2010年2月15日月曜日

連載コラム150 from 東京

朝青龍が引退して、うちの母親もさびしがってるんじゃないかな。ああいうとっぽいやんちゃな感じのがいいみたい。水野とか、貴闘力とか・・そのわりに、野茂も好きだったりして、よくわかんないね。


まあ、貴乃花とかも、内輪もめが、人間にとって一番きついことだからね。だから、会社などでは、既製から出ようとするには、やめる覚悟をしなきゃならない。大企業でも、仕事しないでいいといわれて隔離部屋に入れられたりすることがあるらしいけど、仕事しないで楽どころか、並みの神経じゃ耐えられない。

でも、貴乃花っていうのは、そういうものに耐えられそうというか、相当な精神力を持ってる感じがするね。

普通は、妥協していって染めれたり、鈍くなったり、逆に、意固地になってひねくれたりするけど。逆境になればなるほど、自分の我が削れていって自分ができていくというかな・・桑田が「自分をもっと深く掘れ」をプレゼントされたけど、そういうのが趣味なような人じゃないと改革ってできないんだろうね。

ジメジメした組織の内紛やってるような場合じゃないんじゃないかな。部外者の意見にすぎず、端でいうのは簡単なことだけど。

稲盛さんも、そういう反逆児的な人というか、人がやらない、できないといったことをやるんだと。西郷が好きみたいですね。

西郷も、なにもいらないというようなバカじゃないと天下国家の改革はできないというけど、あれも守りたい、これも守りたいとかあると、なんでそこまでしてってなるし、どうしても流れちゃうからね。

国会もヤジがとびかって、品がないとか、いろいろな意見もある。必ず賛成反対意見があるわけだから。亀井氏は、ヤジも本気でやることが大事だといってたね。

野球も、球場でみるとヤジがすごいからね。何年か前、上原にサインもらおうと思って、二軍の球場に行ったときに、たまたま試合やってて、バックネット裏で見てたけど、いきなり野口がストレートのファボール出して、近くのサングラスのおじいさんが、すごいヤジ飛ばしてた。

あの時は、上原にサインもらう目的で行って、サイン色紙まで買って、警備員に上原が、室内にいるかどうか聴いたら、いるっていうんで、いろんなこと聴いた。いつもサインしてくれるのかとか、どっから出てくるんだとか、どんな車でくるのかとか・・サインしてくれるときと、そうでないときがあるといってた。

あの球場行くのは、初めてだった。さびしい丘みたいなところを歩いていくんだけど、ひとりで歩いていて、「俺、いい年してなにやってるんだろうって」(笑)

ヤジも本気でやればというのも面白いね。要するに、政治家が、普段、ヤジ飛ばしあいながら、実際にやってる仕事が、芸術的だったら素敵ですね。

ヤジが伝統というか、当たり前の空間と、そうでない空間があるわけでしょ。

品があるないも、世界によって変わってくるわけでね。朝青龍だって、プロレスとか格闘技の世界に行けば、うるさいこといわれないかもしれない。まあ、本当にシロウトを殴ったのかどうかまでは知らないけどね。いくらなんでも、ああいう腕っ節の人間がシロウトを殴ったら笑い事じゃすまなくなる。ムツゴロウさんだったか、熊が親しみをもって人間にじゃれてきても骨折するといってたね。力道山も、プロレスに転向して、やっぱり酒で身の破滅を招いたようだけどね。

「奇麗事はもういいや」というヤジがある。愛とか正義しか言わないのは、だれでも出来るよ。だけど、愛にも、いろんなものがあるわけでね。それを提示するのが作家の役目でもある。そういうものが意識できてる人と、出来てない人がいて、意識できてない人は、無意識にいろんなことやってしまうこともあると思うね。必ずしも、悪いことばかりじゃないだろうけど。

奇麗事でもセンスのいいものは、自分を見つめていないと、なかなか出てこない。行動とかも、また別だけどね。ただ、生粋の宗教というのは、みな内面世界を重視してるんでね。そのための行動なんでね。

経済の曲線とかを見せて、菅さんがわからないといって、アザ笑ってたけど、逆に、ああいうものが、どれだけ経済を変えられるのかと思うね。

トルストイも、自分が皇帝だったら、本人も説明できないような意味不明なことをいう知識人は、むちうち100回の刑に処すという法律を公布すると。

そういう恵まれた生活でも、病気したり、家族を亡くしたりして、自殺したくなるというのは、よくあるだろうけど、トルストイの場合は、周りから羨ましがられるような生活自体が、地獄というか、イヤだったんだね。

それで、なんでも、かんでも、貧しい人に物やら土地やらをやってしまうから、奥さんとケンカが耐えない。夫婦喧嘩でも、芸術家のケンカというのは違う(笑)

「復活」にしても、ある原始キリスト系の教徒たちが迫害されていて、彼らをカナダに逃がすための印税を得る目的で書いたらしいんだね。彼自身は、その教団には属してないけど。やはり原始キリスト系の教徒たちに感ずるものがあったのかもしれない。

だから、愛とかいってないで、世の中を変える具体策を言えなんてヤジってたけど、簡単なことで、こういうトルストイみたいなのが、2割でも出てくれば、変わる(笑)1割でも出てきたら、違ってくるだろうね。そういう影響が、次から次へと伝染していくというのかな。

クリシュナムルティも、金持ちとか、中産階級から変わらなければ、明らかに変わらないといってるけど、貧乏人は、生活の糧を稼ぐことで手一杯なわけだから、余計なことを考えられないんだね。

ほんとは、行動でなくて意識が変わるだけでも違うはずでね。ほんとうに、そういうものが、そんなにすごいのかとか、必要なのかとか、意識が変わるだけで。まあ、金を得るために必要かどうかということばかりになってるけど、もっと全体的にみてどうなのかと。

やっぱり、自民も焦りが見えるというか、ヤジで引きずり落とそうという気負いが見えすぎてる感じがするね。これはいけるっていう政策を出さずに・・若い人は、面白いけど。

僕が、小説家に向いてるんじゃないかと思う人もいるかもしれない。もしかしたら、村田さんあたり、応募してこいくらいに思ってるかもしれない。妄想かもしれないけど。そうなら、お気持ちは、ありがたいことですね。ただ、僕の小説を偏差値であらわせば、人間の内面世界のことに関しては、70以上いってるのかもしれない。でも、構成とか、風景描写や人間の外観の描写になると30くらいになっちゃう(笑)

僕の小説は、野球でいえば、江川さんが直球だけ投げてるみたいなもんだと思うね。そういうものが茶川賞なんか取れると思えない。少なくとも、前例はない。

うんざりしてる人もいるだろうけど、安倍に続けていいか聞いたら、ハイっていったんで続ける。まあ、ほんとは聴いてないけど、たとえ、安倍が首を横に振っても、カーブ投げれない(笑)

オリンピックも、高木さんとか、中学生ですごいのが出てきたみたいだな。愛子さんも、若い頃、かわいかったというか・・当時は、ITの若旦那たちが、みんなしてスポンサーになりたがって大変だったろう(笑)

企業家も、昔と、ずいぶん趣味が変わってきたんだろうね。ホラエモンなんかも、ちょっとおちゃめぽいというか。頭もいいし、ある種の技術力、仕事力はズバ抜けてるんだろうけど、なんか骨が一本抜けてる感じがするんだよな。僕と同じで・・

僕はある種の観察眼だけは、秀でてるかもしれないけどね。それもある種のものだけで、服のセンスは全然、ないからね。

山田洋次監督の映画で、鶴米が吉永小百合姉さんのダメな弟を演じてるようだけど、正に、ああいう存在だと思うよ。僕は。だから、本当は救いの手を差し伸べてくれる人がでてこなきゃいけない(笑)あの弟は、ダメ人間で、お姉さんの結婚式で、テーブルひっくり返して破門になったわけだろう。トルストイも、教会を破門になってるけどね。

僕も、妹の結婚式当日は、髭そるときに、アゴのところ切っちゃたりして、血が止まんなくなっちゃってね。電車の中でずっとティッシュでアゴを押さえてた。まあ、式が始まる頃には、かさぶたになってたけど、まったく、鶴米に似てると思うよ。

ただ、鶴米というか、あの弟は、バカでも憎めないというかな。ドストエフスキーの白痴に通じるんだろうけど、美しいという感じはするね。

ああいうのは、家族や当事者同士間はいやでも、端から見てると可愛げがある。だから、映画をみて、美しくて泣けるというのかな。

ただ、現実は、僕みたいなバカが大勢いるわけ。ダメ人間で、可愛げもなく、むかつくというようなのが。それでも、監督の言うように、どこか断ち切れない絆というのがあって、そういう中で人間が成長していくというのも、あるんだろうけど。

つきあいやすい人ばかりと接してると、人間は成長しない。そういう小説は、漱石なんかが書いてますね。ただ、こういう映画を見てる側は、あまり面白くないかもしれない。やっぱり、コテコテのリアリズム映画というのは、なかなか受けない。アバターみたいに、ムチャクチャヒットする映画と極端だね。

ファンタジーとか、3Dとか現実を忘れさせてくれる映画が受ける。とうぜん、映画だからできる面白いことだけどね。ギリアムもそうなのかな?

日本でも、リアリズム映画って減ってるでしょ。僕が若い頃より、尚、減ってるようだね。映画を売る側も三大映画祭で大賞なんかを取る映画は、ろくなもんじゃないってイメージがあるんじゃないかな。

ハリウッド映画でも、正義がきっちり勝つようなのが受けるだろう。子どもの頃も、粗いけど、正義とか、善悪とか、そういう感覚はあるわけ。あるいは、暴走族にしても、更生して急に、いい人間になっちゃったりするようなのが受ける。だけど、更生しないような人も、現実には多いんでね。更生しないでズルズルいっちゃうようなのは、あんまり見たがらない。

山田洋次監督なら、どう描くんだろうね(笑)冗談抜きに監督の作品は、どれも心があるというか、監督自身が透明になってないと、出来ないんだろうね。

まあ、浅田まおうなんかは、あの細い足で、従来のスケーターのイメージも変えたというか。高橋も、怪我から立ち直った。ミキティなんかも、やってくれそうだし、葛西は、PHPが合言葉かな。


コラムニスト●
…………………………………………………………………
森田益郎

0 件のコメント:

コメントを投稿