2010年7月1日木曜日

連載コラム147 from 台湾

日本を代表する企業が、
「最低2ヶ国語を話し、なおかつ専門知識を持つ」
ことを採用条件にあげているという。

国内だけでなく海外に進出している企業は
即戦力を期待し、上の条件をあげているのだという。

その結果日本人ではなく外国人を採用するケースが
増加。

日本人の就職難に拍車をかけている。

舞台はアジアへ
今、話題になっている進んで外国人を採用している
企業は楽天、ローソン、ユニクロ。

全てアジアに進出し、それなりの知名度・業績を
あげている企業である。

日本国内ではこれ以上伸びないという危機感から
彼らがアジアに進出したのは大成功であったといえよう。

反日が多いとされているアジアの地区でも
日本のものはまだまだもてはやされるため、
楽天、ローソン、ユニクロは大ヒット。

ローソンは日本のクオリティーの高いスイーツや
地元にはないドリンク類などを販売。
コンビニの中でも「比較的おしゃれ」な立ち居地にあり
人気を集めている。

ユニクロは香港オープニング時には長蛇の列ができ
大評判となった。

楽天も日本のものが安く買えると評判。
日本のシステムそのものも持て果たされている。

格差はますます拡大
「最低2ヶ国語を話し、なおかつ専門知識を持つ」
ことを条件にしている企業は、何も大企業だけでない。

中小企業などでも一番に欲しい人材は
ずばり、即戦力となる人間だろう。

仕事で使えるレベルの2ヶ国語を習得するには、
やはりそれなりの教育を受けてないと難しい。

ネイティブ・レベルとなると、高額な学費を支払い
インタースクールなどに通った者でないと無理だろう。

もしくは海外留学を経験したもの、そして帰国子女。

スタート地点の差は、最期まで縮むことはないと
宣言されているようなものではないだろうか。

もちろん努力次第で何ヶ国語も話せるようになり
高学歴を身につけられる人間もいるだろうが、
家庭が貧しく、今すぐ働き手が必要、高卒で働いて、
という家もまだまだ多いが現状なのである。

バイリンガル信仰の盲点
日本はネイティブ並みの外国語を話すバイリンガルを
信仰するような傾向にある。

話している中身よりも発音がよいことを評価されたり、
発音に自信がないと発言できなくなったり。

楽天では社内で英語を共通語としているらしいが
これは危険な盲点であるといえよう。

本当に能力のある人間の意見が出てこれない可能性を
生んでいるからである。

確かに英語や外国語が出来るにこしたことはない。
しかし、それだけに囚われていると危険である。

外国人留学生が日本企業に就職することも
日本の発展には必要であることは確かだが、
このままでは多くの日本人にチャンスが与えられなくなる。

日本の迷走に拍車がかかっていると
思わずにいられない。



▼写真は、連日夕方になると大雨に見舞われる台北市内の様子です。















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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