2011年10月17日月曜日

連載コラム178 from 台湾

日本の観光庁が、東日本大震災後に激減している
外国人観光客を呼び戻そうと、2012年に全世界から
1万人の一般観光客を旅費無料で日本に招待することを
決定した。

インターネットで募集し、希望者が提出した旅行計画が
審査にパスすれば、日本への往復旅行券がもらえるという。

彼らには日本滞在中にインターネットで情報発信してもらい
口コミで観光客を呼びもどすことを狙っているという。

この計画には、11億円が使われるという。

驚き
この話を外国人の友人にしてみたところ、
3通りの驚きの反応があった。

一つは、
「もう旅行者を呼び寄せるまで、日本は復興したのか」
「さすが日本。もう被災地は元に戻っただなんて。
でも、滞在費用がかかるって聞いたから難しいかも。
ヨーロッパ(欧米人の友人)も今、大変だからね」
という驚き。

二つ目は、
「この前CNNで、被災地にはまだガレキとかが残っていて
被災者の生活も苦しいって報じていたけど、
なんで、自分の国民を助けないで、観光業を盛り返そうと
計画するの?このお金をまわせばいいのに」
「日本の新首相は日本はお金がないから国民みんなで負担と
税金あげるって言っているんでしょ。
なんで、こんなところでお金使うの?
もし、私が応募して当たったとしても、辞退するよ。
私のチケット代は、復興に回してくださいって」
という驚き。

三つ目は、
「そもそも何で観光客が行かないのか、
日本でのイベントなどが中止されるのか。
まずは、その原因を取り除くべきだろう。
フクシマ(第一原発)には世界中が迷惑しているんだ。
あんなに海を汚し、大気を汚しておいて、
ただだから来い、とは何事だ。
第一、タダチケットを目当てにするような人間が
再び日本に行くと思うか?」
という驚き。

なお、英国メディアは、このニュースを、
福島第一原発の写真入りで報じていた。

今なお検出される放射性物質
一方で、横浜で高いストロンチウムが検出された。

このストロンチウム、福島周辺で検出されたとき、
テレビに出演していた偉い学者が

「ストロンチウムっていうのは重いんですよ。
だから、遠くには飛びません。
今、検出されたのは、60年代に世界中で行われていた
水素実験や核実験で飛んできたものでしょう」

と鼻で笑いながらコメントしていたものだ。

東京の多摩でも、チェルノブイリ汚染地域を上回る
高濃度セシウムが検出されている。

しかし、ひっそり情報を公開し
メディアも小さく、もしくは全く報じないため
「大丈夫、大丈夫」な状態が続いている。

これから北風が吹き、枯葉が舞う季節になる。
汚染はどんどんと広がっている。

ちなみに、セシウムは、内臓にくっつき癌化するとされ
ストロンチウムは骨にくっつき癌化するといわれている。

可能ならば子供だけでも関東から離させることは
できないのだろうか。

コロコロ変わる日本人
ドイツで制作された特番では、
日本で高い地位にいる医者が、不安そうな住民を前に
「ニコニコしていれば放射能の影響は受けない。
気にしてクヨクヨしている人は放射能の影響を受け、
健康を害する」
と発言しているシーンを紹介。

「そもそも、日本人は意見に統一性がない。
コロコロ変わる。今回の原発事故でも、その悪い面が出たのだろう」
と分析していた。

今回の外国人観光計画も、最終的には失敗に終わるだろう。
11億円。また、我々の血税がドブに捨てられることになる。


▼写真は、花蓮県にある太魯閣渓谷です。



















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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