2010年4月1日木曜日

連載コラム141 from 台湾

3月26日、民主党がマニフェストとして掲げていた
「子供手当法」が成立した。

4月には市区町村で受付を開始し、
6月に4月、5月分の手当が支給されるという。

「日本の将来を担う子供のための手当」というが、
親の海外赴任に伴い海外に住む子供たちには
支給されない。

代わりに日本在住外国人の、
海外に住む子供たちには支給されるという。

どこにそんなバカげた話があるだろうか。
はっきり言って怒り心頭である。

「また外された」という失望
会社や役職によって異なるが、
海外赴任年数は平均して5年前後。

問題を起こしにくい妻帯者を海外赴任させる
会社が多いため、子供を連れて海外に住むケースは
非情に多い。

海外に赴任する際には、住民票を抜く。
抜くことにより、児童手当などはもらえなくなる。
しかし、これは赴任先で給与を受け取るため、
日本で得る収入がガクンと減り、
税金を収める額が低くなるため、仕方ないと思う。

これまでも国民への一時金は
仕方ないと諦めてきた。

しかし、今回の子供手当だけは納得できない。
そんな声がほとんどである。

会社勤めの赴任者たちは、日本に居るときは
天引きで税金をきちんと、まじめに支払ってきている。
年金は、海外に在住している間も
きちんと収めている。

日本のために、現地人と日本の本社に挟まれ
妻は狭い日本人社会でストレスを抱え、
子供たちも慣れない環境で精神的に負担を抱え、
頑張っているのである。

それなのに、また外すのか、と愕然とする。

現地校、インターへ入れる親の増加
一昔前、海外赴任中の日本人家庭の子供たちは
日本人学校へ通うのが一般的であった。

今も、生徒数は増加しているが、
それは日本に見切りをつけ、海外進出する会社が増え
それに伴い赴任者も増えたからである。

実は、最近「日本人学校よりも現地校」へ入れたがる
親が増えている。
金銭的に余裕があれば、年間100万を超えるインターへ
入れるケースも多い。

なぜならば「子供を将来、日本に戻らせたくないから」。

日本に帰っても、良い事などなに一つない。
国民を大切にしてくれない日本など
戻らなくてもよい、という考えを持つ親が増えたのである。

海外赴任というと、手当をもらえてリッチと
昔の人は考えるだろうが、とんでもない。

現在は手当があっても、生活費に消えて行くし、
子供がいたら、子供の塾代、お稽古ごとの代金などで
マイナスになるのである。

日本に年老いた親がいる場合、何かあったら
頻繁に往復しなければならない。

日本の介護は最低レベルであるため
海外から応援に駆けつけなければならないのだ。

今回の子供手当の一件で、
ますます日本政府が海外赴任者に冷たいということが
分かった。

なぜ、バラまく
しかし、一番納得出来ない点は、
日本在住の外国人たちが、海外に残している
子供たちへ手当を渡す、ということだ。

少子化と言われている日本だが、
日本に出稼ぎに来ている外国人の中には
10人以上子供を持っている者だっている。

生活レベルも異なるため、手当だけで
1ヶ月生活できる国もある。

これはビジネスになると養子縁組みする者や
公式書類を賄賂で用意する者も増えるであろう。

我々の税金を、こんなことに使われるとは。
本当に帰国したくなくなる。

帰任命令が出ると退社し、現地で就職する赴任者も
少なくないが、その理由を
日本政府はしっかりと考えて欲しい。



















写真はジブリ映画の舞台にもなった台湾の九分です。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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