2010年6月15日火曜日

連載コラム146 from 台湾

6月2日。

これ以上、自民党には任せておけない、
民主党が、私が日本を変えると胸を張っていた
鳩山首相が辞任することを表明した。

日本を大きく変えると様々なマニフェストを掲げ
鳩山政権が発足したのは昨年9月のこと。

政権が民主党に交代しても
やはり長続きはしなかったのである。

国民のせいなのか
鳩山首相は、辞任表明会見の場で
辞任を決意した点を2つ挙げた。

米軍普天間飛行場移設問題と
「政治とカネ」の問題である。

得に米軍普天間飛行場移設問題に関しては
自分としては最大限頑張ったのに
理解が得られなかったことを強調。

まるで国民が長い目で物事を見られないと、
非難するような印象も受けるほどだった。

確かに日本国民の忍耐力は年々弱くなっている。
しかし、それはこれまで政治家たちに裏切られ
腹黒いことばかりされてきたからである。

必要ない地方空港、高速、モニュメント。
私たちにそんな不必要なものに税金を使われて
「足りない」「まだ足りない」と言われ続けて
いたのである。

埃の出ない政治家はいない
選挙のときだけ国民に対して必死にペコペコして
当選したら利権を乱用しやりたい放題。

そんなことを黙認してきたためか
「政治家=汚いもの」
という図式が日本でも出来上がってしまった。

もはや埃の出ない政治家など一人もいないのである。

この点ばかりを叩き続けていったら
どの政党も長続きしないだろう。

大事なのは今後のことである。
政治家の利権を最小限に抑え、
税金の無駄遣いを一切止めさせ、
甘い汁を吸い続けてきた公務員の給料や特権を減らす。

その代わり過去は振り向かないという気持ちを
政治家も国民も持たないと
前には進めないだろう。

短命政権が続きすぎて国際的信用度が下がりっぱなし
今回、鳩山政権が幕を閉じ、
菅政権にバトンタッチしたわけだが、
CNNもBBCも台湾のニュース番組も
それほど大々的に伝えたわけではなかった。

もちろん主要ニュース項目の中に入っているのだが、
特集が組まれるわけでもなく、
鳩山政権が何をやってきたのか評価するわけでもなく。

辞任した理由でもある米軍普天間飛行場移設問題と
母親からの「お小遣い」の話ばかり引き合いに
していたような報道であった。

そして、日本の政権がいかに長続きしないかを
街頭インタビューを交えて紹介。

日本人に希望はない、日は沈んでいくのである、
とまで伝えた局もあったのである。

どの国の政治化も人間である。
国際会議で何度も顔を合わせ
食事会などを通してお互いを理解しあい
信頼を深めるものなのである。

それには最低でも数年はかかる。
1年経たずに首相が変わりまくる日本は
信頼を得にくくなり
国際的に重要なことを決めるとき
仲間はずれにされてしまうのである。

政治家も国民も大変だと思うが
日本のためにも今度の政権には最低でも2年は
頑張ってもらいたい。


▼写真は、雰囲気のある台湾の図書館です。













コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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