておいた方がいいんじゃないかな。暗さから逃げよう逃げようとするのも、一種の病気かもしれないよ。一人なにもしないと空虚感や不安感が襲ってきて耐えられなくなる。まあ、女子供なんかは違うだろうし、冗談抜きに子供がこういうものを読んではいけない。理由はいろいろあるけど。まさか、征四郎君とか、読んでないだろう・・。

Jデップのグラントリノのキャッチフレーズが、「男の人生は最後で決まる」だったけど、一人で何もしないでいるとき、どういうものが頭に押し寄せてくるかで男の人生が決まるというのも自画自賛だな。

野村さんも、人間形成っていうけど、自殺したくなるくらいの気持ちのとき、一人でなにもしないでいることほど、男の人間形成にいいものはないかもしれない。

昔の宗教というのは、地球自体を天国へ行くための道場にとらえるわけ。イスラムやヒンズーもそうだろうし、アラブのカバラもそうだろう?12階から落ちてきたという。学んで一段ずつ上に戻っていくことを目標としてる。信じられないと思われるかもしれないけど、江原さんが好きなシルバーバーチも、そういうとらえ方ですよね。

たとえを悪くすれば、地球自体が監獄なんだと(笑)その監獄の中にいろんな娯楽施設を作ったり、それなりに愉しんでるうちに、そっちを忘れちゃったというのかな。ショーシャンクの空にでは、無実の男が終身刑を言い渡されて、刑務所の中で、毎日少しずつ壁に穴を開けて、ついに脱出してしまうわけだけど。

50年くらい前までは、テレビもない。ゲームもない。定期的に戦争や飢餓もある。たぶん、そういう中で一人になると、急にむなしくなってきたりする。それで死とは何かとか、宗教とは何かとか、考えざるを得なくなっていったんだろうけど。いまは、ごまかしながらいけるようになった。それが進歩的なのかどうか知らないけど。

大森さんも、科学の重要性を訴えてて、確かにそうだけど、それだけになっちゃうのは、本末転倒じゃないかと思うわけ。ゲーテも、科学は人間の思考を部分的にしか働かなくさせるんだと。昔の数学者は、ピュタゴラスが有名だけど、広中さんとか、岡さんとか、宗教的なもの持ってたし、多くの日本の経営者は霊性ある言葉を吐いてた。くどいけど、ここが他国と違う際だった点なわけ。いま松下幸之助さんが生きてたら、どんなことをいい、どういう策を出したか、興味深い。

もちろん、人生愉しむべきだけどね。むしろ、この世もあの世も連動してるらしい。松坂と金ちゃんも楽しそうにチャリティ野球をやってた。なんだか、成績の悪い今年が一番楽しそうに見えたね。

東とキム兄は似合いのカップルですね。上川さんも、泣かせるじゃない・・

恋愛観、結婚観いろいろあるだろうけど、そっちは石田さんの領分だね。トルストイなんか、リアリストの目でみた結婚観書いてる。確かに苦すぎるというかブラックコーヒーのようだな。現代作家のものは、コーヒーに砂糖3個くらい入れてるようなのが多いし、こういう味に慣れてたら、とても飲めない。

ネットで12歳が妊娠とか話題になったらしいけど、初体験早いほうが進歩的って自慢したがる人もいるんだな。小倉さんは、ぷっつん5で初体験は風俗だった?なんて質問されてた。

自称リアリストの石原氏も、中学以下は性交禁止にしたほうがいいといって、古いと思う人も多いだろう。そっちの欲望はみんな欲しがるわけだけど、罠も仕掛けてあると思うよ。病気に限らず・・。別に、キリストの世界だけのことじゃなくて、魂を傷つけたりとか、あるんじゃないかな。

吉幾三じゃないけど、もう車がない、テレビがない、なにもないような時代が過ぎたわけだから、仕事が全盛期よりなくなるのは当然なわけでね。中国なんかに経済的な勢いがうつるのは当然で、かなわない。もっとも、いまはグローバルな環境のこともあるからね。一人勝ちしても、昔の日本以上に世界から叩かれるだろうね。

これはネガティブじゃなくて事実なわけ。その中で、現在でも勢いのある会社だってあるし、新しい技術も作れる。それはいいことだけど、全員が金持ちになり、富で満たされるようなことはありえない。

じゃあ、そういう中で、金ある人しか幸せになれないかというと、ここからが宗教の出番なわけ(笑)もちろん、最低限の金は必要だけど、金持ちは金持ちの論理で、まだ不安まだアイツに負けてると永遠に蓄えてキリがない。

聖書にも、金持ちが天国の門をくぐるのは難しいとあるけど、これだけ長く伝わってきてる言葉の意味を深く考えてみてもいいんじゃないかな。

出口王任三郎っていう今の日本の新興宗教の礎になったような人がいる。監獄を天国にしちゃおう。地上に天国を作ってしまおうという割と、とっつきやすい考え方ですね。天国の意味が、娯楽で満たされたり、豪邸を建てたり、セレブになることではないけど。そもそも、天国のイメージは人それぞれ違うでしょう?

出口さんも刑務所に入ってますね。鳩山のおじいさんは見逃してあげたかったみたいだけど。

ただ、宗教だけに、当然出口さんも、あの世観を持っていて、金貯めること以外考えないで生きてるような金持ちは、いい世界に行けないといってる。というのは、人様の分まで不必要に奪った上、さらにそういう人達を蔑んで生きてるというわけ。

いや、我々はそれ相応の仕事してるから高い報酬を受ける義務があって当然という人もいるだろうけど、渡部さんもいってたろう。ほんとか知らないけど、忙しいのは大臣だけらしい(笑)

一概にいえないけど、薄給の現場の人の方が仕事してることもあるかもね。もっとも、ワッペンの傍線が一本じゃまだからって、何千万かけて作り直したりして石原さんも怒ってた。みんながみんな合理的に働き出したら、揚げ足とりばっかりになって、ますます仕事がなくなっちゃう。

見方を変えれば、なるべく機械やコンピュータに仕事してもらって、雇われて働く時間を少なくして余暇に何をするかという生活こそ、人間らしいのかもしれないよ。長時間、働かないで、みんなで仕事分け合って、半日くらいしか働かないで。しょこたんの国では、瞑想ばかりやってるらしい。若田さんにも宇宙人見つけてきてもらいたい。

物があふれ、さらに機械のする仕事が増えてくわけだから、人間のする仕事が減るのも当然でね。まだリアリティないけど、一個の種から100個のトマトが育つというような食料技術がたくさんあれば、雇われて働く時間も少なくてすむ。問題は住む場所だな。住む場所と食料さえあれば、どうやっても生きられるわけでね。そういうつつましいというか、したたかな生活から、いい文学や芸術が生まれてくるかも。

スーパーだってガソリンスタンドみたいにセルフの部分を増やしたり、科学が進歩してなんでもロボットがやれば、ますます安くなる。実際、一部のレジもそうなってきてる。大企業の経営者はあらゆるものを合理化したいだろうから、個人商店は、きついね。世界中の大企業同士ばかり合併していって、どうなるんだろうね。

ほんと、どっちが監獄かわからないという人も増えてるだろう。こっちは、長い時間働いても、家賃と食費で精一杯。しかも、それすら保障されてない。監獄は、食と寝る場所は保障されてる。

詳しいことは知らないけど、デフレといっても、昔のデフレとは意味が違うと思うね。そういう流れまで含めてどうするかを考えないといけない。年収いくら以上が何人いたら、何人以上雇う義務があるとか、いくら以上の利益があったら、何人以上雇わなければならないとかいう法律をつくらなきゃならなくなるかもね。

サッカーも、なめられてるみたいで大変だな。

まあ、暗くなるようなことばかりいっちゃったけど、環境はダイナミックな仕事もつくれそうだけど。アスファルトだって、熱くならないものも開発されたんだろう?経済は奇麗事抜きに下半身もうずかせるようなものが、一気に広がるパワーあるからね。下半身だけでもダメだけど。パソコンも、ネットが出て来て一気に売れるようになったわけだろう。これから、ビデオやパソコン、携帯みたいなウルトラC出てくるかな。4人のノーベル賞より、1人のビッチゲイツが出てきてもらいたいね・・

トルストイの小説で、エリートが、豪邸を立て、内装もこんな風にしたいとか夢みてるときは楽しくて、いざ夢をかなえた途端におかしくなっちゃう。ノイローゼというか・・

僕みたいのが何いっても負け惜しみととらえられちゃうだろうから、ほんとは、辻ちゃんみたいな成功者といわれるような人や、セレブの中から、もっとノイローゼが出てこないといけない(笑)たけしさんあたり、どうですか?広範囲に影響与えると思うけど・・ちょっとは距離も近づくだろうし・・

伸介さんは、「政治家は体を張って政治をやってもらいたいです」と気風よく言い放ち、「伸介さあん、あなたにとって体を張る政治って具体的にどういう政治?」と返され、病院に直行したという。

トップガンでもトムが空軍でトップになった途端、イヤになってやめてしまう。というのは人を蹴落としたり、そういう生活にうんざりするわけ。あのテーマ曲はいいですね。エグザイルも、ああいうの唄えないかな?


コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎

連載コラム252 from 北海道●日本映画を観るべし

時間があると、映画のビデオを鑑賞することが常々多い
私であるが、ここ暫くは、邦画をよく好む。
ハリウッド映画も含めて、映画業界にも不況の波は
少なからず及んでいるものの、近頃の日本映画は
不況も不景気もなんのその、全くもって元気だ。
その理由のひとつに、日本映画に素晴らしい作品が
多くなったからだと、私などは思う。

天才肌の三谷幸喜監督の作品も、これまでの作品は
勿論だし、「ザ・マジックアワー」なんて、完璧すぎる
くらい完璧な作品だ。
舞台セットも撮影も、計算され尽くしたあの映画は、
兎にも角にも、驚きと美しさと感動、それに笑いに満ちている。
映画こそ大衆娯楽作、夢を与えてくれるものだと
三谷監督の作品を見る度に、痛感させられる。
今年、映画館で上映された「ディア・ドクター」の監督、
西川美和さんも、あんなに味のある作品を世に送り出し
ながら、実はまだ若くて容姿端麗なのだから、そのことでも
驚きだ。
西川監督のデビュー作「蛇イチゴ」は、ブラックコメディな
作品ではあるものの、個人的にはとても好きな作品である。
そして、映画「ゆれる」では、家族の絆や絶望から再生を描く
「蛇イチゴ」とは全く違うシリアスドラマである。
これが、もの凄くいい。
人間のやりきれなさ、嫌悪感、嫉妬、絶望、冷酷さを深くえぐり、
最後には優しさで包み込む。
一度観たら、忘れられないほど、レベルの高い映画だ。
そんな西川監督は、映画の構想はいつも夢で見たことがヒントに
なるのだそうだ。
夢で見たことから、自分で脚本を編み出してしまうなんて、
スティーブン・キングみたいで、超すごい!
その他にも、松尾スズキが原作、監督を務めた「クワイエット
ルームにようこそ」も一押しの映画である。
これは、とある出来事によって精神科病棟に入院してしまう
主人公の葛藤と成長を描いた作品なのだが、実は私はこの映画を
観てから、急いで原作も読み、二度驚いたのだ。
原作者が監督な訳だから、原作に忠実な映画だったことも当然
なのだろうが、映画の出来栄えも最高だけど、原作の短編も
素晴らしくて、鳥肌がたった。
松尾スズキさんの文章には、独特の文脈の美しさがあって、
読んでいて、どんどん吸い込まれてしまうし、なんなの?
なんなのよぉ、この人って、私は何度も心の中で叫んでいた。
これも、今更なのだけど、多彩な松尾スズキさんは、
劇団「大人計画」の旗揚げ人物でもあるし、作品作り、演出、
俳優と、これまでも多くの分野で、活躍してきた訳だから、
当然なのだろう。
だけど、北海道に住んでいると、「大人計画」の芝居を観る
ことも、その才能の凄さに触れられることもまれである。
よほど、注意をはらっていないと、情報すら見落としてしまい
がちだ。
だから、私も遅ればせながら、今更その凄さに驚いた。
松尾さんには、これからも映画を是非つくってほしい。
彼の映画に触れたいなと心から思うからだ。
そして、彼の本ももっと読んでみたいです。
ちなみに、「クワイエットルームにようこそ」は、2006年の
芥川賞にもノミネートされている。
どういう理由で、賞に選ばれなかったのか解らないけれど、
個人的には、惜しい気持ちである。
こういう作品にこそ、賞を取ってほしいものだ。
本当に惜しい。
そして、同じく劇団「大人計画」で活躍する宮藤官九郎も、
もうずっとテレビにドラマに、映画にと活躍しているけれど、
彼主演の映画といえば、私なんかは「福耳」かなぁと思う。
もちろん、「クワイエットルーム」でも、味のある役所を
演じていたし、凄いなぁと思ったけれど、「福耳」は、
ファンタジックで、楽しくて、最後にはじーんとしてしまう。
宮藤官と、田中邦衛の絡みも最高に楽しい。
愛がある映画は、いいです。
人の心をちゃんと満たしてくれるから。
そして、この映画は、瀧川治水氏が監督。
三木聡監督の「ダメジン」も、はちゃめちゃでB級映画では
あるけれど、笑いの宝庫だ。
元気がない時、こんな映画を観たら、きっと救われる。
楽しくて、バカバカしずぎて、「これで、いいのだ」って
テンションを上げてくれるからだ。
きっと、こういうバカバカしい映画も、必要なのです。
そう思います、私は。

日本映画は、角川映画全盛期時代の後、確実に低迷していた
ように感じる。
どの作品にも、伝えたいことが難しくて伝わりにくかったり、
作品が尻切れトンボで、観客は悶々とした気持ちを抱えたまま
映画を見終わることが多かったからだ。
それが、2000年頃から、徐々に変わり出したように思う。
ドキュメンタリー映画も含め、日本映画は、年を追うごとに
良くなっていった。

いま、私が特に填っている映画は、「パッチギ!」だ。
「パッチギ!」と続編の「パッチギ!LOVE&PCACE」は、
セットで観れば、その感動もひとしおである。
このシリーズの監督、井筒和幸監督の昔の作品と比べても、
この「パッチギ!」シリーズは、ダントツに素晴らしい。
過去の時代、在日朝鮮人の人達の心情や葛藤、そこに存在した
偏見に晒されていたことや、家族愛、強さ、そして祖国への思い、
全てをこの映画で堪能できてしまう。
そういう意味でも、この映画は文化的な財産だ。
教科書では教わらなかった歴史の一ページが、この映画には
詰まっているからだ。

そして、今月の24日まで東京新国立劇場では、「パッチギ!」の
舞台が上演されている。
舞台の宣伝をテレビで目にしたことで、私はまた「パッチギ!」
の映画を観ていた。
主題歌の「イムジン河」を聴いて、もっと感傷的になった。

日本映画、とにかくオススメです。
いい映画に浸って、みんなで元気になりましょう。

コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

2009年12月1日火曜日

連載コラム133 from 台湾

11月4日、マレーシアで日本人女性が逮捕された。
女が逮捕されたのは国際空港の税関。
麻薬密輸に関わった罪で逮捕されたのだという。

この女性はアラブ首長国連邦のドバイから
マレーシアのクアラルンプールを経由し
日本に帰国する予定だった。

税関特別検査期間であった同空港で
覚醒剤5キロ近くも所持していたこの女は
あっさりとバレ、逮捕されたわけだが
「何も知らない」と罪を否認しているという。

「日本を出たら何してもOK」感覚
今回マレーシアで逮捕された女性が
麻薬常習者であるのかどうかは定かではない。

しかし麻薬を運ぶくらいであるのだから
1回、2回は試したことがあるだろう。

「覚せい剤は恐ろしい」と、いたるところで言われているが
「1回くらい平気」「お試しで」と手を出す人は
想像以上に大勢いる。

海外に居ると「日本なら大人しそう」に見える日本人が、
信じられないほど開放的で
意外な行動をとったりするものだが、
麻薬に関しても平気で手を出したりするのである。

自分を知らない人ばかりの国へ行くからか、
違う自分になってみたい、抑えていた自分を出したいと
思うのだろうか。

そして、その国でやったことは、その国に捨て、
帰国後は普通の生活に戻るのである。

「日本を出たら何してもOK」
「日本には持ち帰らない」
そんな人がアラフォー独身世代に得に多くいるのである。

そんな感覚が「日本に帰る途中、ちょっと麻薬を運んで
大金かせぎ」に走らせるのだろう。

問答無用の厳しい国マレーシア
マレーシアで逮捕された女性も
職業は看護士で、体重もかなりある、
「麻薬とは無縁」のような雰囲気の女性であった。

「もしかしたら、ハメられたのか?」という考えも
脳裏を横ぎるかもしれないが、
彼女のパスポートにはここ6ヶ月の間
何度かマレーシア入りしていた記録が残っており、
麻薬密輸の運び屋となっていたのは
まず事実であろう。

日本では覚せい剤密輸に対しても
売買、所持、摂取に対しても、
たいした刑罰はくだらない。

もちろん実刑判決は下るが、
「覚せい剤が人間にどのような影響を及ぼすか」
を考えると、あまりにも軽い刑なのである。

アジアだけでも、中国、マレーシア、タイ、
シンガポールなど量は異なるが50g前後の麻薬密輸で
容赦なく死刑にする。

鞭打ちの刑があるマレーシアはとても厳しく、
「飛行機内でも麻薬持込は死刑になると
アナウンスさせているのに、持ち込む方が悪い」と
問答無用で死刑を下し、執行するであろう。

女性は今、猛烈に後悔しているであろうが、
やはり自業自得というほかに言葉はない。

増加しないことを祈るばかり
これまでアジア各国では
「日本人は沢山買い物をし、お金を使ってくれる」
と歓迎されていた。

空港でも日本のパスポートは税関ノーパスの国が
多い。

しかし、だんだん日本人に対する見方が変わってきており
「日本パスポート」が通用しなくなってきている。

今後、海外で日本人が麻薬がらみで逮捕される事件は
増加するかもしれない。














写真は台湾の現地小学校中庭の風景です。
小さな川も流れており、のんびりした雰囲気になっていますが
台湾は日本以上に学歴主義で小1から中間・期末試験があるため
子供たちがあまり遊べる時間がないのが現状です。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)

1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

連載コラム145 from 東京

あまり家庭内で、僕が話してるようなことは、しゃべらないのかな。まあ、お笑いの人たちなんかは、そういう類の番組やったりしてるけど、そういう気を抜いた会話でも、聞く価値があるという人間は、そうはいないんじゃないかな。

たとえば、昔のロシアの人とか、気にいった人がいるけど、トルストイとドストエフスキーが、チーム青森見ながら、寝っころがって会話したりしてるのは、すごい面白いと思うんだな。ペルジャーエフなんかでもいいし・・

ああいう人は、どこで何話しても、聞いてみたくなるというか、会話に価値あったと思うよ。そういうのが本物っていうんだろうね。いまは誰がなに話しても、どっかで聞いたことがあるなっていう感じの会話だろう。脳が古いといったら、いいすぎだけど。クリシュナムルティも、人類の脳が進化しないと、人類は自滅するだろうといってる。

ペルジャーエフっていうのは、知らない人も多いだろう。ロシアの思想家ですね。昔、日本屈指の文芸評論家と言われた小林秀夫さんという人がいたんだけど、この二人がドストエフスキーについて本を書いた。二冊を森信三が読んで、こんなことをいってる。

小林秀夫のほうは、ドストエフスキーの家の前までバスで乗せていってもらい家の門前を見ただけで素通りした感じ。ペルジャーエフの方は、ドストエフスキーの家の奥座敷まで通された感じがするんだと。まあ、それくらいレベルが違うってことでしょう。

みのさんなんかも、なにか言うたびに訴えられてる。医者がやったことで、シロウトでもそのくらいのことに気づくんじゃないかなとかいっただけで、気の毒ですね。

心理学者の本だったと思うけど、ヒトラーがドイツを仕切っていた頃に、反体制運動に立ち上がったグループの兄弟リーダーの家庭環境が、思ったことはなんでもいいあうような雰囲気だったらしいね。そういう環境で育ったからこそ、これはおかしいとかいう感覚も健全に育って、洗脳されないんだと。

昔は、ヒトラーとか、スターリンが言論弾圧やって、ちょっと気に食わないこというと殺されたりした。近所づきあいも、そういう風に本音を話せば、ばらされたりするわけだから、びくびくして本音を言えない。泉ピン子さんなど真っ先に殺されてるだろう。家族で話してるときですら、落ち着かなかったんじゃないかな。そういう世界は、田原総一郎さんなんかにとっちゃ、大地獄でしょう(笑)聞いてみないとわからないけど、田原さんあたり本音を言って死ぬほうを選ぶかもしれない。

テレビでいえないだろうけど、いまは小ヒトラー、小スターリンがあちこちに出てきたようなところもあるんじゃないかな。ヒトラーが生まれない社会になったのはいいけど。

まあ、猪木さんが世の中に面白いことがなくなったというのは、どういうことなのかな。アリクラスのボクサーは、確かにもう出ないかもな。いきすぎた物質文明は、会話がつまらなくなってくるというのも、あると思うよ。

自己実現とかいうフレーズも全部金儲けと直結したものになってるだろう?僕が若い頃は、マズローの自己実現というと禅に近かったように思う。

ケストラーという人が、日本に来て噂の禅僧に会いたがった。どんな話をしてくれるのか楽しみにしてたんだけど、霊性がなくなってるというか、型にはまったようなことしか言わないんでガッカリして帰ったらしいんだね。

こういうこともテレビで言うと、禅僧の地位を失墜させたとかいうクレームがくるわけかな。

リスト教は、何度も大きな戦争も起こしてる。大沢さんも、指摘してるけど、キリストは独善的な人も出てくる。誰だか、大沢さんみたいな顔つきは、意外と死ぬ間際によくなるんだといってた。

ただ、仏教だって常に摩擦は起こしてきてる。日本だけでもマチャミの好きな日蓮も島流しにあってるし、スケートの先祖の織田信長も仏教系の僧侶を殺しまくった。それは、僧侶が堕落したからというのもあった。キリストの戦いと原理が同じなわけ。

権力というのは、長く続くと堕落していく。だけど、権力者たちはそのことに気づかないで、堕落スパイラルに入る。それでちょっと敏感で透明な人間が、おかしいとなって壊しにかかるというのがキリストの歴史でもある。

まあ、猪木さんだって、ピューリタン革命とかの時代にいったら今よりつまらないと思うよ。そういう退屈でどうしようもないときは戦争が唯一の楽しみになってくるというのもあるかもしれない。曽野綾子さんもいってますね。

グラントリノはよかった。硫黄島で懲りたから、ウエストウッドの映画は二度と見まいと思ったけど、見直したというか。あれも、教会の若くて頭が勝ちぎみの神父と戦争で生死をかけた経験のある老人が、戦い学びあって、宗教観が溶け合っていく。あの後半のウエストウッドのおじいさんは昔のアメリカの理想の父親像なんじゃないかな。うちの父親は、「おじいさんなんていったら、修理してやんないぞ」なんていってたな。

信長あたりだったら、空海とか道元級の透明度の高い僧侶がいたら、見抜いたんじゃないかな。ナポレオンも、キリスト教はともかく、イエスキリストのことは、最大級に褒めてたらしいから。亀井さんは、ゲバラを信奉してたらしい。

手島郁郎さんというのが、キリスト原理主義を日本一的確にとらえてると僕は思う。手島さんがいうには、キリストが欧米にいって違うものになって、日本に戻ってきたんだと。本山博さんなども、昔、日本にキリストを布教にきた外国人自体が、キリストを理解してなかったといってる。

いまの時代は、なんでも進化して最先端にあると思ってる人もいるかもしれないけど、大間違いなわけで、歴史はずっと同じ繰り返しなわけ(笑)もちろん戦争はよくないわけだけど、現代は本来壊されてたようなものまでが、ズルズル残るようになってしまった。それはそれで、また問題が起こる。
おおざっぱにいえば、キリストは思ったことを場をわきまえずいってしまうようなタイプなわけ。いまの言葉でいえば、空気が読めない(笑)だから、敵をつくりやすい。

釈迦の場合は、ほとんどしゃべらない。いってもわからないと(笑)実際、釈迦は、出家してあちこちまわったんだけど、どこへいっても、ここに師はいないと逃げてきちゃったらしいね。東さんみたいに・・

それで一人悪戦苦闘して、独自の修行法を編み出した。それでも、自分が体験したような世界は人に言っても絶対にわからないからと、なかなか人に話したがらなかったらしい。まあ、一説だけど、ありがちな話ですね。

ただ、いってることはほとんど同じと僕は見てる。それは真理がわかるような脳というか、体質になるためには、どうするかということ。

ただ、ああいう人たちのマネは、僕らは絶対できない(笑)まねしておかしくなってしまうのも大勢いる。千代の富士が解説やってたとき、アナウンサーが、安馬と千代の富士はどこが違うか聞いた。たしかにシロウトからみて細くて体系も似てる。それで、千代の富士が、一言、「ものが違う」と自分でいってしまった。安馬も名前が変わったことだし、叱咤激励と思ってあまり気にしないでほしい。

キリストとか釈迦はものが違うというか。じゃあ、僕らのような凡人はどうすればいいかとなって、キリストも、仏教も、いろいろ教義が変わってきた。仏教にも、法華経とか、華厳経とか、南無阿弥陀仏とか、いろいろあるわけでしょ。あれは、南無阿弥陀仏と唱えてるだけで、天国にいけるわけだから、優しい宗派ですね。そういうものは信者も増える。

実際、そういうものからいい人柄も生まれてきてる。そういう庶民を妙好人といって鈴木大拙が外国に紹介した。キリスト教からも、マザーテレサのような人物も出る。

キリストのいう私につながってれば大丈夫というのは、本来、真理がわかってれば大丈夫ってことだと思うよ。それが、わからないと勝手に離れていってしまうはずだから。教団に入って一緒にいれば大丈夫というようなことではなかったと思う。

というのは、キリスト原理主義というのは、現世利益ではなかったから。ただ、こういうとらえ方は、どうも異端視される。僕は、こっちの見方が、正当だと思ってるけど、異端と思う人のほうが多い。グノーシス派とか、グルジェフなんかの思想がそうですね。飛びつく人が少ない。こういうのは、議論しても絶対に解決つかないから、そういう人と遭遇したら、僕が間違ってるのかな・・くらいの挨拶で済ませたらいいのかと思うね。そうしないと戦争になっちゃう(笑)

実際、イエスキリストの頃は、12人しか信者が残らなかった。あなたがたは天国にいけないなんて信者にもズバズバ本音をいうから、翌日からこなくなっちゃう(笑)まあ、いまの邪教は、そう脅した後にお金を払えば天国にいけますよと。

たとえば、現代を見ても、そういう真理にうといような人でも優しいな、魂がきれいだなって思う人がいるわけ。そういう人たちはどうなのかって。マア、キリストなら厳しいことをいうかもしれない。

子供には優しいとか、劣った能力の人には優しいとか・・そういう人が、自分より能力のある人には、焼きもち焼いて急に激しくなったりする。こういうのは、人間的といえば人間的な感じもする。

たとえば、あまりいいたくないけど、市橋容疑者が捕まってすぐ、両親が、しつこいくらいメディアに出てきて、冷静に話してた。ああいうのは、ちょっと不自然な感じがした。健気といえば健気で立派なんだろうけど。やっぱり、冷静さを失って、一言二言しか話さないようなのが、人間ぽい感じもするわけ。

子育ても、物理的にもそうだけど、精神をいびつにしないようにするという意味でも子育て難しい時代になったんじゃないかな。家族間の殺人も増えてるらしい。品川さんも高齢出産とか心配してるみたいだけど、それより子育てを心配した方がいいかもね。まあ、せめて家庭くらいは、いいたいことをいえるものになってないと、どうしようもないんじゃないかな。


コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎

連載コラム251 from 北海道●問いかけの時代

2009年のユーキャン流行語・新語大賞候補が発表された。
60語もある候補の中には、「政権交代」や「事業仕分け」
など、政治関連の流行語も多い。
また、「草食男子」「弁当男子」「乙男」などや、「婚活」
「離カツ」や「歴女」。
芸能人の薬物問題を象徴した「あぶり」。
明るい流行語は極めて少ないと感じる。
その年の傾向を改めて振り返る意味でも、流行語は欠かせな
いものだ。
しかしながら、多様性を求む時代に、流行語候補がノミネート
されても、それ以上に大賞を決めることに果たして意味がある
のだろうか?

「婚活」や「離カツ」のように、言葉を縮めた表現に「就活」
がある。
今回はノミネートされなかったが、これも今どきの言葉だ。
そして、今どきの就活には、パソコンや携帯というアイテムは
必需品である。
サイトにアクセスして、関心のある企業に登録する作業から
始まると言われる今どきの就活では、後日メールで企業から
説明会の案内が送られ、面接へと漕ぎ着けるが内定には至らず。
その数、60社や100社はざらだという。
このことに、厳しい就活と言われるが、漠然と感じることは、
もう闇雲に就活が報われる時代は終わったということである。

今の日本では終身雇用で将来が守られる暮らしも既に崩壊している。
日本は高度経済成長が到達した時点から、次なる目標を失い、
バブル期を得て、今になった。
それまでのサラリーマンは暮らしが不安定になり、家のローンが
払えなくなり、自身としての誇りも打ち砕かれた。
そういう暮らしの中で、人は世の中の何を信じて生きていいのかも
解らない。
正しいと思っていた生き方が打ち砕かれると、当然それは子供に
も繁栄されるわけで、実は大人達は子供達にも曖昧に、何を
どうして、どう伝えていいのか、根本的なことを解っていないの
かもしれない。

崩壊と共に失われたことは多い。
しかし、それは今までのルールが通用しなくなっただけで、希望が
削がれたわけでない。
多くの学生達がリクルートスーツに身を包み、マニュアル通りに
右へ倣い、そういう職探しの時代は終わったというだけのことだ。
それは個々の時代に突入したということ。
将来つきたい仕事を、若い頃から想像しそのために何が必要か
何を身につければいいか、どういう分野に進めばいいか、そういう
ことを探って子供たちは大人になる必要があるということだ。
そして、もちろんそこにはグローバルという時代の波もある。
日本という枠の中で生きる方法もあるだろうし、この国を飛び出し、
自分のやりたいことを極めていく方法もあるだろう。

実はこの考えに到達したのは、カンブリア宮殿でお馴染みの村上龍
さんのエッセイ集がきっかけだった。
「村上龍 文学的エッセイ集」なる本は、2006年に刊行された本で
偶然古本屋で購入した本だ。
村上龍さんの小説は、実のところ殆ど読んではいない。
読んだのは「半島を出よ」のみである。
後は、まだ本箱の隅で眠っている。

村上さんのエッセイ集には、正直目から鱗だった。
なぜなら、このエッセイ集を読むまで、私もどうしていいか解らない
側の人間だったからである。
時代への不安や憂鬱は敏感に感じても、これだという意見に到達でき
ないわけで、討論番組を見ても、何を読んでも、結論など出なかった。
不安定な大人の生き方は、子供たちの生き方にも跳ね返ってくる。
子供は何より、大人の不安を察知して、疑心暗鬼に掛かり、
希望を見いだせず、嘆いているのかもしれない。
世の中の全てが同じものを目指して明るく生きていた時代には、
大人も堂々と自信を持って子供にもこうなのだと示せるが、それは
過去のこと。
そのことに、今は何より私達大人が気づかなければならない。
そして、子供達には、右へ倣いの教育よりも個々の可能性を引き延ばす
教育こそが望ましいのだろう。

過去を振り返り、あの時代は良かったと感傷に浸っても、何も変わ
れない。
なぜなら、過去は過去でしかないのだから。
私達は、間違えなく今を生きている。
だから、これほどまでに目まぐるしく時代が変化しても、柔軟に生きな
ければ生き抜けない。
それは、個人がより試されていく時代だ。
それら全てが、問いかけの時代なのだと思う。


コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

2009年11月15日日曜日

連載コラム248 from 北海道●大人の部活動

『北陸の旅』の連載を終えて、奇妙なタイトルで書き出してしまったが、
私が述べる『大人の部活動』とは、大人たちの趣味的な活動を意味する。
絵画や陶芸、英会話に韓国語講座、なんとかのボランティア活動に
携わることも
そうだし、ならば「趣味はスポーツクラブに通うこと」と答える人
も、いまは
普通に多い風潮かもしれない。

私はダンスを9年続けている。
正確にいうと、ダンスサークルに所属して9年目。
ダンスというのは、以前にも打ち明けてきたことだが、ジャズ系や
ヒップホップ系の
踊りであり、マダムたちが勤しむ社交ダンスでもなければ、なんと
か流の日本舞踊でも
ない。
年甲斐もなくなんて、身も蓋もないことはどうかいわないでほしい。
本人がこれと思って生き甲斐を感じているのだから、温かい目で見
守ってとも
いわないが、鼻で笑われるのもごめんである。
いや、笑いたければ、笑ってよろし。
どうぞ、笑ってください、でもこっちは真剣、それだけです。
人にはそれぞれの価値観があり、その価値観の中で、それぞれの目
標を見つけていく。
人間の幸福とはそんなものだ。
他人には理解不能でも、本人には大切だと思うことがあるものです。
そして、その趣味を同じ価値観を持った人たちと分かち合い、高め
あえれば、
尚のこと幸福だろう。
だから、何かに夢中でいられること、何かが好きと思える人生は、
良い意味で幸せ
なのだと思う。

私は森山開次さんのファンである。
それから、近藤良平さんのファンでもある。
そして、我がサークルの講師、ターボの大ファンだ。

マニアックな話で、さっぱり解らないと思われる方もいるかもしれない。
けれども、森山開次さんも近藤良平さんも世界的に活躍されている
ダンサーで、
海外公演も多く、テレビや舞台、話題の映画にもチラリと出演され
ていたり、
その業界では、知る人ぞ知る有名人だったりする。
コンドルズという名前をどこかで耳にしたことはないだろうか?
学ランで踊る姿が定着してしまったコンドルズは、近藤良平さんが率いる
ダンスグループでもある。
ファンに惜しまれながらも終了した『サラリーマンNEO』に、この
コンドルズは出演していた。
一件風変わりで、独特の笑いと感性を織り交ぜたコンドルズのダンスは、
観る人に元気を与える。
笑いと笑顔で、心がぽかぽかしてくるダンスだ。
『サラリーマンNEO』は海外でも放送され、多くのファンを勝
ち取った番組でも
ある。
ちなみに、局はNHK。
それから、『あさだ!からだ!』にも出演中。
この番組には、近藤良平さんだけではなく、森山開次さんも出演し
ている。
どちらも、それぞれのカラーを全開にし、ファンにとっては貴重な
番組でもある。
ちなみに、子供向け番組でござる。
そして、こちらもByNHK。

森山開次さんの舞台は、兎にも角にも作品の全てが圧巻している。
森山開次にしか作り出すことの出来ない世界観がある。
ベェネチアのホールで2007年に踊った作品『ベルベット・ス
イート』は、
観客からも大絶賛されたひとり舞台だ。
当時、民放テレビの『情熱大陸』でも取り上げられ、日本各地でも
公演をした。
札幌では教文の小ホールで公演し、チケットは早々と完売した。
開次さんの舞台には、強烈なインパクトがある。
どこにそんなエネルギーを隠しているのか、普段の物静かな人柄からは
想像もつかないほど、過激でおどろおどろしく、それは地下でマグ
マが活動して
いるような不気味さがあったり、血のにおいを感じたりするけれど、
それでいて全てに切なさを秘めている。
哀しみが心いっぱいに溢れてくるほど、開次さんの舞台はすごい。
そして、それを小ホールという限られたスペースでやってしまうか
ら、場内は、
開次さんのパワーで包まれてしまうのだ。
そういう舞台をこなしながら、一方では『あさだ!からだ!』での作品も
踊れちゃう。
その凄さに、ほとほと参ってしまう。
その違いは、月と太陽ほどだ。
夜と昼ほどの、陰と陽ほどの極端さがある。
だが、どちらも森山開次の世界。
どちらも、凄いし、素晴らしい。
ちなみに開次さんは、この夏帝国劇場で上演していたミュージカル
『ダンス オブ
 バンパイア』に出演していた。
そして、現在公開中の映画『カムイ外伝』にも出演している。

この時期、私は毎年恒例のダンスの発表会を控えている。
今年は、10月25日、残すところあと僅かだ。
発表会練習が日に日に加速していく中、気がつけば足が不調になっ
ていた。
股関節にやや緩みを覚え、痛みを覚えながらも、腰や膝、そして首
にまで、
痛みは拡大していた。
それでも、こういうアクシデントは特別なことではない。
誰でも、誰にでもあることで、昨年だってサークルの仲間のひとりは、
腰にブロック注射を打ち続けて、発表会を乗り切った。
我らのような世代は、そういうお年頃である。
体を酷使すれば、どこかにそのことが跳ね返ってくる。
それでも乗り越え、達成することを目標にしている限り、
仲間にも支えられるのだろう。

9年という月日は、あっという間だった。
その間、サークルのメンバーは入れ替わり、止めていく人もいれば、
ずっと変わらず残り続ける人もいる。
新しい顔もその都度出入りし、現在の我がサークルは21歳から5
0ウン歳までの
メンバーで構成されている。
私は長年、このサークルに所属しながらも、ずっと発表会が苦手だった。
発表会の季節になると、否応ナシに憂鬱になった。
要するに自分の踊りに自信がなく、舞台が好きになれなかったのだ。
そんな葛藤を抱えながらも、止めずに続けてきた。
止めようと思ったことは、幾度もある。
けれど、止めてしまえば、それっきり。
感動も達成感も味わうことなく、私は子供の頃のように苦手なことを
投げ出して、何も変わらない自分を生き続けていたかもしれない。

ダンスの舞台は、踊るより観る方が好き。
その気持ちは、やっぱり胸の奥底にまだある。
コンドルズの舞台にウキウキするように、森山開次さんの舞台に感
動するように、
私はひとりでだって彼らの公演があれば観に行く。
それほど、私にとっては魅力的なわけで、観るのも勉強、そういう
気持ちだ。
しかし、それを観たことをそのまま活かせなくても、考え、工夫し、
自分なりに努力することも必要なこと。
私にはその部分が欠けている。
観たらみっぱなし、感動したら、良かった嬉しかったで、終わって
しまう。

だから、もう随分前のことになるけれど、私は我がサークルの講師に
釘を刺された。
要するに、怒られたのだ。
(だって、観る方が好きなんだもん・・)
その時の私は、鬼の形相で捲し立てる講師の愛の鞭にげんなりした。
だって、観る方が好きだなんて、もっとダンスが上手くなりたいとか、
もっと極めてみたいなんて気持ちが全く感じられないから、
それで講師は激怒したのだと思う。
こんなに教えているのに、おまえはどういうことだ? と。
仲良しクラブじゃないんだぞ、もっとやる気を出さんかい、と。
そうなんです、うちの我がサークルは、特に精神面では、
どっかの実業団なみに厳しいのです。
だから、その体質についていけない人は、自然と止めていくわけで、
でもだからこそ、軟弱だった私も心が鍛えられていきました。
なにくそ、根性で、頑張りました。
やめれば、それでおしまいでも、やめなければ、きっといつかは味
わえる。
頑張ったと思える自分や、これだと思う瞬間に出会えるのです。

発表会を前にして、足が不調でも、こんなの屁の河童でございます。
痛み止めを飲めば、よろし。
それから、筋力トレーニングで強化すれば良いことじゃ。
問題なかです、頑張れます。
そんで、今年はばっちり踊っちゃるけん!
ってな、気持ちです。

人生何かに夢中になれること、オススメです。
で、興味はあるんだけど、気持ちがそこまで高まらないあなたへは、
森絵都さんの『DIVE!』という本を是非に。
努力の先にしか見ることの出来ない景色、とってもいいものですよ。


コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

連載コラム142 from 東京

日本の選手が言ってるコメントを聞くと、審判は、メジャーより日本のほうが、正確らしい。WBCで
西岡の大ちょんぼもあった。メジャーのほうが、日本より審判の権限が強い。判定を受けて、ちょっと
嫌な顔を見せただけで退場になったりする。

野村さんは、○リーグのほうが△リーグより、面白い審判が多いといってた。ピッチャー交代をつげる
と、今日は調子いいのになんで?・・なんて嘆いてくれるらしい。

審判だけでなく、どの世界でも、権限を持ちすぎるものは、実力が落ちていくものらしい。もっとも、
普通は、人間が絶対神化しないように、ヘビにマングースのような存在が現れるもののようだ。監督で
いえば、ミッチーの存在がそうだろう。

松本さんも、いくら映画祭にまぬかれても、これから芸人仲間の態度が変わらず尊敬してくれないとい
う修行が待ってるんだと言ってる。その方がいいと思うけどね・・

権限を持ちすぎると実力が落ちるわけだから、浅野さんも、アメリカやカナダに評価されたといって喜
ぶ必要ない。

まあ、人間も、自然界で力を持ちすぎた感じもするわけ。アヤワスカって南米シャーマン直伝の薬草を
飲むと、ヘビの幻覚というか、大蛇を必ず見るとハンコックがいってる。誰が飲んでも見るといってる
ところがすごい。(他のシャーマンは必ずしも幻覚を見ないといってるが)もっとも、腹を壊したり、
気が狂ったりして病院送りになる観光客もいるらしいから、現地に行って面白半分で飲むのはやめろと
国の上の人もいってた。アヤワスカは意外と有名らしい。

よく荒又さんが訳すウィルソンの本で、誰かも、アヤワスカを飲んで現れたヘビに「おまえなんか、た
かが人間にすぎない」といわれ、それがどうやっても幻覚に思えなかったらしい。それをきっかけに、
世界の神話を調べると、偶然にも、世界各地でヘビにまつわるエピソードばかり出てくるんだと。

DNAを発見したワトソンというのも、このアヤワスカを飲んでから、それを発見したらしい。写真を
みたことのある人は少なくないだろうけど、遺伝子というのは、ヘビが絡まってるようなつくりになっ
てる。今年ノーベル賞を取った人も、染色体の先端に寿命に関係するものがあって、それを発見したら
しい。

科学的に、人間の運命のようなものが高い確率ではじめから決まってることが、わかってきているよう
ですね。松下幸之助も、90歳ころに、9割がた運命が決まってたように思えるといった。60歳ころ
は7割がたといってて、段々、上がっていったようですね。ただし、若いうちからこの説は、虚無主義
にもなるから重く考えないほうがいい。朝、なにを食べるかなど、当然、意思にまかされてる。

日本にも、白ヘビが幸運をもたらすという話は、聞いたことがある。松下幸之助は子供の頃に、白ヘビ
をみて、白ヘビをいじめた子供たちが、祟られたという。

聖書も、ヘビにだまされるところから物語がはじまる。世界の伝説で、ヘビが悪魔的ととらえる地域と
、天使的なものととらえる違いがある。ターミネーター2も、最初、ターミネーターが、天使なのか、
悪魔なのかわからず、ヒロインが逃げ回る。

ヘビが天使ときまってしまうと、人間がヘビを可愛がりすぎ、撮りあさることで、絶滅してしまう。キ
リストも、当初、悪魔といわれていたように、世の中は両極端な見方が出てくることで人間が完全な神
にならないようにうまくできてるのだろう。こうすれば必ず天国にいけると決ってたら、そのとおりマ
ニュアルに従う人間の精神が、どれほど劣化するかわかる。

僕も、大蛇が木の上から見下ろしていて、ぞっとしたんだが、いつのまにか布団の中に入り込み、足に
からみついてじゃれてるという夢を最近見た。

僕も、アヤワスカを試したくなって検索したら、アヤワスカが小瓶で2500円かそこらで売ってる。
こんなに簡単に手に入るのかと思って、早速買おうと思ったが、もう少し検索していろいろ調べてみた
ら、アヤワスカに騙された人の記事が写真つきで載ってた。こういうマニアックな事実情報があるのが
ネットのありがたいところだね。

その人がアヤワスカを買って飲んだら、ブランデーの味がして、まったく気分に変化がなかったという
。(本物は吐き気がするほど気持ち悪くなるという)

小瓶のシールをよく見ると、成分表示で中にアヤワスカが入ってるとは書いてない。単なるアヤワスカ
という商品名なだけなんだと。だけど、いつみても品切れ続出してるそうで、なかなか買えなかったし
、自分のようにだまされる人は多いんだろうなんて書いてあった。

アヤワスカが、体を蝕むのか知らない。現地のシャーマンは、神の薬として崇めている。ただ、いま日
本で話題の覚醒剤の問題は、30年前のアメリカでも、ブームになってたらしい。ハックスリーが、メ
スカリンを使って恍惚感のようなものを味わえると本にして、仲のいいクリシュナムルティが、反論し
てる。薬は、遅かれ早かれ悲惨な結果になると。

ヘビが人間を作ったという説は、聞いたことないけど、人間を宇宙人が作ったという説は昔からある。
巨匠が作った2001年宇宙の旅のビデオを見て、退屈なだけでウトウトしてしまい意味がわからなか
ったが、解説によると、宇宙人が人間を作ったということを訴えてるらしい。トムハンクスも、生涯で
もっとも衝撃を受けた映画といってる。出来てから20年後くらいのコメントだから、本音だろう。マ
トリックスなんかも、宇宙人が人間をつくる映画らしい。エハンデラヴィも、そういってる。

進化論というものだけが頭に入ってる日本人には、笑っちゃう人も多いだろう。だけど、考えてみれば
、そういうことを学校で習ったというだけで、知識が頭に入ってるだけのことで変わった瞬間は見てな
い。猿と祖先が同じなど、どうやっても思えない人もいるかもしれない。ただ、司馬さんもいうように
、そういう疑問を起こす子供は、先生に煙たがれるだろう。太田さんも、舌鋒が鋭いようだ。奥さんが
社長だけど、ダミーなのかな?

ただ、アメリカとかになると、いまだに聖書のいう神が人間を創ったということが信じられていて、た
やすく進化論にふれられない地域もあるらしいですね。進化論がはじめてでてきたとき、あざ笑った人
も多かったろう。あざ笑われるならまだしも、トカゲとか、猿の先祖から人間が出来上がったなどと口
にするだけで、人間を侮辱してると、殴ってくる人間もいたろう。宗教の中には、人間が動物に生まれ
変わるといってるのもある。

亮くんも、18歳であれだけゴルフがすごいというのは、前例がないでしょう。前世もゴルファーだっ
たんだろう。前世は小松原三夫さんあたりかな・・

なにが人間を作ったのか知らないが、うまくできすぎてるとは思うね。自然に人間というものが出来上
がってくることこそ、信じられないという思いがあるわけ。緻密に観察するほど、人間の頭脳をはるか
に超えた存在が作り上げたゲームみたいなものが出来上がってるような気がする。その人生ゲームをみ
て、人間が自滅するのを楽しんだりしながら、からかってるんじゃないかとも思うわけ(笑)

地球という大水槽の中で人間を買ってる生物がいるという感覚は、おもしろいね。そういえば、鳩山さ
んの若い頃の風貌も、ちょっと普通でない。松下幸之助とか、江川さんの耳も、普通でない。

しょこたんや、ゆうこりんも自分の国はここでないといってる。バレンタインも、異国で、それも愚○
隊をひきいて、よくここまで長く続いたと思う。西岡みたいなのは、意外とキャプテンになるとまとま
ってきてやるんだろうな。門倉は、毎日、キムチだろう。キムタクを玉木さんが抜いたらしい。

秦野君は、カナダで頑張ってるようだ。

その存在が最終的に何を考えてるのかまで人間が見抜くのは無理だろうね。ゲームを解明していけばい
くほど、突き止めれば突き止めるほど、摂理が完璧というか、そういうものをシャーマンや聖人たちは
、いちはやく見抜いていたわけだろう。

ものすごい精密なワナがあちこちに仕掛けてあって、たぶん、大人になるほどそういう精密なワナのか
らくりが見えてくる仕組みになってるんだろうね。

王シフトというのも、王の打球がほとんど右にしか飛ばないってことで、守備が右よりの体制になった
。それで流し打ちすれば、ヒットの確立は上がるんだけど、王は、それがワナだと気づいたらしい。考
えた人も、そういってた。はやくワナに引っかかってくれないかと。流し打ちをするようになって、フ
ォームを崩してくれるのが狙いだったんだと。宮里藍なんかも、アメリカに行って、そのワナにかかっ
たらしい。

キリストが、あなたがたは髪の毛一本まで天の父に数えられてるといったのも、老子が、天網かいかい
網の目のように整然と人間界のルールは整ってるといったのも、同じことでしょうね。ダライラマに聞
いてみたいですね。

クリシュナムルティも、自分は何者かに操られているんだが、それは絶対にいえないと遺言めいたこと
をいった。

ハリケーンカーターというボクサーが、菅谷さんのように間違って刑務所に何十年も入れられたんだけ
ど、クリシュナムルティの愛読者だったらしいですね。映画にもなった。デンゼルワシントンが演じた
んじゃなかったかな。

僕らくらいだと、物をみる網の目が、まだ粗いというか、いろんな現象を見ても、不公平だと思ったり
、緻密にできてないと思って嘆いたりすることが多い。

かといって、なんで宇宙人が、これだけの手間かけて、原始人から何百万年もかけて人間をつくるのか
とも思うわけ。また、僕らが共通してもってる目つきの悪い宇宙人像の見てくれも悪い。蛍原様みたい
・・こんななるなら進化しない方がいいと思ってしまう。宇宙人が人間を作ったという説はSFなら面白
いけど、事実といわれると、ちょっと腰を引いてしまう。

こういう視点からみると、宇宙映画なんかも、まだまだ面白いもの出来ると思うけどね。そういうの、
アメリカが得意そうだけど、停滞してきたというか、派手な仕掛けとか、映像のいろんなものは、進化
してるんだろうけど、ストーリーが停滞してるような気がする。

誰も言わないけど、マーチンだって、一番面白かったのは、スクリュードライバーなんで、あれはいっ
ちゃってるような人間が、おかしく描かれてた。どうも、巨匠とかいわれるようになるほど、実力が落
ちていくというのが、一般的な傾向らしい(笑)

こういうものは、僕がいうまでもなく、常識的な考え方でしょう。それでも若い人なんかは、こういう
真理をはじめて聞く人も多いんじゃないかな。ほんとは、自分で確かめたほうがいいんだけどね。それ
で、他の人と話して、まったく意見があったときに、「やっぱりそうだよな」って、目が大きく見開い
て友達になれたりするわけだから。めったに意見が合わず、こんな見方をするのは自分だけかとさびし
い思いをしてるほど、同じ見方をする人間が現れたときの喜びは変えがたいものだろう。

テレビで、類人猿の進化をなぞったものとか、フリーメースンのことをやってると、芸人が眠そうな顔
をして見てるのがわかる。

いま話したような話題に興味を持つ人間は、少なくなってるんじゃないかな。いるとしても、盲目的と
いうか、UFOにしても、昔、ある若者が、NASAが宇宙人情報を全部隠してるといってた。いまは
知られた説になってるけど、当時は斬新で、キチガイと思った。この説も、わからなくないけど、いま
の技術でUFOみたいな飛行物体、地球でも十分作れるんじゃないかな。なんで、みんな地球外からく
るとばかり考えるんだろう。

コリンウィルソンによれば、ユリゲラーも、3歳の頃に、眠くなって宇宙船の光で目覚めたんだと。宇
宙人にプロミングされたらしい。


コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎

連載コラム144 from 東京

草食系、肉食系とかいうのを聞くと、書く気がなくなるね。見下ろしてるわけじゃないけど、ここまで人間判断法もアバウトになったかと(泣)下から見上げられたりするのが、嫌いな人間なんだけど、さびしいね。

天功さんに、どうすればいいのか聞いてみたいね。マジックかけてもらいたい。これまで人類経験したことない立場に立たされてる僕の気持ちがわかるかねえ。

珍しくエディマーフィの映画がやってたけど、やはり僕にはこういう笑いが合うね。下が上の人間を見下ろすような笑いが・・これは、一人の型破りな黒人刑事が、ジョークと仕事の実力で硬直化した組織の人間関係を変えていくんだけど、やってることがこれと同じっぽい(笑)適度に下ねたを入れて、人間関係をほぐしたりして。それでも、いってる本人は、有田さんみたいに、そういうものに翻弄されてない。言行不一致がいいんだね。金のためでもない。マーフィは、下ネタを人を動かす道具としか思ってないんだな。

ああいうのが人間味とか、宗教の基本だと思うよ。いま、組織が硬直化して、下の人間が上にちょっと物申せば、首になって次に行く場所もない。そうなると、やめられない恐怖しかないというか。こうなってくると、どんどん人間の頭が硬直化する。冷たくなってくる。

そういう意味で、民主の組織の動きの見せかたは、自民とは違う。大臣同士でけんかしてたりするけど、上同士がけんかすると、下は元気が出てくるもんですね(笑)けんかが、建設的なもののためならば・・。

どうしても、組織内でナアナアになって、どんどん硬直していって、現実が見えなくなる。肩書きが上の人間は、仕事が終わってからも、それをひきずって、自分が上の人間のように思えてくる。

だから、ここで偉そうにいってるけど、逆に悪口いってくれるのもいいといつも言ってる。カウンセリングでも、レベルの高いものは、そういう腹の中で思ったことをバンバンいわせるようだ。そういうものが言えない環境が続いて、人間の心や体がおかしくなっていくわけだから、逆に、どんどんいわせてやる。

ただし、レベルの低い悪口ばかりいっていてて、いつまでも本人が気づかないとなると、よくないわけ。野村監督も、愚痴のレベルがいつまでも上がってこないなんてぼやいてたけど、最後は2位まできた。金田さんは1位以外2位も6位もおんなじだなんて、厳しいこといってたけどね。

あの鉄平とかいう野郎・・なんてコケにされてたけど、ついに首位打者とったからね。選手も育つというか。そういう風にコケにされたから、僕も名前覚えてた(笑)コケにされるのも、わるいことばかりじゃない。鉄平という名前が珍しいというのもあるけどね。

三平さんも、上司に「さんぺい」って呼ばれてて、知らない人がやりとり聞いて、下の名前と間違われてた。悪い過去があったけど、情に厚いというか、仕事も出来るし、謙虚だし、ナイスガイでしたね。
もうちょっとジョークのセンスがあれば、和製マーフィーになれるでしょう(笑)

まあ、野球通がいなくなると、解説も、新庄みたいな方がマシってこともあるだろうね。広島の野村さんも、解説○まらなかったけど、監督としてはどうなのかな・・。また、そういうのとは違うだろうから。新庄も毎回はいやだけど、1年に1回くらいならいいんじゃないの。清原といいたい放題だったな。あれが桑田だと、また違ってくるんだろうね。清原と桑田が飲みに行っても話しが合わなそうだね。


立浪は、横浜あたりで気楽にやったら、3000打てたんじゃないか。

いないほうが生の野球の感覚がつたわってきて、まだいいんじゃないかって思うこともある。解説がいるときといないときと、どっちが視聴率いいか・・いないときのほうがよければ、安上がりだろう。さすがにラジオじゃ困るけどね。父親ともよく話してたけど、ここで一点が欲しいですね、ねんて当たり前なわけでね。

ピッチャーでずっと0点で抑えてきて、解説者が、このピッチャー調子いいとかいいだすと、急に打たれたりする。さすがに中畑は、そのことに気づいてたけどね。まあ、野球ゲームの解説までやってるくらいだから、解説なんてどうでもごまかせるんだろう(笑)

知らない人もいるだろうけど、テレビゲームの野球で、堀内と中畑が解説やって、このピッチャー切れがいいです、なんてしゃべってる。調子の悪いバッターのときは、ツボにはまりましたねとか、状況に合わせて解説してくる。そのうちテレビも、そういう解説ができるようになるんじゃないか。機械にやらせるというか。科学の進歩って、すごいというか、ゲームの中の選手の動きとか、フォームまでそっくりだからね。

ゴルフの戸張消さんってプロゴルファーじゃないんでしょ?あのプロを見下ろすような解説で、よくここまで来ましたね(笑)話し方も偉そうっていうか、子供心にこの人は、なんなんだって思ったけどね。

唐沢さんが瀬島隆三役をやってるけど、あの方だって、11年かシベリアで抑留されてて、戦争のときはエリートだったから、人間が肩書きでしか見えなかったらしい。地位が高いということは、そのまま人間性も高いってことだと。それが、そのシベリアの体験で、エリートが、仲間を売ったり、無様な人間性をさらすのを見て、人間観が百八十度変わってしまった。城野という人が、シベリアの時の瀬島さんの変わらない態度には脱帽したというけど、むしろ、そういう人は少ないのかもしれない。

いま、肩書き、年収でしか人を見れないのが、ほとんどじゃないかな。よけいな見方の癖がつくと、上司からなんとなく嫌なやつだと思われたり、適応できないから、余計にそうなってくると思うね。

これは古い瀬島さんの人間観なんでね。新しい瀬島さんになって、ようやく天国への入り口に入りはじめるってことだと思う。少なくとも、古い宗教の天国はそうだね。そうならないと、キリストが言ってるような言葉にピンとこないんじゃないかな。田村正和さんも、そういうコマーシャルやってましたでしょ?古い田村と決別して新しい田村になるって・・

トルストイの若い頃と年取ってからの幸福観が逆になったというのも、ここなんだね。宗教でいう再生も、そういうものだと僕はとらえてるけど。僕にとって、いまの小説がつまらないのも、生まれ変わる前の人が書いたようなものばかりだからと思うよ。

ソルジェニーツェンのガン病棟には、肩書きでしか病院内の人間関係が見えない看護婦が出てくる。

偉そうにいう僕も、昔は、飯田の高校は野球は強いけどバカばっかりとか、そういう見方をしてた時期があった。やたら、偏差値に詳しいというか・・

だけど、こういう話題に入ると9割の人は嫌がる(笑)やっぱり現代人は、生まれ変わる前の人が書いたような小説やマンガが好きなようだ。だから、こういう話題は危険水域にはいってくるんでね。僕が映画をよく見るようになったのは30歳近くなってからだけど、なかなかいい映画だなっていうものでも危険水域がわかってきた。そういう映画は、おばさんたちが、「思ったのと全然違ったはねえ」なんて嘆きながら映画館を出てくる。カンヌの息子の部屋という映画のときが、そうだった。

クリスマスキャロルなんかも、そうじゃないかな。巨匠ディケンズの大ヒット名作ということで、話題性でどうかとなるけど。現代、危険水域といえば言えなくもないストーリー。金の亡者、守銭奴が、みんなに嫌われながら、改心していくって話だったと思うけど、僕ですらよく覚えてない。

人間不信なわけじゃないけど、かなり極端にいえば、いまは守銭奴にならないと尊敬されないような世の中だから(笑)

コーエン兄弟のティムロビンズ主演の映画も、そういう類の映画だろうけど、売れなかったろう?

大沢さんも、調子いいみたいだね。最終的に戻ってくるの?

あれは、確かに現代医が江戸にタイムスリップするということで、いろいろ面白いテーマが出そうで、見よう見ようと思いつつ、まだ見てない。もっとも、綾瀬はるかさんが出てるから、好調なのかな?

運のよしあしにしても、神に祝福された人というのは、現代人が思ってるものと全然違うはずなんでね。宗教団体に無縁の僕がいうのもおかしいけど。むしろ、神に祝福された人というのは、運が悪いように見えるかもしれない。紙一重と思うけどね。

運がいい悪いとは、どういうことなのか、デビ夫人が催眠術かけたら、もこみちくんみたいになっちゃうんじゃないかな。もこみち君が、急に変な顔になっちゃうコマーシャルあったでしょ。あれくらいの衝撃あると思うよ。

エディマーフィーの映画は見直したというか、若い頃には、とらえられなかったけど笑いの王道いってると思うよ。いま流行ってる笑いというのは、マーフィと逆の上が下を見下ろしてるようなものばかりだから。社会全体が、格差をつけて上にいって差をつけて下を見ることで、幸せな気持ちになれるというように作り上げた。だから、奇麗事をいっても、ぜんぶ建前になってしまう。

だから、下のやつらより恵まれてるとか、満足感に浸ってるだけで、上はそこから先に進まないわけでしょ?上の人たちのためにつくられた宗教もあるから、どっちが正しいのか知らないけど。

寄付してるからいいというけど、それがまた半端な安心感というか、傲慢さを生み、天国から離れていくこともあるんだろうね。7割の財産を寄付するなら、別だけど(笑)貢献度も経済的な指標でしかとらえられないというか。もちろん、そういう行為は尊いわけだけど。僕がいってるんじゃなくて、キリストとか、昔の人が、そういうこと言ってるんでね。

貧乏がいいといってるんじゃない。そうなれば、また逆の差別になる。ただ、昔の宗教って、内面世界を問題にしてたわけ。内面をきれいにするための行為だったわけ。人間が他人の内面世界を見るのは難しい。みなさんお得意の顔じゃ人間はわからないと。だけど、神様には、すべて内面世界が丸見えだっていうのが前提だった。いいことをやってるように見えても、不純な動機かもしれない。だから、同じことをやってるように見えても、人によって罪が違うというわけ。だから、生粋に宗教的な人は外側の礼儀以上に内面世界をどうするかに一生を費やしたんだと思うよ。

くさなぎの、笑いがガンにいいという理屈はわかる。ただ、肉体によくて、魂によくない笑いっていうのもあるようなんだね。昔の宗教は、そういうものまで説いてた。

おらは死んじまっただあ。天国いいとこ、一度はおいでよ。酒はうまいし、姉ちゃんきれいだって、知ってるかな?そういう天国もあっていいけど、キリストや釈迦の天国と、ちょっと違うみたいなんだな。悦びと快楽は違うんだと。

良君なんかも、ゴルフの枠を越えたスターになりつつあって、生粋のギャラリー以外ランバダ系まで、けしかけてくるようになって、マナー悪くてイライラしてるようですね。というのは、40歳越えてもできるようなスポーツで、10代でこういう選手が出てくるのは、異例なんでね。

シロウト目から見て、プレイ中の笑顔が少なくなってから強くなったように見える。だけど、いらいらしても、ノビノビしないというか、プレイに悪い影響になってくるはずなんでね。それで、内面の荒馬を、どう手なずけるかで、いろいろやるようになるわけでしょ。宮本武蔵とか、昔の武道家は、そうだったんだろう。あの人も、内面に激しい荒馬を飼っていた。

ナアナアに見過ごすとか、そっちにいってしまう。ナアナアも必要だけどね。内面の馬のおちんちんを取ってしまうことで、安易な方法で大人しくさせちゃう。だから、モンスターが生まれない(笑)

スポーツでも、こういう悪感情の荒馬が暴れだしたときに、飼いならすための修行をやってきたような人のプレイは、スポーツの域を超えるというか、一味違うと思うね。金本なんかもそう。一度だけだけど、火の業に行った。だから、もともと精神的に弱いような人が、そういうことをやってきたとき、もともと強いというか、悩まなかった人は、かなわない。

体の健康法も、発明するのは、体がひ弱だった人が多い。オリジン弁当も、創業社長が胃を壊したとかで、胃に負担をかけないような健康なものばかりを集めてという発想になって、健康的な食材ばかりを集めた。

王も、そういう内面世界の悪戦苦闘を日記に書いていた。ゴルファーなどは、みてるこっちが、ため息をつくようなミスショットをしても、すぐに切り替えないと、どんどんおかしくなっていくというか、よくああやって淡々とプレイできると思うけどね。


コラムニスト●
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森田益郎

連載コラム250 from 北海道●映画・カムイ外伝

「カムイ外伝」が実写版の映画となって返ってきたが、
この作品、漫画「カムイ」になじみ深い人でも、十分に満足を与えてくれる作品だ。
「カムイ」と言えば、原作者は白木三平さんだが、私にとっては漫画で読んだ「カムイ」より「サスケ」の方がより印象深い。
子供の頃にテレビ漫画で親しんだ「サスケ」を欠かさず見ていたからだと思う。
「サスケ」も「カムイ」も子供向けにというよりは、アダルト向けだ。
忍者ものの時代劇漫画という設定も、テレビ漫画としては異質だが、抜け道のない過酷な状況で、主人公は追われ、闘い、裏切られ、孤独でありながらも、決して生きることを諦めない強さに心が打たれる。

思い返せば、私の憧れの始まりは白木さんの漫画が原点だったように思う。
「カムイ」や「サスケ」にそれでも生き抜こうする強い精神に感銘し、仕事人の梅安、ジャパンアクションクラブ全盛期の娯楽時代劇シリーズ、私は忍者や裏家業に生きる人々に、ますます強く惹かれるようになっていた。

ともあれ、「カムイ外伝」は、全ての役者らが300%の力を注いでいる、そんな風に感じるほどである。
主役の松山ケンイチは、クランクインした一月後、撮影中にケガに見舞われため、やむなくスタッフは解散している。
だが、それから五ヶ月後に再クランクインしてからは、酷暑の沖縄ロケを乗り切り、見事に映画は完成した。
スクリーンの中の松山ケンイチは、カムイそのものだ。
なんの違和感もない。
むしろ、見ているこちらが身震いするほど息もつけない名演技だ。
いや、名演技という言葉が相応しいかどうかも疑わしくなる。
彼らは、演技というより役そのもの。
だから、私は映画に引き込まれ、恐くなったのだろう。

残虐なシーンの連続に、見ていて思わず顔を背けてしまう観客もいたかもしれない。
しかし、この映画のメッセージは意外にシンプルだ。
逃げろ、そして生きろ、生き抜けだ。
監督の崔洋一氏は、つい先頃まで、自己を見つめることが極端に抽象的で観念的な時代には、闘うというよりは、何でも背を向けて避けてしまおうという空気があったけれど、いま時代の枠組みは大きく変わりつつある中で、みんなが逃げきれなくなってしまったし、自分たちとは全然関係ないと思っていた物事の中に、いつの間にか巻き込まれて、そうすると向き合うしかない。
それは「カムイ」の姿と重なる気がした。
だからこそ、逃げろと言いたいし、そのために生きろと言いたいとコメントしている。
確かに崔監督の言う通り、いまの時代だからこそ、「カムイ外伝」は人々に訴える力がある。

主体はあくまでもアナログにこだわり続けて、表現出来ない部分にだけ、CGを織り込んだそうだ。

この映画の見所は、何と言ってもカムイ・松山ケンイチのアクションと名演技だ。
だが、それに負けず劣らず全ての役者人に喝采を贈りたくなる。
スガル扮する小雪や、サヤカ役の大後寿々花は素晴らしいし、サヤカとカムイのツーショットでは、テレビドラマ「セクシーボイス アンド ロボ」の二人が江戸時代にタイムスリップした想像まで働いてしまう。
この二人の絡みはとても好きだなぁと思った。
とても好感が持てるし、大好きである。
小林薫も佐藤浩市も、そして渡宗のリーダー役の不動は伊藤英明が演じていたのだが、これが迫真の演技だった。
すんげー、こわー、これが正直な感想。
でも、すんごい恐いのに、かっこいいんですよね。
そこが素晴らしい。

で、この作品に出演していた世界的ダンサー森山開次さんは、何処に出ているのかと言うと、渡宗の一員、トベラという役所です。
狡猾そうな顔つきで、柔軟で美しい筋肉におおわれた身体で、見事な舞踊を披露します。
やはり踊っちゃいます。
素晴らしいです、素敵です。
もちろん、セリフもちゃんとあります。
見事に忍者役に填っている。
ブラボーです!

「カムイ外伝」、パワーに溢れてます。
パワー貰えます、映画を見逃したという方は、是非DVDで。
そんで、原作の「カムイ」と「カムイ外伝」も是非に。

コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)

連載コラム132 from 台湾

台湾のプロ野球は日本のものとは大きく異なり
ある意味「アットホーム」、悪く言うと「いい加減」
な雰囲気が漂っている。

別に台湾のプロ野球を貶しているわけではない。
筆者は実は台湾のプロ野球ファンであり
近くの球場にも何度か足を運んでいるほどなのだ。

選手がミスをしてもファンは寛大。
台湾語で野次をとばしたりする「いなかのイベント的」な
独特な雰囲気が台湾プロ野球の醍醐味だと思い
応援しているのである。

今年は統一ライオンズが優勝し、
統一グループが経営する7-11では特別セールが行われた。

しかし、そんな盛り上がりを潰す事件が起こった。
日本でも報道された「八百長」疑惑である。

初めてではない八百長報道
今回発覚した八百長により
10月27日、元選手と賭博関係者ら6人が逮捕された。

その後、現役選手が続々と検察当局に聴取され
選手を追い掛け回すニュースが連日報道されている。

実は台湾のプロ野球八百長疑惑は、今回が初めてはない。
プロ野球がスタートした20年前から八百長疑惑はあった。
昨年も賭博事件が明らかになっており2チームが解散している。

今回も解散するチームが出るのではないかといわれているが
そうなると、2、3チームしか残らなくなり
プロ野球そのものが無くなる可能性も出てきているのだ。

八百長の何が許せないのか
人間だから賭け事は好き、勝負をやってるなら賭ける。
それに便乗して台湾やくざが勝負をコントロールする。
どこにでもありそうなシナリオ通りなのである。

10年ほど前には選手がやくざに監禁され
銃を突きつけられるという物騒な事件もおこったが
正直誰もが、
「メジャーリーグだって多少なんかあるんじゃない?」と
許してきたふしがあった。

とはいえ、応援してきたチームや選手が
トレーニングもそこそこ八百長で稼いでいたと知ると
しらけるのは当然のこと。

よく見ると体型も台北市内いたるところで行われている
道路の土木作業員の方が「よっぽど鍛えられた」体をしていると
思ってしまうほど、野球選手のくせにダレているように見えてくる。

ある意味夢を売る仕事なのに「あまりにもガッカリ」させられる。
この点が一番、台湾人は許せないのであろう。

野球への憧れ
実は台湾人の子供たちはあまり野球をしない。
そもそも運動をあまりしないのである。

国民小学校で行われる体育の授業は1年生でたったの1時間だけ。
3年生になって、やっと週2時間に増える程度である。
プールのない学校も多いため泳げない人も少なくない。

基本的に運動よりも勉強が大事であり、スポーツはポピュラーではないのだ。
スポーツをするのなら少しでも評判のよい安親班へ投資した方が
子供の将来のためと考えるのである。

そのため、野球のルールを知らない人が多い。
球場で観戦している人の中にも「実はルールなんて知りません」という人がいる。

台湾において、そもそも野球とは「才能のある人だけがやればよい」という程度。
そんなものなのである。

日本のプロ野球やアメリカのメジャーリーグで活躍する台湾の野球選手も
年々増えているが、
誰もが、野球って「お金儲けになるんだ」ということに繋げて考えているように
思われる。

野球=お金。
その考えがなくならない限り、八百長はなくならないように感じてならない。
















写真はモダンな建築物も多い台北北部地区です。

コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)

1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

2009年11月1日日曜日

連載コラム249 from 北海道●THIS IS IT

マイケル・ジャクソンが死んだというショッキングなニュースが
世界中を駆けめぐってから、早4ヶ月。
ついに、「THIS IS IT」の映画が公開された。

忘れもしない6月25日。
私はこの信じがたい訃報に耳を疑い、混乱と動揺の中で息を潜めて
ニュースに齧り付いた。
CNNは世界中のニュースを後回しにしても、マイケルの報道を
流し続けた。
イランの暴動やアフガニスタン情勢より、連日マイケルだった。
50歳という若さでの死。
ロンドンコンサートを数週間後に控えていた彼を想像しても
この死は未だに信じがたい。

世界中に生中継されたマイケルの追悼式では、彼の生を祝う会と
称したものの、その全容は全てが哀しみに満ちていた。
マライヤ、ライオネルリッチーが歌い、スティーヴィー・ワンダーが
「神は私達がマイケルを愛し必要とするより、もっとマイケルを必要
とした」といってから歌った時は、本当に堪らない気持ちになった。
ブルック・シールズは、涙を必死に堪えながら、マイケルとの
楽しかった思い出と彼の純粋で無垢な繊細な心に触れた。
そして、ジャーメインの「スマイル」。
マイケルが一番好きだったチャップリンの主題歌をジャーメインが
胸を詰まらせながら歌う姿には、苦しいほど哀しくなった。
アッシャーの歌。
ジャネットの傍らでパリスが発した言葉。
ステイプルズ・センターの会場内に参列した人々は元より、センターの
外に集まった沢山のファン、そして私同様にテレビの前で、パソコンの
画面で、マイケルの追悼式を見続けた世界中の人々のとてつもない
深い哀しみや絶望、嘆きを、この五感で感じてしまうようだった。
言うまでもないが、私はあの追悼式を見た時から数日間寝込んだ。
全ての気力が削がれ、哀しみの淵から這い上がることが出来なかった。
布団の中で幾日も過ごし、涙は枯れることなく、心はどん底だった。
なぜ、彼は死ななければならなかったのか・・・。
そのことだけが、頭の中でひたすら繰り返された。
食べる力も、何かに心を傾けることも憚られ、そうして私は
ようやく5日目になって、少しだけ冷静さを保てるようになった。
今でも、マイケルの死を思うと堪らなくなる。
それは、マイケルの純粋なファンなら、当然なのだろう。

私はマイケル世代に育ったひとりでもある。
テレビの深夜枠でMTVやベストヒットUSAが放送された
頃、リアルタイム
で、テレビに齧り付いたものだ。
マイケルの「スリラー」のミュージックビデオの凄さに度肝を抜かれ、
夢中になっていた。
追っかけではない。
熱烈なマイケル命と言い切れるほどの徹したファンではない。
だけれども、彼の歌に打ち所のないミュージックビデオに心から
夢中になったいちファンだった。
「ウィ・アー・ザ・ワールド」が配信され、その愛のある行動に涙
が溢れた。
そして、次の日にはレコード店へ走り、「ウィ・アー・ザ・ワールド」
のアルバムを手にした時、自分もこの企画に賛同できたことに
とても誇らしい気持ちになったものだ。

彼が生涯で自分の半生を書き綴った本では、彼の本音が余すところ無く
書かれている。
それが全てだ。
その本に書かれてあることが本当で、彼を中傷する全ては紛れもない
偽りである。
ファンだけは、そのことを知っている。
だが、世の中というのは、非道なものだ。
スターの階段を駆け上がれば駆け上がるほど、マスコミは彼を追い掛け
回し、あらぬ記事を書き立てて世間を騒がせ、彼を陥れようとした。
それらには、嫉妬ややっかみ、偏見といった醜い感情がみなぎっている。

映画「THIS IS IT」は、マイケルとツアーに関係者全ての人々が、
このツアーにどれほど力を注いでいたかを知る貴重なドキュメンタリー
映画だ。
だが、スクリーンから伝わるマイケルの、関係者の思いが篤いだけに、
客席のこちら側は、苦しくなる。
辛くなる。
この人たちは、いったいどれほどこのツアーに掛けていたことだろ
うかと。
マイケル自身は元より、選ばれたダンサー達。
コーラス隊。
ミュージシャン。
舞台関係者。
衣装係。
大道具係。
そして、「THIS IS IT」の監督でもあるクリエイティブパー
トナー。
そして、マイケルの才能を引き出し、友だったクインシー・ジョー
ンズも。
そして・・。

マイケルの訃報によって、私達がもっとも憎むべきことがあるとしたら、
それは、ハリウッドに蔓延するセレブ達専属の医師と名乗る人たちだ。
彼らは、医師免許を取得しながら、セレブ達の金にたかる寄生虫で
もある。
そういう状況が、今回の哀しい事件を引き起こしてしまったのだろう。
マイケルは薬物中毒ではなかった。
その彼に、睡眠薬を与え、過剰摂取させて死に至らしめた。

マイケルはこのツアーで、環境破壊を4年間で食い止めようという
メッセージまで伝えようとしていた。
彼の愛に感謝だ。
マイケルと同じ時代に生き、マイケルの歌と共に過ごした日々を
幸せに思う。
誇りに思う。
マイケル、ありがとう。
私もあなたを愛してます、永遠に。

コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

連載コラム143 from 東京

いい加減に書いてるようで考えてるというか、私情を入れたくないというのはあるね。というより、私 情が入るスキないと思うよ。背後霊を信じきってすべて任せるつもりというか、どれだけ私情が抜ける
かが勝負だと思ってるわけ。個人的に好きだとか、嫌いだとか、そういうものは、これまで一切書いて
ないと思うけどね。

気に障るかもしれないけど、ついに野村さんやめて、いよいよ野球も他のスポーツと同じものになりつ
つあるのかな。福盛を褒め上げてなかったのが、後悔だな。あんな負け方したら、次どうやっても勝て
ないというのは、わかる。広岡さんも、巨人とのシリーズで、3勝2敗で追い込まれて、選手を集めて
催眠術にかけるというか、田淵も、監督の話を聞いてると、劣勢でもほんとに勝てるような気になって
くるといってたけど、あれじゃ催眠術にかかりようなかったんじゃないかな。

清原の監督業も見てみたいけど、存在感が強すぎるというか、親分肌だけど、怒ったらシャレにならな
いだろう(笑)ベンチに清原が座ってるだけで気になってしょうがないというか。土橋さんとか、大沢
親分も、身内の選手を蹴り上げてたけど、清原がやったら二度と立ち上がれないんじゃないかな。

古田なんかも、選手件監督なんかやったけど、王がいうには、野球人生で後悔したというのはあまりな
いけど、唯一あげるとすれば、選手を引退してそのまま助監督を引き受けてしまったことだったといっ
てた。一度、やめて外から野球を見つめなおしたかったんだと。

大沢さんも走り方みてると、まだ足がよくないのかと思うけど、ヤンキースに残れそうだな・・僕とし
ては、城島と阪神でやっても面白いと思うけど。

もし、これまでに誰かを好きだとか、嫌いだとかここでいってたとしたら、嘘なんでね。ギャル曽根さ
んも、西尾アナとか、馬場アナ、松尾アナとか、好きと思ったら大間違いだから。からかってるわけじ
ゃないけど、向こうだって、僕と会えば、嫌いになるだろう。お互い大人なわけだから、会ったことも
ない人を好きになれるはずないということはわかってる。

11,2年前に、現場仕事で休憩所に置いてあった週刊誌の表紙に写真が載ってた女の子を見て、「こ
の子とならうまくいきそう」なんていって、笑ってもらったけどね。それがたぶん米倉良子だったみた
いで、いま思えば、その判断も間違ってた。

これまでほとんど嘘かと思ってる人もいるだろうけど、そういう意味では全部フィクションなんでね。
ほんとに大事なことは本人に直接いうんでね。野球の監督だって、ほんとに大事なことは選手に直接い
うわけで、マスコミを介在させて遠まわしにいったりしないだろう(笑)

まあ、ここで書いてあるようなことが、どうでもいい本音とまではいわないけど、いかにちっぽけな本
音かを知ってる人が、この世にひとりだけいる・・

それと、みのさんがイチローにいってた悪口は、うちの父親もいってた(笑)意外と感覚が似てるとい
うか、これをいうと身内の悪口を言ってるような気になって、言えないというものもある。

僕は、思われてるほど、世間のことに疎いからね。昔の週刊誌の記事を拾って書いても、自分でも、端
から嘘だと思いながら拾い上げて書いてるわけだから、心配しなくていい。

芸能人も、意外と心配性というか、僕が、週刊誌に書いてあることが、みんなほんとだと思ってると思
ってるわけだろう?

大体、スタローンが、「これが欲しかったんだぜ」なんて女を指差しながら叫ぶはずがない(笑)この
記事について語り合ったときは、爆笑したけどね。確かに、スタローンは、過去もあるし、マッチョで
精力絶倫的なイメージもあるけど、「田中邦衛がそんなこといったら、もっと面白い」なんておまけつ
きで話してたな。例の口元ゆがめながら・・田中邦衛は北海道の朴訥なイメージがあっただけに。

やっぱり、僕も人間がおかしくなってるというか、人間失格とおもうね。わるいお笑いブームの影響、
もろに受けて育った世代だから。

さんまも、谷村さんとテニスやって、谷村さんが、頭に鉢巻まいてて、「向こうのコートでUFOが動いて
るみたいでやりにくいさかい」とかいって、一人で爆笑してたわけだろ。それで、谷村さんが、「さん
まちゃん、そんなこと言っちゃ、ダメダメ。テニスは紳士のスポーツ」って説教された。

ああいうお笑いの流れで善悪の観念を、完全に壊されたというか・・子供っていうのは、教わらなくと
も、ウルトラマンとか、仮面ライダー見て、正義が勝つことを喜ぶ感覚を持ってる。もし、悪玉にウル
トラマンが負けたら、泣くんじゃないかな。そこでブラックデビルとか、たけちゃんマンなんかが出て
、強気を助け、弱きを挫くという主題歌が流れた。そういう自然の健全なモノサシが、ああいう人たち
に壊されたというか。お金は稼いでも、罪はあるんじゃないですか?神様のこと、全然、怖くないです
か?

ニコラスケージが孤独な殺し屋を演じてる映画も、殺し屋が、心の美しい聾唖の女性と出会って、善悪
の感覚に目覚めていく。金さえもらえば、殺す相手の素性などかまわず、シビアに殺していく殺人マシ
ンだったんだけど、渡辺篤郎さんも、そういう役やるのかな?

心の美しい彼女と出会ってから、殺す人間によって感情が動くようになってしまい、冷静になれず、ボ
ロを出すようになってしまう。オーソドックスといえばオーソドックスな映画だけど、もの悲しい雰囲
気で、なかなか美しい映画だった。渡辺謙さんも、意外と悪味のかかったヒーロー似合いそうですね。
ただ、そういう心のニュアンスのことが柱になって描かれてるんだろうけど、鈍った現代人は、ここで
解説してもらわないと気づかないんじゃないかな・・

こういう類の女というのは、自分を守るために嘘をつくのではなく、人を守るために嘘をつく。

ストーカー扱いされてるみたいだけど、ぜんぜん表と裏で違うことが起きてるようなのが鈍い僕でも、
うっすら見えてきた(笑)だから、そういう類の女がいってることを真に受けないほうがいい(笑)人
を守るために、なにをするかわからない男みたいな女だから・・

たけしが、アダルトサイトを見ようとしたら、ロシアのサーバにつながれてて、高額な請求がきたらし
いけどね。メグライアンだったっけ?昔のヌード写真が、やっぱりロシアから流されてて、どうしよう
もないわけだろう。嘘とか誇張が、ウィルスみたいに広がっていくようになったからね。昔は、せいぜ
い、村の中だけですんだけど、いまは世界中に広がっていく。

警察も、大変と思うよ。昔は犯罪者というと、頭が悪いやつと相場が決まってたけど、いまは、株式操
作とか、ネット犯罪とか、複雑な犯罪がたくさん出てきてるだろう。

僕は、こうみえて自分の判断を一切信用してないから(笑)人間が頭で考えることは、長い目で見たら
、ほとんど間違ってると思ってるからね。特に、私情が入るとそうなってくると思うよ。

はじめから、こういうことをやろうと思ったわけじゃないし、野球選手が野球選手になることを夢見て
実現しなければ、ショックもあるだろうけど、僕はそういう類じゃない。勝手に人が夢をつくって、目
指すように指図してきて、いざそっちへ行こうと思うと突き放してくる(笑)

夢だって、生まれてから50くらい変わってるんじゃないかな。まあ、いまの夢は、神の奴隷になりき
ることかな。ただ、目標もなく無造作にいろんな本読んだり、映画見たりして、どうこうというのはプ
ロ級にわかるのかなとは思うけどね。いい右脳レベルの作品じゃないと面白くなくなったというか、そ
ういう変わった体質になってしまっているから、自然に左脳レベルのものは、はじいていくようなコン
ピューター人間というのかな。コリンウィルソンも、超一流の科学者ほど、右脳型というか、直感を重
視するんだと。

だけど、レベルが高い低いというのも、小さいというか、子供には子供の喜びがあるし、実際、僕が子
供の頃に海川に遊びに行って、ときどき母親がひとりで本読んだりしてると、それだけで寂しい気持ち
になったからね。子供っていうのは、やっぱりみんなで一緒に笑ってるのが幸せなわけだから。

いまの僕は、そういうのが、あまり幸せと思えないんだな(泣)そういう幸せを得てきたようだから、
結果的にそうなったんだろうけど。フレージャーが、「アリは、俺の猛烈なパンチを何発も見舞ったお
かげで人間でなくなっちまった」なんてインタビューしてたけど、そういう感じというか、普通の人間
じゃなくなってるという自覚はある。

この前も、たまたま入った古本屋で「解脱の真理」って本をみつけて、絶版の本なんだけど700円く
らいで売ってて、ネットだとみんな4000円以上で、俺って運がいいなと思ったり、アトランス人ト
ートなんて人が書いた世界最古の本なんていうのが、性にあったり。

だから、これもただのブログでいいんじゃないの?メグライアンだったか、アマチュアのブログには興
味ない。私はプロのカウンセラーと話したいだけといってたけど、プロのカウンセラーっていうのは意
外と少ないと思うよ。メグライアンあたりだと、まだまだ感じ取れないかもしれないけど。

そういう類の仕事というのは、他の仕事の年収に合わせようとすれば、詐欺的になってくることも少な
くないだろうから。ほんとに四六時中、人間のことばっかり考えてるというか、普通の人は、有名人に
会いたいとか、友達や彼女と話していたいとなるだろうけど、そういう類のプロは精神病の人間が悪霊
に取り付かれるケースがあるといわれたら、ほんとにそれを確かめるために会って徹底的に調べたくな
るというような類の人だろう。

コリンウィルソンにも、ずっと人間のことばかり考えてたという本があるけど、そういう人だったら、
環境とかあまり関係ないわけでね。道をはずれてくるほど、よけいなものがほしくなってくるんだろう


伸介は、高校時代、ふとしたことでクラスメイトを爆笑させたことで、その味にはまったらしいけど、
僕は、爆笑してもらっても、そんなに嬉しくない。

山田洋次さんも、現代は受験勉強ばかりで、人間を知らないといってたけど、映画界にすすむのも、ブ
ランド志向というか、かっこういいというような感覚で進むのが、多いんじゃないかな。クリエイティ
ブな仕事というのは、格好いいという稚拙な感覚が・・。若いうちはしょうがない面もあるけど。アマ
チュア映画の学生たちのグループと話したことがあったけど、どうもそういうものを強く感じた。腹の
底から人間に興味があるというより・・長島さんでいえば、スパイクをガツンと大地にっていうような
感覚が欲しい・・

コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎

連載コラム131 from 台湾

アメリカ現地時間10月15日、全米を騒がす事件が起こった。

コロラド州のフォートコリンズという田舎町で、
「息子がUFOそっくりなヘリウムガス気球で遊んでいたところ、
地面に留めてあったヒモが取れてしまい、飛んでいってしまった」
という通報が警察(911)にあったのだ。

確かに気球は大空を飛んでおり、
「気球から何かが落ちたのを見た」という証言も出たため
男児が落ちた、いや、まだ乗っていると
騒然となった。

気球は長時間にわたり飛んでいたためTV局がかけつけ
カーチェイスのように実況中継された。

あまりにも「予想通り」の展開
全米で実況中継された「バルーン・ボーイは大丈夫か!?」事件。

中継を見ながら誰もが、
「ひょっとして男の子は屋根裏とかに隠れてるんじゃないか」
という考えを抱いていた。

しかし、軍のヘリまでもが出動し地上でも警察が追いかけるなど
本格的に捜索をした。

約2時間後。気球は地面に着陸したのだが、男の子いない。
捜索は引き続き行われた。

ところが、しばらくして両親が「家に隠れていた」と報告。
隠れていた理由は「お父さんに怒られると思ったから」だという。

あまりにもベタな「予想通り」の展開に皆が「はぁ?」と思ったものの、
よかった、よかったと胸をなでおろした。

全ては金のために「やらせ」
バルーン・ボーイの両親はメディアに大注目され、
彼らもメディアに「これまでか」というほど出演。

全米だけでなく世界中で流れる人気トーク番組にも出演し
子どもが嘔吐するほど体調が悪いにもかかわらず
家族揃ってインタビューに答えた。

しかし、そのインタビューの内容は激しく違和感を覚えるものであり
少しでもつっこまれると、アタフタしたり、答えになってない発言をしたり
とにかく「??」が多いものであった。

挙句の果てには「みなが君を探していたんだよ、聞こえなかったの?」
と問われたバルーンボーイが「聞こえた」と答え、促されるように父親が
「何で出てこなかったんだい?」と聞いた時
「だってショーのためだって言ったじゃん」と発言。

両親は「混乱している」とクビをふったが、怪しさ満点であった。

親の役目を果たさぬ両親
実はこの家族は、以前にも「妻を1週間交換する」という
リアリティ番組に出演していた。

エロイ意味での交換ではなく「家事などをする妻」としての母を
交換するというもので、バルーン・ボーイの母マユミが別の家庭へ行った。

カメラは、バルーン・ボーイの家族の日常を追ったのだが、
三兄弟は多動症を疑うほどジッとしておらず
しつけも全くされていない状態。

交換されやってきた女性が「家事は一切しない」という占い師であり
何でもかんでもやるマユミと異なるため、父親のリチャード・ヒーニーは
怒鳴ったり、キレたりとすごかった。

また、父親であるものの子どもと同じレベルで騒ぎ、
短期なためアメリカではタブーとされる「叩く育児」もしてるようであった。

マユミもマユミで、日本語のアクセントのある英語でスラングを連発。
普通の大人ならば決して使わないような酷い言葉で相手を卑下しまくる。

子供にとってお手本となる両親ではなく、リアリティ番組では
「面白いけど、彼が(彼女が)伴侶でなくてよかった」
と見られていたのである。

リアリティ番組が生む犯罪
実はこのリアリティ番組。普通の人が出演でき、
有名になると共に、大金を稼げるため出演希望者がとても多い。

普通の生活を送っている人ならば24時間カメラを追いかけさせることなど
不可能なため、出演する人々は一癖も二癖もある人ばかり。

今年に入り、彼らによる犯罪が多発しており殺人事件まで起こった。

今回もバルーン・ボーイの母が「リアリティ番組」のための「やらせ」だった事を
認めている。

マユミという女性は、夫のDVを受け、産後数日で働きに出るなどしていたという
証言も出るなど、父親の「だめんず」ぶりも暴露されており
全米で恥をさらす結果となった。

やりすぎたアメリカのリアリティ番組。一番悪いのは視聴するアメリカ人である。
こんなところにもアメリカの毒を感じられずにいられない。

▼▼▼ from TAIWAN Pics ▼▼▼
















写真は台湾初進出した日本の書店、ジュンク堂です。換算レートの変化に伴いプライスをつけているので「価格設定がわかりやすい」と人気が出ており、今まで一人勝ちしていた紀伊国屋を超える勢いです。

コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

2009年10月15日木曜日

連載コラム130 from 台湾

10月9日、本年度ノーベル平和賞受賞者の発表が行われ世界がわいた。

なんと今年1月に就任したばかりの米オバマ大統領が受賞したのである。

世界中のメディアは最初このニュースを好意的に報道。
祝福ムードが流れたのだが、ここに来てアメリカをはじめ世界各国から本音的リアクションが出てきている。

よく受賞している米大統領
実は、アメリカの大統領はノーベル賞と縁がかなり深い。

日露戦争をめぐり両国の講和を仲介したとして
セオドア・ルーズベルト元大統領が受賞したのをはじめ、

世界平和に尽くしたとしてウッドロウ・ウィルソン元大統領、
ジミー・カーター元大統領が平和賞を獲得。

元副大統領のアル・ゴアも受賞している。

平和賞は、特別「政治色が強い」という印象を受ける人は
多いだろう。

「アメリカは世界一強い国で抵抗できない」と、
卑屈にとらえることもできる。

アメリカは世界一強い国
アメリカが世界一強い国であるというのは
経済的ではなく、もちろん軍事的に最強という意味である。

最先端の武器を開発、生産し続け「勝てない」という印象を植え、
その上で、これらの武器を日本を含む各国に高額で輸出。

「軍事的に強いから守ってあげましょう」と、世界各地に基地をもうけ
世界中をアメリカ支配下においているといっても過言ではない。

抵抗した国は、こてんぱんにやられ、秩序も何もかも滅茶苦茶にされ
見捨てられる。

アメリカに唯一勝った(引き分けのような状態であるが)ベトナムでさえ、
今なお安定しておらず、いまだにボートピープルが存在するほどだ。

もちろん世界平和のため、と志を高くもった米軍兵士もいるし、
莫大な数の兵士が戦死しているという事実もある。

しかし、軍や政治家などトップの人たちが、そんな純粋に
「世界平和」を考えているわけはないだろう。

911後、テロとの戦いを掲げたアメリカにあの国連でさえ反対できず
しぶしぶ認めるしかなかった。

もし、日本が皆が反対する声を聞かず、自国でテロがあり大勢の人が
死んだからといって、戦争をふっかけようとしたら国連で多いに叩かれ
世界からつまはじきにされるだろう。

そう、強いアメリカには全世界が従うしかないのである。

ノーベル平和賞の意味
ノーベル賞とは、ダイナマイトを発明し莫大な財産を手にいれた
アルフレッド・ノーベルが、自分の発明したダイナマイトにより
大勢の人が命をおとしたことに心を痛め、

「毎年、その前の年に人類のため最大に貢献をした人々に
遺産を分けたい(正確には基金の利子となる)」

と遺言したのを実現したもの。

科学の分野での受賞ばかりが目立つ日本人の中にも
平和賞の受賞者がいる。

非核三原則を唱えた元内閣総理大臣の佐藤栄作である。

受賞するには、基本的に「平和のために命をかけてつくした」というのが
キーワードになっているように感じる。

無言のプレッシャーなのか
なぜ、今年ノーベル平和賞受賞がオバマ大統領におくられたのか。

確かにカリスマ的人物であるし、心をうつスピーチも行う。
核を世界からなくそう!と公言もしている。

しかし、彼はまだ何一つ実現していないのである。
アメリカには核はまだ沢山の存在するし、
核兵器の開発だってまだ停止していないはずだ。

「オバマ大統領の今後に期待して」
という見方が強いが、期待などどそんな漠然とした理由で
栄誉ある賞をおくるわけはない。

きっとこれは、世界の権威者たち、億万長者たちが
世界を統一するといいながら混乱し続けてばかりいる、
アメリカへ出した大きな警告なのではないだろうか。

無言のプレッシャーにオバマ大統領が耐え
果たして核のないアメリカを、世界を実現へと導くことができるのか。

これからがショーの始まりといったところだろう。



▼▼▼ from TAIWAN Pics ▼▼▼
写真は台北中心部を流れる川。可能な限り自然のままで、というコンセプトがいかにも台湾らしいです。

コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

2009年10月1日木曜日

連載コラム129 from 台湾

8月30日、第45回衆院選が行われ即日開票された。
結果は、予想通り民主党が圧勝。
長年日本の政治を取り仕切っていた自民党から政権を奪い
日本のメディアは「新たな政治の幕開け」
「日本を変える政権交代」と大々的に報道した。

しかし、一部海外メディアは「政権が変わった」とはいえ
その民主党の上層部の多くは元自民党員であったこと、
「はっきり言って、民主党は寄せ集め党ではないのか」
「チェンジは、あまり期待できないのではないのか」
と報じていた。

オバマの二の舞い?
国は異なるがアメリカのオバマ大統領率いる新政権も
「アメリカ初の黒人大統領」「これまでにないタイプの大統領」
という点から、就任時は大きな期待が寄せられていた。

しかし大統領就任から8ヶ月が過ぎた今。
景気対策、医療保険対策などが不十分である、
期待外れだ、として支持率は減少し続けている。

熱しやすく冷めやすく、そしてマスコミに踊らされやすい
日本人相手の民主党新政権も、すでに
「公約を守りそうにもない」「あまり期待できそうにない」
などの声が早くもあがっている。

公約をきっちり守らなかったり、国民の負担が激増したり、
日本の「お上」システムが何も変わらない場合、
オバマ政権の二の舞い、
もしくは、それを超えるレベルで国民から叩かれるのではないかと
思わず危惧してしまう。

冷ややかな海外メディア
今月に入り、首相に就任した鳩山由紀夫首相は国連総会へ
出席するためニューヨークへ飛び22日には国連で開かれた
気候変動サミットで英語のスピーチをした。

このスピーチを日本のメディアは絶賛。
流暢な英語で各国からも高い評価を得たとしている。

確かに首相の英語は理解できる「きちんとした」英語であり
危なげなげなく、恥ずかしくなく、聞けるものであった。

しかし、内容的には、正直言ってさほど評価されてないのでは?
という印象を受けた。

欧米のメディアをはじめ、アジアのメディアも首相のスピーチを
それほど報じていなかったからである。

「日本にしては珍しく、分かる英語が話せる」
くらいの扱いであった。

発展途上国の首相や大統領は、海外への留学経験があるからか
大抵、問題なく英語が話せる。

世界の共通語である英語が話せるのは「別に普通」のことであり
「日本の温室効果ガス排出量を2020年までに25%削減する」
という目標を掲げたのは立派だが、あくまで目標であり、

コロコロ首相が変わる日本で、この目標がいつまでキープできるのか
海外メディアは至って冷ややかなのである。

国民が求めること
どこの国も、国民が国のリーダーに求めることは同じ。
「よりよい生活ができる、安心して暮らせる国にして欲しい」
だろう。

中でもアメリカ人がオバマ大統領に最も期待している部分と
日本人が民主党に一番期待している部分は、
実は同じではないのかと思う。

「この国も構造的なものを、全てひっくり返して一から直して欲しい」
「悪い膿を全て出し、国民のために最良の構造を作って欲しい」

しがらみの多い日本で、新しい首相が構造改革に成功するのかどうか。
期待を込めて見守っていきたい。
















▼▼▼ from TAIWAN Pics ▼▼▼
写真は旧暦で7月15日の折り返し時点となる9月初頭に祈りを捧げる台湾人たちです。

コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

連載コラム141 from 東京

テレビで、アレルギーになるのは、あまりに潔癖な生活をしてるからといってたね。昔はアレルギーというのは、そんなになかったらしい。こういうのは医者では異端扱いされるんだろうけど、なんとなくわかるというか、支持したくなっちゃうね。ただ、三浦友一は、和田アキ子にキスされて、すぐにうがいしに行ったというのは、潔癖症でなくともわかるね。ただ、だんなさんのメンツは、どうなるんだというのは、あるな。毎日、キスしてるんだろうから・・


まあ、友一さんは、百恵さんと結婚し、大スターがスパッとやめて驚かれてたけど、ああいうノリに乗ってるときに執着なくやめたスターって百恵さんだけじゃないかな。やめて奥さん業退屈になって、また出てくる人もいるけど、一切、出てこないからね。陰のつきまとう大スターという意味でも、後にも先にも百恵さんくらいじゃないか。


ウィンクなんかも陰があったけどな。全然、楽しそうでないと、我々も話してた。百恵さんなんかと違って、守ってあげたくなるような弱さで売ってたね。


テレビも、そういう陰が似合うのいなくなったね。お笑い一色というか、街歩いても流れてくる曲は、ノリの激しい曲ばっかりのような気がするね。


我々シロウトのカラオケの世界みたいだね。ああいう世界も、あんまりしんみりした曲を唄うと嫌われるというか、誰も聞いてない。


堀内さんの曲なんか、時代に合わなくなってるな。「面倒みれないくせに よく猫拾ってきた あったかい手の平 まだ覚えてる」なんていうのも、その部分でジーンがピークになるわけだけど、いまだったら流せないんじゃないかな。のら猫に餌やって、注意された老人が、相手を殺しちゃったろう。


コロッケも、顔マネは演歌の大御所中心だったけど、いまは本物が出ないからね。五木さんの早送りのマネなんか、僕らは笑えるけど、若い人は何やってるかわかんないんじゃないかな。美川さんなどは、逆に、コロッケがマネして復活させたみたいですね。


怒る人の言い分もわかるし、殺人はまずいけど、これも潔癖社会の新しい犯罪の現われだと思うよ。猫のおしっことか、においとかいろいろあるだろうけど、昔は肥えだめの便所なんかがあちこちにあって、風吹いて隣近所の糞尿のにおいなんて当たり前だったんじゃないかな。


父親がいってたけど、昔はトイレでウンチすると、ピチャって跳ね返ってきたって・・そういう時代は、多くの人が、そういう類のにおいに慣れて気にせず生きられたと思うよ。やっぱり、香水文化というか、動物的なにおいの耐性も薄れてきてるんだろうね。


さんまは、トイレでウンチして手を洗わないって、いいともで話してたのが懐かしい。ティッシュで吹くわけだから、手は大丈夫だからといって、タモリが、しみこんでついてくるからダメダメと解説してた。


自称慶大出の川○さんなんて、すごかったからね。電車に一緒に乗ると、誰も隣に座ろうとしない。しいて例えれば、同じ靴下一週間はきっぱなしみたいな強烈な臭いだったな。鼻を突く酢の臭いというか。指摘すると、怒って口利いてくれない。わざとやってるんじゃないかとも思ったね。人がいやがるのみて喜ぶというか。さすがに一緒に飯は食えなかったけど、ラジオみたいに一人でしゃべってる人で気を使わなかったな。いなくなっちゃったけど。


テレビで、天然だからとかいって売ってるけど、そういうの見てきてるから、なにが天然なのかと思っちゃうね。いもとさんとか、柳原さんとかも・・放送できる範囲内の天然だからね。出川さんなんかが、ぎりぎりだろう。テレビの世界より、こっちの世界のほうが、探せばおもしろい天然の巨匠がいると思うよ。


だけど、人間の頭も、かなり狂ってきてるよね。ネットで痴漢やりましょうと募って、何時の電車で待ち合わせるとかで、ほんとに何人も集まってくるというんだから。初顔合わせで、「よろしくお願いします」とか挨拶するわけだろう(笑)


エロビデオの世界と混同してくるのかな。ああいうのも、はじめ嫌がってた女が、段々、気持ちよさそうになって喜んだりしてるだろう。演技なんだろうけど・・それ見て、こういうものなんだって思い込むんじゃないかな。


オダギリなんかが痴漢やったら、そういう風になるのかもしれないけど。普通は、ダメだろうね。痴漢やってるようなのは、顔つきも悪くなってくるから。全身に負のオーラが出てくるというか・・オダギリでも、痴漢やりだしたら、急速に顔が変わるだろうね。


猪木と箕輪はるかのキスは、歯のかみあわせがいい・・金持ってんだから、矯正すればいいのに・・


矯正っていうのは高いんだな。保険も効かないし。日本のオバマになんとかして欲しいね。気鋭の歯医者さんが、口の中の菌を絶滅させる魔法の水を発明したなんてテレビでやってたけどね。これまでのウガイ薬では菌は残って、また増えていってしまうらしい。


このように、どの分野でも発見の余地はあると思うけどね。歯医者さんにいかなくても、自分で虫歯治せるシステムなんていうのができたら、歯医者さんは大変だろう(笑)歯石くらい道具があれば、自分で取れると思うけどね。


というか、いま繁盛してる仕事の多くって、忙しくないほど平和って仕事ばかりじゃないかな。医者とか、警察なんかもそうだし。いまは、毎日あちこちでサイレンがなってるからね。もちろん、いてくれなきゃ困るわけだけど。


昔は、サイレン鳴らして走ってる車見ると、珍しくて追っかけたりした。箱根駅伝なんかも、必ず、ランナーと一緒に走ったり、追っかけてⅤサインしてるのもいるね。ああいうのも、みっともないけど、平和の証なのかな。刑事さんなんかも、箱根駅伝の先導をやるのが夢だったなんていう人も多いようですね。これも、平和の証なのかな・・


書いてるうちに、世の中が平和なのか、そうじゃないのかわかんなくなってきたな。自分で催眠術にかかっちゃいそう。


元タフマンの稲葉の入った病院行きたかったんだ。入院費貯めてるうちに、先生がやめちゃった。あれは、監督に薦められたんだろう?金出してもらったんだろう?一緒に入院してたら、今頃、友達になれたかもしれないのに・・


あの病院は、知る人ぞ知るというか、マニアの間では有名だったわけ。


赤木さんなんかも、あそこに入院した直後に、グアムイヤンオープンで優勝したらしいし、御曹司なんかも、さわやかブルドンで、8位に入ったんじゃなかったかな?


前に話した職場の隣席にすわってた先輩が、やっぱりそこに入院して、何やったか教えてくれって聴いても、絶対教えてくれない。そういう風に言われてるからって。


ある日、その病院のことネッシーが、週刊誌に話してた。すごい先生がいるとかって・・それで、なにやるのかちょっとだけ書いてあって、先生の目を5時間くらい見続けるって。


なんでも時代の先いってたって先週話したけど、日航のトップにだって前原さんより先に会ってたね。柳田っていう日航の創業社長だけど・・正座会っていうのに毎週来てた。じいさんばあさん30人くらいの中に若いのは自分だけだったけど、「君は肩に力が入りすぎとる」なんていわれたよ。


当時、引退して相談役になってたとはいえ、会費500円の公民館の名もなき人たちの集まりに、要人が、毎週まじめに通ってくるんだから、すごいといえばすごい時代だった。


王さんが40本ホームラン打たないとスランプといわれ、謝罪したらしいけど、追い求めてるものが違うというか、そういうところに平気で来そうですね。


高橋まり子は、「歯がゆいのよ、その唇 キスする場所 間違えてる・・」と、うたってたけど、これもマジメな顔して大胆な歌だったな。


もっくんも、アメリカで賞とって、ついつい悪口いってしまったけど、ウエンツさんも、なんか痩せてきたけど、大丈夫かな?あゆとか、あややの健康的な太ももが懐かしいですね。


サザンのスキップビート、「腰をからみつけ スキップビート スキップビート スキップビート」って詞。


早口でいうと、「腰をからみ スゲエ すけべえ すけべえ すけべえ」って聞こえる。ファンをからかってるんでしょう?(笑)テレビで卑猥な表現やめろと苦情きても、これなら言いわけできる。


僕はロマンチストじゃないからね。マチャミなんかも、ロマンチックな言葉はいてもらうこと、期待し
てるらしい。年上のくせに・・


リアリストになるほど、ロマンチックなものから離れていくわけでしょ。辻人生さんの小説は、読んだことないけど、フランスの奥さん方の賞かなんかもらってる?ロマンチックな言葉、吐いてるんじゃないかな。


釈迦が出家して、立派な青年だということで、是非、美貌の娘をもらってくれと頼まれた。だけど、美貌だろうと、所詮、女というのは、一枚皮をはいだら、糞尿でしかないんだみたいなことをいって、恨みを買ったらしい。数年後にその娘が、どっかの国の王妃になって、そこに釈迦が訪れて、娘がそのことを覚えていて、あらぬ噂を流して釈迦を迫害した。それで、弟子が逃げましょうとすすめたら、これはいま受けないと、どこへいっても後々引きずることになるんだといって、居座ったらしい。山本七平さんの本に出てくる。


聖人というのは、優しくてあまり激しいことをいわないと思われがちだけど、そんなことない。褒め言葉をいうことで、実は毒がまかれるんだと。


ただ、難しいのは、我々が真似しようとすると、視野がせまくなったり、不機嫌になったりする。松けんさんだったか、小雪さんだったか、コラムというのは、ねたみ、そねみ、ひがみの三みで書くといってたけど、そこが凡人と聖人の違いなわけ。聖人は、愛が基本なわけだから・・


もっとも、メドベージェフさんの国のトルストイの言うように、愛というのも、実は98%まやかしもんらしいけど。


性的なものは、まともに考えたら、不潔なものが多い。とりつかれたようにというか、夢中になって飛びついたりすると、それがわからなくなるんだろうね。


病気にしたって、たとえば、医学が発達したというけど、誤診とか、医療ミスで亡くなるケース、どれくらいあるかとか、臓器移植した患者が、どれだけ生きたとかいうようなデータも、もっと出してもいいと思いますね。ドクさんなんかが、子供を授かったのも、現代医療のお陰なんだろうけど。河野さんも、お父さんに肝臓移植した。


コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎


 

連載コラム247 from 北海道●北陸の旅・11

金沢城公園、兼六園と駆け足で回った割には、時間も相当費やし、長屋武家
屋敷跡を見終わった頃は、すっかり日も陰っていた。
まだ見たりない気持ちの私は、心残りがあるものの再び東茶屋街へと戻る。
茶屋街を最初に散策するはずが、山へと歩いてしまったから、すっかり
後回しにしていたのだ。
東茶屋街で再びバスを降り、早足で歩き出した。
通りがやけに静かだ。
店がそこもかしこも閉まっているように思うのは、気のせいなんかではない。
この辺りでは、店を閉めるのも早いらしい。
漸く見つけた土産物屋に駆け込むように入った。
何か欲しい、買っておきたいと、棚に並べられた品に目を走らせた。
瀬戸物の珈琲カップのセットとマグカップに目が止まる。
紫陽花の花模様が素敵だった。
マグカップは、なんだろう、一輪花がいっぱいに描かれているけれど、
何となく元気が出る色彩で、形も斬新だった。
どちらか欲しいなぁという気分。
どっちを買おうと、悩みひたすら思案する。
この土産屋も、当然閉店間際だった。
そこへ、血相を変えて飛び込んできた私が、ひたすら棚の商品を見回し、
カップを手に取り、裏を返したり、真剣に選ぶ姿は、ちょっと自分で
想像しただけでも、余裕のなさが丸出しだ。
買わなければならないオーラを出しまくっていたから、店の人はこんな私に
苦笑してしまったかもしれない。
「それね、値引きしてあげるよ」
怖い顔で思い悩む私に、店のご主人が声を掛けてきた。
他に女性の店員が一人。
雇われているのか、それともご夫婦なのか、兎に角小さな店で仲睦まじく
働いておりました。
きっと私なんてほっといても何か買う客だったと思います。
でも、店のご主人は、顔を綻ばせて「値引きしてあげるよ」と言ってくれた。
「ひとつ、1800円だけど、ふたつで3000円にするよ」と。
買うなら、ふたつ欲しいもの。
金沢の記念に、是非欲しいのです。
きっと、心の中を見透かされたのかもしれない。
なのに、安くしてあげるだなんて、なんて優しいのでしょうか。
珠峰九谷と底に印されたカップをふたつ手に取る。
「これ、ください。これ、買います」と、笑顔でご主人にカップを渡した。
たわいのない会話をしながら、お代を払い、急に思い出したように
切り出した私は、「そう言えば、この辺りでどこかお勧めのお食事出来る
店ってありますか?」と、尋ねた。
昼食を抜いて散々歩き回ったので、もうすっかり腹ぺこなのだ。
なんでもいいから、何処かで食べなければならないのです。
なにせ、本日お世話になる民宿では、朝食は付いているんだけど、夕飯はナシ。
当然です、この辺りは素泊まりが普通なのです。
「なあに? ひとりなの?」と不思議そうに私を見るご主人。
「はい、ひとりです」と私。
「洋食でいいのかい?」
「ええ、洋食でいいです。高くない気さくな店がいいんですけど」と
即答したけれど、この時も、私は十分せっぱ詰まった顔だったに違いない。
「それならすぐそこに来来軒っていう店があって、そこは僕たちもよく
食べに行くんだけどね、カレーなら1000円だし、安いよ。後はねぇ、
表通りに出たらビストロって洋食屋があるんだけど・・」
ジャズが掛かっていてちょっと雰囲気がある店だとご主人が説明する傍らで、
女性の店員が僅かに渋い顔をつくり、「でもあそこは、ちょっと・・」と
何か言いたげだった。
1000円のカレーライスが食べられる来来軒は、この店のすぐ先に
あるのだという。
そこでいいではないか、カレーライスで十分です。
カレーを頂きましょう、決定です!
包装して貰った品を受け取り、私はお礼も早々に店を出て来来軒へと歩き出す。
すぐに見つかる。
しかし、ようすがどうもおかしい。
店の電気が消えていて、暗いのだ。
入口のドアに、『月曜日・定休日』と書かれた札がぶら下がっている。
なんで? と愕然とする。
これってないよなぁと項垂れる。
こっちは、腹ぺこなんだけど・・と私はトボトボと歩き出した。
茶屋街の入口、車道で隔てられた通りまで出ると、橋の向こうにちらほらと
灯りを灯した店が川沿いに並んでいた。
のれんを下げて、どこか気品が漂う店たちに、誘われるように歩き出す。
店の前まで来て、中をちょっとだけ覗いた。
どうにも、高級な雰囲気だ。
何件か覗いて回るうちに、どれもが割烹料理の店だと気付いた。
お品書きの看板に、6000円、8000円と書かれてある。
一人で割烹料理はないでしょ、と苦笑。
酒も飲めないんだからと、尻込みした。
日も暮れた空は微かに西の空を染め上げ、川沿いに立ち並ぶ料理屋が
店先の照明に灯りを灯し、のれんが風に揺れていた。
美しい。
だから、少しだけ川沿いを往復し、橋の欄干にもたれて眺めた。
それから、土産屋で聞いたビストロを探した。
外観が煉瓦で趣きのある店・ビストロは、車道に面したところに建つ
ちょっと大きめな店である。
重厚なドアを押し開けると、ジャズが響いていた。
客はいない。
天井が高く、きっと以前は何かの建物として使われていた物を、そのまま
レストランにしてしまったような感じだ。
奥にカウンター席があり、窓や壁側には、ソファとテーブル席が設けられてい
る。
若い女性のウェイトレスがやってきて、席を案内してくれた。
着物を制服代わりにしているようなんだけど、ちょっと洋風にアレンジして
着崩しており、外国人が見よう見まねで纏った感じである。
でも、かわいい感じの女性だ。
手渡されたメニューを見ると、想像したより高かった。
どれも洋食で美味しそうなんだけど、少しばかり高いのです。
それで、比較的その中ではランクの低そうなパスタを選びました。
なんとか蟹のスープパスタっていうヤツに、珈琲を頼んだ。
「食後にデザートはいかがですか?」と言われ、「それじゃあ」とデザートを選
ぶ。
腹がへりすぎて思考がすっかり乏しい私は、勧められるままでした。
ジャズの音色が心地よい。
ひとりで貸し切りなのも、また心地よい。
散々歩き回ったし、ソファに座り込んだ途端、疲れが噴きだしのでしょう。
ぼーとしてました。
やがて、地元の常連らしい男客がひとりいらして、カウンター席で飲んでまし
た。
男客、中年ふう。
と、いう私もひとのことなど言えませんが。
蟹のスープパスタは、驚くほど美味で、蟹の出しが良く出ていて、
こんなパスタは食べたことがないと本気で感動した。
きっと、お腹がへっていたことも美味しく感じた理由のひとつなのだと思うが、
普段それほど好んで食べない蟹をこの時は珍しく選び、そして目が丸くなる
ほど驚いたのだ。
小さなワタリガニのような蟹がパスタに絡み、スープに浸されている。
蟹って美味しいんだと、今更のように心の中で称賛した。
ところで、私が何故蟹をあまり好まないのかというと、面倒くさいからだ。
蟹が料理に出て来ただけで、みんなもくもくと蟹と格闘するし、
蟹の殻剥きが好きではないからである。
美味しいとは思う、それは当然なのだと思う。
だけど、例えば職場とか何かの宴会で料理に蟹が並んだだけで、私はちょっと
敬遠しがちだ。
蟹をもくもくと食べる人たちに挟まれても、涼しい顔で煮魚なんぞを食べちゃう
わけです。
それをいい振りコキなのだと、夫にはなじられる。
「あんたは、ブルジョアなのね」ともっと何か言いたげだ。
「あれ、どうしたの? 蟹きらいなの?」と私の皿を覗いて不思議がる上司に、
蟹を剥くのが苦手なのだと打ち明けたばっかりに、上司に蟹を剥かせ、
同僚たちには、白い目で見られても、私はやっぱり人前で蟹を食べることを
恥じていた。
なんか、野蛮な感じがするんですね。
それを、人前でさらしたくはない、それだけなのですが・・・。
それにしても、美味しい物を食べた後って、幸せです。
お腹も心も満たさせて、幸せこの上ない気分。
その気持ちのまんま、民宿へと向かいました。
宿に戻ったのが遅かったので、民宿の女将さんには、「まあ、ずいぶんと
ゆっくりとされていたんですね」と驚いていたけれど、それでも充実した観光で
した。
満足した気分です。
宛がわれた部屋は、二階の小部屋で、床の間も入れて四畳半ほどのつくり。
宿泊客がそれなりにいるのか、私の隣部屋にも先客がいました。
壁板が薄いのか、室内の音が響きやすく、だから物音を立てることも、テレビを
付けることも憚られた。
窓を開けると、ベランダがあって物干し竿が掛かっていて、洗濯物が僅かに
干されている。
それにしても、なんという静けさだろう。
古い家々が密集した地帯に、みんなひっそりと暮らしている。
網戸から覗く家の中でも、テレビの音も人の話し声も聞こえてこない。
誰もが気遣いながら、何かを守って暮らしていた。
民宿で銭湯の券を貰った私は、借りた洗面器を抱えて、渡された地図と格闘して
茶屋街を歩く。
そして、またしても迷う。
地図の示す場所へ行き着かない。
それでも、夜の茶屋街で、何とか人を見つけ、目的の銭湯を訪ね、
辿り着けた私は、借りて来た猫のように大人しく湯船に浸かっていた。
銭湯の利用客は圧倒的にお年寄りが多いここでは、誰もが普段着の顔で、
見知らぬ人が交じっても、別段気に掛ける様子もない。
それが、この辺りの作法とでもいわんばかりだ。
茶屋街の民宿に泊まり、ここの銭湯を使わせて貰う私は、この街の作法や
生活、いろんな物をちょっとだけ参加させて貰ったように感じた。
客扱いしない。
有りの儘の茶屋街をまるごと滞在した客にも、感じて貰う。
それが金沢のおもてなしで、それこそが茶屋街のおもてなしなのだろう。
風呂にゆっくりと浸かり、番台のお婆さんにお礼とおやすみを言って、
夜風に当たりながら、私は川岸へと向かった。
なだらかな土手に腰を下ろし、川のせせらぎに耳を傾ける。
川向こうののれんを下げた料理屋から背広を着た客が出てきて、その後から
着物姿の女将らしき女性が丁寧に頭を下げて客を見送っていた。
静けさの中では、時間までもがゆったりと流れ、それは私の住む町からは
想像もつかない景色だ。
古風な暮らしに焦がれ、そこに浸りたい一方で、きっとそれが自分には
とても不向きなことも自覚させられてしまう。
みんなが共同で守り生きる暮らし方は、少しだけ窮屈でのびのび出来ない
不便さがあるからだ。
それに反れることなど、認められない厳しさも感じていた。

それでも、私はまたここに来るだろう。
また、城下町を歩き、この茶屋街を訪れると思う。
着の身着のままで、現代の暮らしにどっぷりな自分を戒め、古風な清さに
浸るために、また来るのだろうと思った。

短い北陸の旅は、終わった。
あれだけ晴天に恵まれていたのに、北海道に帰る日は、朝からどしゃぶりであ
る。
やっぱり旅はいいものです。
そしてひとり旅も、いいものなのですね。
                         <完>

コラムニスト●プロフィール
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赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住