2010年12月27日月曜日

連載コラム158 from 台湾

3年ごとに行われている国際学力調査(PISA)。

本調査は経済協力開発機構(OECD)が、
65カ国・地域の15歳(高校1年生)を対象に、
行う学力テスト。

文章や資料から情報を読み取り、
理由を記述するなど思考力を測る問題が多く
真の学力が分かるとされている。

今回のPISAの結果、
日本は読解力8位、数学的応用力9位、
科学的応用力5位。

今回もトップ3には入れなかった。

低下する日本の学力
その昔、「日本人は数学が得意」「理科が得意」
と言われてきた。

2000年のPISAの結果、
日本は読解力8位、数学的応用力1位、
科学的応用力2位で、
「さすが理数大国日本」だと言われてきた。

ノーベル化学賞の受賞者も日本人がとても多い。
世界に誇る頭脳を日本人は持ち続けてきたのである。

ほかのアジア諸国は、日本を目標とし、
将来の国の発展を託す子供たちの教育に
力を注いできた。

逆に日本は学校よりも塾が勉強の場となり、
学校の先生への尊敬の意が薄れ、
「詰め込みすぎている」「子供がストレス」と
ゆとり教育へと突入。

結果、年を追うごとに子供たちの学力は低下し、
2000年のPISAは、
読解力15位、数学的応用力10位、
科学的応用力6位という散々な結果となってしまった。

日本をダメにするのは誰?
日本の学力はなぜここまで低下してしまったのか。
それは学校制度に問題があるだろう。

一昔前、小学生で塾へ行く子は少なかった。
しかし今は「学校は遊びに、勉強は塾で」というケースが
増えているという。

「仕事をしているが子供を預けられる場がない。
なので塾へ通わす」という親もいるが、
学校の勉強だけではダメだと感じて塾に通わす親が
ほとんだ。

学校の先生が強くクラスをコントロールできないため
なかなか授業が先に進まない。
応用まで手が回らず基礎だけしか教えない。

学期末に配られるつうしんぼも、
客観的な学力を伝えない絶対評価通知表。
競わせることを完全に止めてしまったのである。

塾へ通えない低所得世帯の子供たちは
当然のように落ちこぼれていく。

子供は競うからこそ伸びる
今回トップ3にランクインした中国圏の学校は、
日本の保護者が悲鳴をあげそうな詰め込み教育を
展開している。

主要教科である国語、数学は連日5ページの宿題。
他の教科からも宿題は出るため休むヒマはない。

試験は頻繁に行われ、結果も発表される。

勉強についていけない子供は辛いだろうが、
それでも日本の学校教育を受けるよりかは
高い知識を身につけられるだろう。

子供は競うからこそ伸びるのである。

台湾では半年以上の実習を受けないと
公立校の教師試験を受けられない。

教師もランキング付けされるため気は抜けられない。

日本も教師免許を含む、全てのシステムを見直し
有能な先生による、厳しく高い教育が公立校でも受けられるよう
すべきである。

明日を担う日本の子供たちのために。


▼写真は、現在開催中の台北花博覧会の様子です。美しい花が沢山で心が洗われます。


















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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