2012年1月16日月曜日

連載コラム184 from 台湾

2012年が幕を開けた。
今年も世界中で、様々な意味での革命が
巻き起こることが期待されている。

だが、新年早々、とある革命を牽制するコメントを、
とある大物人物が出した。

その人物とはバチカンのローマ法王である。

9日、バチカンのローマ法王ベネディクト16世は、
海外180カ国以上から集まった外交官への
新年の挨拶の中で、
「同性婚は人類の未来にとって脅威」
だとコメントし、同棲愛者たちを容認する動きに
ストップをかけようとしたのである。

同性愛はなぜ罪なのか
そもそもキリスト教は、なぜ同性愛を罪とするのか。
それは聖書に、そう書いてあるからである。

ローマ章には「神を否定して神に従わなかったため、
同性愛になった」「同性愛は神に対する罪、
彼らには神も望みもない」と書いてある。

姦淫を厳しく禁じているキリスト教では
子作り目的なく性交渉することを禁じている。

婚前交渉はもちろんのこと、
敬虔なクリスチャンたちは避妊具も使いたがらない。
避妊すれば、それは子供を作らない性交渉になるから
である。

同性愛者たちの性交渉も子供を作るのが目的ではない。
そのため、罪だと感じる人も多いようである。

同性愛者たちは罪人
聖書は天国に行けないのは、人を殺した者、
盗みをはたらいた者、姦淫した者、
ほかの神を崇め、崇拝した者、そして、
同性愛者だとしている。

つまり、同性愛は審判の日が来ても天国には
行けないのである。

罪人はひっそりと生きるのが世の常。

もちろん悔い改めれば神は受け入れてくれる
となっているが、性癖を変えることは容易な
ことではない。

だから、自分を主張せず、ひっそりと生きろと
いうことなのであろう。

他の宗教では
他の宗教でも同性愛を禁じているものはある。
イスラム教も同性愛を悪だとしており
かたく禁じている。

仏教は、基本的に命あるもの全てを
神が救ってくれることになっているので
同性愛を禁じてはいないとされている。

タイなどでは同性愛者たちが暮らしやすいと
されているが、それには、宗教的な背景が
あるからなのである。

アメリカでは
アメリカでは選挙になると同性婚がクローズアップ
される。

リベラルな民主党とキリスト教信者の多い共和党と
の戦いになるためである。

共和党にはキリスト教右派や大企業、裕福な層、
など多くの保守的な白人たちからなりたっている。

彼らは選挙ではキリスト教を全面にアピールする。
そのため罪人である同性愛を容認する同性婚反対を
主張するのである。

ちなみに、同じ理由で中絶も真っ向から否定されており
そのためアメリカでは中絶を法的に認めるか
それとも認めないかという論議が常に行われている。

キリスト教信者が多いアメリカだが、
リベラルな国であるため中絶や同性愛を支持する
者も多い。

同性愛者たちの未来
セレブたちの呼びかけや、カミングアウトにより、
世界中で少しずつ市民権を得るようになってきた
同性愛者たち。

生まれつき同性愛者であるという人がほとんどで
彼・彼女らにとってはどうすることもできないこと。

それを罪だと声をあげ続けるローマ法王。

しかし、同性愛者たちの革命は今年も続くことだろう。



▼写真は、昨年末に綺麗に改装された台北駅です。
















コラムニスト●プロフィール
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岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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