そんな1年だった。
日本国内でも凶悪犯罪が次々と勃発したり
納得がいかない有名人たちの逮捕劇など
様々なニュースが流れた。
一国の首相が巨額脱税しても「OK」な日本人は、
何が起こっても「仕方ないのかもな」で終わらせがち。
「人事」ではなく、もっと興味を持ってもらいたいと
思う。
そのニュースとは、
「HIV感染者、増加し続ける」
である。
日本では毎日4人がHIVに感染
財団法人エイズ予防団体の発表によると、
2008年の1年間に新たに報告されたHIV感染者は
1,126人。エイズ患者は431人と、
いずれも過去最高の数字であった。日本では、ここ数年、過去最高の数字を更新しており
とくに日本人男性の増加傾向が続いているという。
と、この記事を読んでいても「怖いなあぁ」で
終わらせてしまう人がほとんどであろう。
身に覚えがあっても「まさか自分が」とは思わない。
その「まさか」と思っていた人々が、ある日エイズを
宣告されるため、日本ではエイズ患者数が増え続けている
のである。
外人だけのHIVではない
調査では日本のHIV感染者の21%、
そしてエイズ患者数の20%を在日外国人が占めているというが、彼らのほうがHIV検査を受ける確立が高いからである。
普通に暮らしていれる一般人は、自ら進んで受けない限り
HIV検査など受けない。
しかし、確実に日本人の感染率は高まっているのである。
海外旅行に簡単に行くことができ、
覚せい剤でさえ、普通の主婦が手を出せる、この時代である。海外でのアバンチュールや風俗でHIVに感染する確立は
恐ろしく高いものである。
帰国後、HIVキャリアになりながら恋人にうつしたり
配偶者にうつし、そうやって鼠算式に増えていくのである。
中絶大国日本が生んだ罠
時々、アメリカで中絶運動が行われたりするが、
宗教、とくにキリスト教カトリック信者らは教えにそり
中絶を大反対しており、そのためコンドームをきちんと使用する
人が多いという。
しかし、宗教上の問題がなくモラルが破壊しつつある日本では
いとも簡単に中絶が行える。
簡単に中絶できるのである。
今では、十代の女の子であっても避妊ピルが簡単に手に入るし、
コンドームなしで性行為をした翌朝に飲むと妊娠しにくくなるという、
モーニング・アフター・ピルというのも簡単に手に入り、
ますます「コンドームなしでもいいじゃない」という傾向が強く
なってきているのだ。
HIVはコンドーム着用でほとんど防げるとされている。
これを怠っている今の若い男女が、どれだけHIVに感染しているのか
考えただけでも恐ろしい。
法律改善を
アメリカは州により法律が異なるが、多くの州で「HIV感染者が、自分の感染を知りながらコンドームなしで性行為をする」
と「危害を加えた」罪で逮捕される。
HIV感染者が、わざとコンドームなしで性行為をし
感染を拡大させるという事件も実際に起こっているからである。
日本でも感染を知った者が、やけになり広めている、
その可能性は十分に高い。
そんな人がいなくても、アメリカのように法律で罰を与えるようにすれば
もっと多くの人が、現実的にHIVを考えるきっかけになるのではないだろうか。
HIVは今や治療でエイズ発症をかなり遅らせることができる
病になっている。HIVに感染しても、薬を飲み、定期的な検査を受けながら
長生きしている人は五万といる。
また、HIV感染者でも妊娠、出産は可能であり、
HIVに感染していない赤ん坊を産むことも可能なのだ。
コントロール可能な疾患となっているHIV。
日本でも匿名で検査が受けられるのだから、恐れずに一度、検査を受けてほしい。
写真は台湾現地小学校の校訓をかかげた中門のようすです。
コラムニスト●プロフィール
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岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住
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