2009年10月1日木曜日

連載コラム129 from 台湾

8月30日、第45回衆院選が行われ即日開票された。
結果は、予想通り民主党が圧勝。
長年日本の政治を取り仕切っていた自民党から政権を奪い
日本のメディアは「新たな政治の幕開け」
「日本を変える政権交代」と大々的に報道した。

しかし、一部海外メディアは「政権が変わった」とはいえ
その民主党の上層部の多くは元自民党員であったこと、
「はっきり言って、民主党は寄せ集め党ではないのか」
「チェンジは、あまり期待できないのではないのか」
と報じていた。

オバマの二の舞い?
国は異なるがアメリカのオバマ大統領率いる新政権も
「アメリカ初の黒人大統領」「これまでにないタイプの大統領」
という点から、就任時は大きな期待が寄せられていた。

しかし大統領就任から8ヶ月が過ぎた今。
景気対策、医療保険対策などが不十分である、
期待外れだ、として支持率は減少し続けている。

熱しやすく冷めやすく、そしてマスコミに踊らされやすい
日本人相手の民主党新政権も、すでに
「公約を守りそうにもない」「あまり期待できそうにない」
などの声が早くもあがっている。

公約をきっちり守らなかったり、国民の負担が激増したり、
日本の「お上」システムが何も変わらない場合、
オバマ政権の二の舞い、
もしくは、それを超えるレベルで国民から叩かれるのではないかと
思わず危惧してしまう。

冷ややかな海外メディア
今月に入り、首相に就任した鳩山由紀夫首相は国連総会へ
出席するためニューヨークへ飛び22日には国連で開かれた
気候変動サミットで英語のスピーチをした。

このスピーチを日本のメディアは絶賛。
流暢な英語で各国からも高い評価を得たとしている。

確かに首相の英語は理解できる「きちんとした」英語であり
危なげなげなく、恥ずかしくなく、聞けるものであった。

しかし、内容的には、正直言ってさほど評価されてないのでは?
という印象を受けた。

欧米のメディアをはじめ、アジアのメディアも首相のスピーチを
それほど報じていなかったからである。

「日本にしては珍しく、分かる英語が話せる」
くらいの扱いであった。

発展途上国の首相や大統領は、海外への留学経験があるからか
大抵、問題なく英語が話せる。

世界の共通語である英語が話せるのは「別に普通」のことであり
「日本の温室効果ガス排出量を2020年までに25%削減する」
という目標を掲げたのは立派だが、あくまで目標であり、

コロコロ首相が変わる日本で、この目標がいつまでキープできるのか
海外メディアは至って冷ややかなのである。

国民が求めること
どこの国も、国民が国のリーダーに求めることは同じ。
「よりよい生活ができる、安心して暮らせる国にして欲しい」
だろう。

中でもアメリカ人がオバマ大統領に最も期待している部分と
日本人が民主党に一番期待している部分は、
実は同じではないのかと思う。

「この国も構造的なものを、全てひっくり返して一から直して欲しい」
「悪い膿を全て出し、国民のために最良の構造を作って欲しい」

しがらみの多い日本で、新しい首相が構造改革に成功するのかどうか。
期待を込めて見守っていきたい。
















▼▼▼ from TAIWAN Pics ▼▼▼
写真は旧暦で7月15日の折り返し時点となる9月初頭に祈りを捧げる台湾人たちです。

コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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