2012年4月16日月曜日

連載コラム190

日本でもユーザーが増えているTwitterやFacebook。

MIXIでの人付き合いに疲れた人たちも
新しいSNSなら新しい人間関係が築けると思うのか、
ここ数年で、ユーザー数はうなぎのぼりだという。

Twitterは東日本大震災の際にも大活躍し、
スムーズに情報が伝わったりもした。

しかし、情報元がはっきりしないのに「情報」だとして
色々なつぶやきを掲載し、
デマが拡散し、ちょっとして騒動も起した。

また、2ちゃんねると同じのりで使う
匿名ユーザーも多く、どこまで信用できるのかは
定かではない。

2ちゃんねる
2ちゃんねるという巨大電子掲示板は、
面倒な登録をしなくても、誰でも発言することができる
手軽で便利な掲示板として知られている。

細かくジャンル別けされており、趣味の合うもの同士、
楽しく意見を交換しあうことができることで人気だ。

しかし、一方で、デマの発生場所と呼ばれたり、
犯罪の温床ともされている。

自殺志願者やドラッグ好きな人たちが集まる
板もあるため、このようなことが起こるのだ。

巨大な電子掲示板であるため、管理人も把握が難しく
警察がその実態を把握するため、捜査に乗り出している。

MIXI
2ちゃんねるよりもクオアリティーの高いユーザーが集まる
とされているのがMIXI。

きちんと手順をふまないと入会できず、
昔は紹介がないと入会できなかったため、
選ばれた人たちだけのSNSという風に見られていた。

しかし、MIXIでは誰が自分のページを訪問したのかという
「足跡」機能がついているため、そのことで気まずくなることや
MIXIでの出来事がきっかけで嫌な思いをする人が急増。

疲れきって退会する人が増えてしまった。

Twitter
Twitterは登録しなければつぶやいたり、
ほかの人のつぶやきに意見を述べたり、拡散したりは
できないSNSである。

ニックネームで登録できるため、気軽といえば気軽である。

もともとはアメリカで流行りだしたTwitter。
日本語となって登場したのは、つい数年のことだが、
ユーザーは一気に増えた。

Twitterが日本で流行りだしたとき、
セカンド・ライフのようになるのではないかと感じた。

セカンド・ライフはネット上の仮想空間であり、
上手くいけばビジネスチャンスにもなりお金儲けもできる。

大企業も仮想店を出したりとPRを展開したのだが、
結局、日本は馴染めず、今ではその名を聞くことはない。

Twitterもアメリカで流行ったものであり、
MIXIのような足あともない、2ちゃんねるのように低俗でもない
として受け入れられた。

しかし、流行は大好きだが、冷めるのも早い日本人が
続けられるブーム的なものは実は少ない。

Twitterも登録している人は多いが、実際にツイートしている人は
ほんの一部であり、実際のユーザー数は少ないとみられている。

ではFacebookは
そして、今、日本人に流行っているFacebook。
MIXIやTwitterで、SNSに慣れてきた人たちが
上手にネットを活用してコミュニケーションをとる場所として
人気を集めている。

実は台湾ではFacebookユーザーがとても多く、
本来ならば入会できない子供も利用している。

犯罪的なことにも使われることが多いので、
今後、日本でもFacebookを悪用した犯罪が起こるのではないかと
少々心配にはなる。

日本人に向いているSNSは一体どれなのか。

個人的には匿名で自己責任で観覧する2ちゃんねるが
一番思い白いと思えてならない。













写真は、台湾市内の小道。地元民が通う小さな市場通りです。


コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾 from 台湾

連載コラム308 from 北海道●変わらないこの国は

北朝鮮が人工衛星と称した長距離弾道ミサイルの打ち上げは、失敗
に終わった。
この弾道ミサイルの打ち上げを、4月13日の朝、テレビでいち早
く流したのは、みのもんたの番組だけだったが、NHKですら速
報が遅かったのは、後になって思うと、誤報を恐れてのことだった
のかもしれない。
裏取りをしないまま韓国の声明をうのみにするのは安易と思ったの
だろうか。
それにしても、日本政府の無様な対応にはあきれてしまう。
なんど、繰り返せばすむのだろうか。
藤村官房長官は、「我が国の領土内に入ることはないと確認された
ので、国民には知らせなかった」と会見で述べたが、発射報道が
あったにもかかわらず、日本政府の発表は、弾道ミサイルが発射さ
れて40分もたってからである。
その間、アメリカの報道があったのにもかかわらず、日本の発表は
いちじるしく遅れた。
情報をダブルチェックできなかったからとのことだが、緊急時にこ
の対応はない。
なぜ、いつまでも改善できないのか。
今回のことで、真っ先に思い出すのは、3.11の震災で、原発
事故後に政府から出された避難指示である。
パニックを恐れて、と必要な情報を国民に与えない政府のやり方
は、あの当時と何も変わっていない。
北朝鮮の弾道ミサイルは、失敗に終わったけれど、決して今の日本
は、北朝鮮のことなど笑えないし、この国の舵取りは、こんなにも
いい加減で、どうしょうもないのかと思うと、怒りが込み上げる。
私は、今の政府なんて信用していないし、田中さんを防衛大臣にし
たまま続行しつづける野田さんのやり方には、いら立ちさえ感じている。
増税路線は、今や野田総理のスローガンそのものだが、それさえク
リアできれば、後はなんでもいいのか。
挙党一致を掲げて、各派閥からチョイスしてきた人材は、どれも大
臣としてはいまひとつ。
スペシャリストとはほど遠い人材である。
せめて、防衛省はと思っても、どうでもいいような人を抜擢してくる。
もうそれだけで、この政府の本気度が、手に取るように伝わってき
てしまう。

同13日の夜になって、関西電力所有の大飯原発を再稼働させる
ニュースが流れたが、このどさくさにまぎれて、再稼働の説明もま
るでなっていない今の政府に、原発を動かす資格なんてない。
泊原発が停止する前に、なんとしても既成事実をつくることしか頭
にないからだ。
震災で、多大なる事故を起こした福島の第一原発マーク1は、そも
そも原発としては欠陥品だったが、だからこそ、原発を54基もつ
くってしまったこの国が、どのような将来を築き、この先、どのよ
うな形で原発と向き合うべきなのか、ズブズブの関係にしっかりと
メスを入れ、誠心誠意に大掃除をする必要があるのだ。
それをやらなければ、原発の稼働はありえない。
これだけ、癒着という悪行をさらしてしまったのだから、まだ国民
をあざむこうだなんて、虫がよすぎる。
原発を、稼働させたい政府の意志はわかる。
この国の経済的な事情も、理解はする。
しかし、リスクを含めての必要性を誠心誠意、国民に話す義務が、
政府にはあるはずだ。
そういう対応を、他国ではできているのに、なぜ日本は出来ないのか。

東京赤坂の議員宿舎の賃料が値下げする。
借金が多い日本の将来を思うと、何が何でも増税には反対しないけ
れど、なんの対応もなしに、消費税をあげてしまえば、国民の多く
がどうなるかぐらい頭の悪い政府にも解っているはずだ。
零細企業への対処や、震災被災者、低所得者への配慮も対策もなし
で、自分たちの議員宿舎だけは、この時期にこそこそと値下げしよ
ういうのだから、我らもなめられたもんである。
増税は、なんのための増税か。
増税した分、なんとなく使って、また適当な時期に増税しよう、な
んて魂胆が見え透いている。

日本の防衛予算は、世界と比較してもあまりにもちっぽけだ。
今回、北朝鮮の弾道ミサイルを打ち落とすために配備されたPAC3
も、映像を見た限りでは、どうにも心もとない気分だった。
日本の自衛隊はせっかく指揮が高いというのに、肝心かなめなとこ
ろで、活かしきれていない。
法律と予算が、この国の自衛をはばんでしまっているからだ。
これでは、自衛隊が可哀想すぎる。
国の防衛にはちゃんと力を注いでほしい。
北朝鮮のミサイルだって、これで終わりではないのだから。



コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

2012年4月1日日曜日

連載コラム189 from 台湾

日本の格安航空会社「ピーチ・アビエーション」は
28日、出発準備中に機体前方の脱出用滑り台が
飛び出すトラブルが発生したことを発表。

このトラブルで、計3便が欠航したことを明かした。

なぜそんなことが起こったのかというと、
名簿と実際の乗客数が合わなかったため、
出発に向け、一度閉めたドアをアームドモードのまま
開けてしまったから、だという。

この手のトラブルは他社でもこれまでに起こっているが
はっきり言って、こんなことをしたCAは免許剥奪もの。

就航してまだ1ヶ月もたたずに発生するタイプの
トラブルではないのだ。

アームドモードとは
乗客が全員搭乗し出発準備が完了した後に
飛行機のドアを全て閉めることになっている。

閉めた後、客室乗務員(CA)の上のランクのパーサー
などが

「客室乗務員はドアのモードをアームドに
してください」

と日本語、または英語で言う。

この言葉を聞くと各ドアの担当CAはドアについてりうレバーを
動かし、ドアを開けると脱出用スライドが飛び出る、
アームドモードにし、パーサーに報告。

パーサーは全てのドアがアームドになっているのを機長に報告し
飛行機がいつ飛んでもよい準備の一つが完了となる。

そして、目的地に到着し、ゲートに着くとパーサーは

「客室乗務員はドアのモードをディスアームドに
してください」

と言い、担当CAは自分のドアのレバーを動かしドアを開けても
スライドが飛び出さないようにするのだ。

基本中の基本
もし、アームドのままドアを開けるとスライドは勢いよく飛び出す。
緊急用のものなので短時間で使用できるようにするため、
物凄い勢いで飛び出してくるのだ。

もしドアにブリッジやタラップがついていたら大惨事になる。
実際にこの事故で亡くなった地上スタッフもいるのである。

この手のミスをするのは飛び出して一定の期間を過ぎたCAが
多い。うっかりとしてアームドのまま開けてしまうのだ。

しかし、今回の場合、恐らくドアを開けたのはパーサークラスの
人。これはありえないミスである。

ピーチ・アビエーションのCA
日本は昔からCAという職への憧れを持つ女性が多い
ことで知られている。

このピーチ・アビエーションのCA募集にも
90人の採用に対して4000人が応募したという。

契約期間は1年、更新は最高で2回可能という
驚くほど悪い採用条件なのにも関わらず、である。

給料も全日空の契約社員が得ている時給約1200円より
下回っていることは確か。

機内清掃も何もかもしなければならない、
呆れるほどの条件なのにである。

新航空会社を設立するとき、CAは経験者を集めることが多いが
そういうこともなかったようで、結果、今回のような
トラブルが発生したのだろう。

安全第一でぜひ見直しを
CAは機内サービスを行うことが一番の仕事ではない。
乗客の安全を守ることが第一の仕事なのである。

給料を上げて士気を挙げろとは言わないが、
もう少し考えてもよいのではないだろうか。

安い値段で飛行機に乗れるというのは魅力ではあるが
CAがこんなだと機長や副機長、エンジニアたちも
こんな風なのではないかと思ってしまい、怖くなる。

アメリカでも格安航空会社の機長が当然暴れだし
乗客に取り押さえられ緊急着陸した、というニュースが
流れている。

この手のニュースを聞くと「安かろう、悪かろう」と思えて
恐ろしくなる。


















写真は、霧がかかる台北の夜明けです。




コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

連載コラム307 from 北海道●震災がれき

震災のガレキが、被災地の復興をさまたげている。
津波で押し流された土地に、山のように積み上げられたガレキ。
どこまで行っても、ガレキの山、山、山である。
震災から一年が経ったというのに、何も進んでいない。
被災地のガレキ処理が滞っている理由に、放射能に汚染されている
疑いがあるからとのこと。
受け入れを表明した自治体でも、市民への説明説得に、苦労してい
る様子である。
放射能汚染。
震災ガレキは、はたして本当に汚染されているのか?
この問題に対して、私たちは決して感情的になってはいけない。
重要で大切なことは、あくまでも数値である。
その数値を信じ、冷静に受け入れていくしかない。
被災地をこのままにしておくことなど出来ないのだ。
いいえ、決して、してはならないことである。
痛みを分かち合う。
被災地の外で暮らす私たちに出来ることは、震災のガレキを自分た
ちの街で受け入れること。
それこそが、私たちに出来る一番の援助なのだから。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)が、目に見えない放射性物質による
汚染を肉眼で見ることができるカメラを開発した。
人工衛星に搭載する高性能なカメラを改良して、放射線の強さを画
像上に色分けして表示できるらしく、すでに、福島県の飯舘村では
実験済みだ。
今後の実用化に、大いに期待できる話である。

食品の基準も新たに始まる。
放射性セシウムの基準を、これまで以上に厳しいものにするとのこと。
食品に含まれる放射性物質の基準には、そもそも明確な基準などない。
だが、長いスパンでとらえれば、これも一つの防御策。
何よりも風評被害をこれ以上広げないためにも有効的だ。

被災地のガレキの受け入れを、北海道の自治体は少しずつだが表明
している。
だが、まだまだ少ないし足りない。
道が、国よりもずっと厳しい独自のセシウム基準をもうけても、受
け入れをこばみ続ける自治体は多い。
農業地帯に広がる自治体では、食の産業への不安も根強いし、そう
ではない大規模な自治体でも、受け入れには以前として否定的なと
ころもある。
どうしたら、この風評被害を取り除くことができるのだろう。
受け入れても大丈夫なのだと、どうしたら解ってもらえるのだろうか。
放射能には、事実わからないことだらけだが、解らないからこそ、
一層不安を掻き立てられるのかもしれない。
それでも、この解らないことに、私たちは冷静に向き合う必要がある。
けっして、感情的になってはいけないのだと思う。

ひとつだけ、嬉しいことがあった。
我が街でも、ガレキの受け入れが決まったこと。
自分の街が、少しだけ誇らしく思えた。
被災地でも、春が近い。
福島でも、また桜が咲き始める。
被災地の復興を心の底から願っています。



コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住