2012年3月1日木曜日

連載コラム187 from 台湾

先日、日本のニュースサイトで
「妻は産後、夫に対する愛情が激減する」
と報じられた。

これはベネッセ次世代育成研究所が調査したもの。
妊娠中の伴侶への愛情は夫婦ともに74%だが、
出産して1年後には妻は46%、夫は64%に下がる
のだという。

専門家は、夫が産後、予想外に家事や育児を
手伝ってくれないことに失望しているからだと
指摘している。

これを外国人の友人に伝えたところ、
「日本は女性にとって本当に結婚・子育て
しづらい国なんだね」と言われてしまった。

なぜ夫が手伝わないか
確かに日本で家事や育児を手伝う男性は
少ないように感じられる。

イクメンという言葉も生まれているが、
そんな言葉が生まれ、ちやほやされるというのは、
その手の男性がまだまだ少ないからである。

たまに「うちの夫はよくやる」という人の話を聞くと、
「オムツをかえてくれた」「ミルクをあげてくれた」
「遊び相手をしてくれた」「お風呂にいれてくれる」
というたぐいのもの。

自分の血をひく子供なのだから、
この程度はして当然ではないかと思えるような
ことばかりである。

仕事をしているから仕方ない、とも言われるが、
女性が仕事をしている兼業家庭でも
びっくりするほど男性は手伝わない。

子供が急病になる休むのは妻ばかり。

それもそのはず、日本の社会が、
妻は家事・子育てをやるものだ
と決め付けているからである。

妻はどうすればよいのだろうか
「結婚しても出産しても働きやすい社会に」
「子育てサポートを万端にして、
何人産んでも働ける社会に」

そんな社会を国は目指しているという。

しかし、現実は
「結婚したら肩たたきにあう」
「育児休暇は物凄く取りにくい」
「子供が生まれ保育園に預けられても
風邪とかで早退するので、針のむしろ」
「子育てサポートはいざというときに使えない」
「都会では保育園はいっぱいで入れられない」
である。

男女平等でと国はいうが、全然平等ではない。

何とか頑張り歯をくいしばり働いたとしても
夫が家事・育児を手伝ってくれなければ、
いつかダウンしてしまう。

どうにもまわらず、仕事を辞めれば
「オレが養ってやってる」と言われ、ますます
家事・育児など手伝ってくれなくなる。

妻はどこまでいっても家政婦扱いなのである。

もっと現実的に
冒頭で紹介したアンケート結果を見ると、
結局日本は、このまま夫が強く、妻は弱いという
立場のままなのだろうなと感じる。

これはこれで仕方ないと思う。そういう国は日本
だけというわけではなく、発展途上国にも多い。

ならば、これを踏まえた上で、女性が精神的に
楽になるにはどうしたらよいのか、
共働きしやすくなるのはどうしたらよいのか、
国が考えるべきではないだろうか。

子育てだけでなく介護も任されてんてこ舞いの妻。
そんな思いをするのなら結婚したくない、
娘は結婚させたくない、そんな人が今後、日本では
増え続けるだろうと思えてならない。
















写真は、台北松山空港から見える台北101です。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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