2010年4月15日木曜日

連載コラム154 from 東京

4月6日、中国で1人の日本人死刑囚の刑が
執行された。

さらに3日後に3人の日本人死刑囚の刑が
執行。

1週間の間に4人の日本人の死刑が執行され
日本の首相は「死刑の執行は司法制度の違い
があるので、内政干渉的なことを言うべきでは
ないが」と前置きした上で「残念だ」と発言。

このニュースを聞き、一体なにが「残念」なのか
疑問に思った人は、
日本にもいるのではないだろうか。

現政権になって国内の死刑執行は1つも
行われていないが、それが関係しているの
だろうか、と思わずにはいられない。

昨日今日の話ではない
日本での報道を聞くと、まるで事件は最近起き
最近逮捕、裁判されたようだが、
逮捕されたのは4年、7年、3年前。

裁判も何度も繰り返し行われてきており、
逮捕、死刑判決、死刑執行まで短期間で行われる
こともある中国で、かなりの外国人配慮がされた
ものの思われる。

「通訳がきちんと訳してくれているか不安」
と訴えていたこともあり、「冤罪」になのでは!?
「冤罪」で死刑執行されたらたまらない!と
声をあげている日本人も多いが、

今回死刑が執行された4人のうち2人は
主犯格とされており、裁判でも罪を認め
「死刑でもかまわない。そうなることは知っていたし」
と発言している。

「知らなかった」ではすまされない
もう2人は、運び屋として利用されたと主張しているが
報酬を受け取ることになっていた。

何を運べば30万以上の大金を得られるのか、
普通に考えれば分かるようなものである。
内容は知らなかったとはいえ、相当ヤバいものだと
知ってなかったはずはないのだ。

4人の年齢は一番若い人で48歳。
ほかの3人は65~67歳。
「知らなかった」ではすまされない年である。

空港運賃が下がり出し、円高となり、
海外旅行へ気軽に行けるようになった20年前くらいから

空港で「日本の知り合いに渡して欲しい」
「重量を超えてしまうから、このバック1つ持っていって欲しい」

などと声をかけられても、絶対に了解しないように、
との警告が出されるようになった。

今回のケースは、報酬まで提示させられ、
自分から話にのったものであり、同情の余地はない。

犯罪を犯したことは確かなのである。

その国のルールに従うことは当然
日本は覚せい剤など麻薬に関する犯罪の刑罰が
信じられないほど軽い。

しかしアジア圏各国は、麻薬により、多くの人々の人生が
狂って行くことを知っており、
犯罪を犯したものには、厳しい刑罰を課している。

死刑になるのは中国だけではないのだ。
そして、それは飛行機がその国に着陸する前に
機内アナウンスとして流すことを義務づけている。

だから知らなかった、ではすまされないのである。

「刑が厳し過ぎる」と、かなりダイレクトに発言した
日本の大臣もいるが、それはその国が決めたこと。
覚せい剤の怖さを考えれば、妥当な刑罰だといえよう。

その国に入れば、その国のルールに従う事。
それは当然なことなのである。

良い教訓に
日本人は麻薬に対する罪意識がとても低い。
特に海外に出ると、簡単に手を出したりする。

日本人男性が海外で大喜びしながら性風俗に通い
日本人女性が海外でアバンチュールを楽しんだり
HIVなどの性病も、日本ではかなり広まっているだろう。

しかし、海外で「旅の恥はかきすて」というノリでやることも
現実、であり、事実となる。

麻薬はとても怖いもの。
運んだだけ、と言っても、その運んだものが多くの日本人に
渡り、人生を狂わせていくのである。

「残念」などという前に、これを見習い、日本も麻薬に対する
刑罰を強めるべきである。

今回の件が良い教訓になったと、いえるのではないだろうか。


コラムニスト●
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森田益郎

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