2009年12月1日火曜日

連載コラム133 from 台湾

11月4日、マレーシアで日本人女性が逮捕された。
女が逮捕されたのは国際空港の税関。
麻薬密輸に関わった罪で逮捕されたのだという。

この女性はアラブ首長国連邦のドバイから
マレーシアのクアラルンプールを経由し
日本に帰国する予定だった。

税関特別検査期間であった同空港で
覚醒剤5キロ近くも所持していたこの女は
あっさりとバレ、逮捕されたわけだが
「何も知らない」と罪を否認しているという。

「日本を出たら何してもOK」感覚
今回マレーシアで逮捕された女性が
麻薬常習者であるのかどうかは定かではない。

しかし麻薬を運ぶくらいであるのだから
1回、2回は試したことがあるだろう。

「覚せい剤は恐ろしい」と、いたるところで言われているが
「1回くらい平気」「お試しで」と手を出す人は
想像以上に大勢いる。

海外に居ると「日本なら大人しそう」に見える日本人が、
信じられないほど開放的で
意外な行動をとったりするものだが、
麻薬に関しても平気で手を出したりするのである。

自分を知らない人ばかりの国へ行くからか、
違う自分になってみたい、抑えていた自分を出したいと
思うのだろうか。

そして、その国でやったことは、その国に捨て、
帰国後は普通の生活に戻るのである。

「日本を出たら何してもOK」
「日本には持ち帰らない」
そんな人がアラフォー独身世代に得に多くいるのである。

そんな感覚が「日本に帰る途中、ちょっと麻薬を運んで
大金かせぎ」に走らせるのだろう。

問答無用の厳しい国マレーシア
マレーシアで逮捕された女性も
職業は看護士で、体重もかなりある、
「麻薬とは無縁」のような雰囲気の女性であった。

「もしかしたら、ハメられたのか?」という考えも
脳裏を横ぎるかもしれないが、
彼女のパスポートにはここ6ヶ月の間
何度かマレーシア入りしていた記録が残っており、
麻薬密輸の運び屋となっていたのは
まず事実であろう。

日本では覚せい剤密輸に対しても
売買、所持、摂取に対しても、
たいした刑罰はくだらない。

もちろん実刑判決は下るが、
「覚せい剤が人間にどのような影響を及ぼすか」
を考えると、あまりにも軽い刑なのである。

アジアだけでも、中国、マレーシア、タイ、
シンガポールなど量は異なるが50g前後の麻薬密輸で
容赦なく死刑にする。

鞭打ちの刑があるマレーシアはとても厳しく、
「飛行機内でも麻薬持込は死刑になると
アナウンスさせているのに、持ち込む方が悪い」と
問答無用で死刑を下し、執行するであろう。

女性は今、猛烈に後悔しているであろうが、
やはり自業自得というほかに言葉はない。

増加しないことを祈るばかり
これまでアジア各国では
「日本人は沢山買い物をし、お金を使ってくれる」
と歓迎されていた。

空港でも日本のパスポートは税関ノーパスの国が
多い。

しかし、だんだん日本人に対する見方が変わってきており
「日本パスポート」が通用しなくなってきている。

今後、海外で日本人が麻薬がらみで逮捕される事件は
増加するかもしれない。














写真は台湾の現地小学校中庭の風景です。
小さな川も流れており、のんびりした雰囲気になっていますが
台湾は日本以上に学歴主義で小1から中間・期末試験があるため
子供たちがあまり遊べる時間がないのが現状です。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)

1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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