2011年6月15日水曜日

連載コラム170 from 台湾

6月2日、日本の国会で菅内閣不信任決議案の
採決が行われた。

直前の報道では可決されるようだといわれていたが、
当日まさかのどんでん返し。

採決が行われる数時間前に、民主党代議士会で、
菅首相が、
「大震災に一定のめどがついた段階で、
若い世代の皆さんに色々な責任を引き継いでいただきたい」
と語り、震災復興と福島第一原発事故の一定の目処がついたら
バトンタッチしたいと公言したからである。

この発言をうけて「菅首相は近いうちに辞任する決心をしてる」
とメディアは一斉に報じた。

そして、このことが大きく影響し、
投票総数445票のうち、賛成152票、反対293票で
否決される、という結果となった。

あまりにも無責任
この民主党代議士会には、
1日には不信任に賛成意見だとされた鳩山前首相も出席。

菅首相の発言を重く受け取り、サポートすると発言した。

心情としては、
「不信任案に可決され、辞任に追い込まれ、
無能さを世界中にさらされ、歴史にも刻まれるのは忍びない。
近いうちに、何かをきっかけにして辞任させるから
同じ党なんだから、見届けてやろうじゃないか」
というところなのだろう。

こうして菅内閣不信任決議案は否決された。

海外メディアは「否決されたが、菅内閣はもう終わっている」
そんなニュアンスで伝えた。

日本のマスコミも、不信任決議案の直後から、
退任は6月中、いや夏、秋などとお祭り騒ぎのように報道。
誰もが、菅内閣はもう終わったものだと見ている。

しかし、菅首相は「一定の、一定の」を繰り返すだけで
辞任時期の明言は避け続けている。
挙句の果てに、某大臣は首相は辞任するなんて言ってない
という風に言い出す有様。

あまりにも、あまりにも無責任である。

本来ならば
本来ならば、こんな時期に不信任決議案が出されることは
非常識であり、絶対にあってはならない。

みなが一丸となり首相を支えながら、
被災者救済、震災復興、原発処理を手伝うべきなのだ。

しかし、今の首相、内閣ではそれは出来ていない。

政治主導と言いながら、権力争いで復興事業を投げ出して
きたのである。

世界はそれを見つめてきた。

そして、菅首相が近いうちに辞めると言い出したらしいと知り、
ならばさっさと辞めて、適任能力のある者に
スムーズに引き渡すべきだと思っているのだ。

しかし、菅首相はその座にいつまでも居座ろうとしている。
少なくとも、そうしているように見える。

被災者にことより政治家のこと
不信任決議案が行われる前夜、代議士会で
菅首相は鳩山前首相と話し合いをしたという。

そして2人は「東日本大震災の復興基本法案の成立、
本年度第2次補正予算編成に目処がついた段階で
退陣するということで合意」したのだそうだ。

ご丁寧に確認文書を作ったそうで、
その文書も公開。

そこには、上から順に
一、民主党を壊さない
二、自民党政権に逆戻りさせない
三、震災復興ならびに被災者の救済に責任を持つ
と記してあった。

つっこまれても逃れられるようになのか、
文書には署名はなく、公式なものではないらしいが
こんな事態でも被災者は一番最後なのかと知り、
情けなくなる。

復興はすぐに結果がでるわけではない。
時間がかかることで、すぐに目に見えるものではない。

しかし、いまだに体育館で避難生活を送っている
被災者が多い事実。

2、3ヶ月まえに原発で起こった事が、毎日のように明かされていく
事実。

ここまで政府に舐められているのに、何もしない国民。

このままだと日本は沈没してしまう。

どうしようもない悪い流れ止めるのには、
やはり首相を内閣を変えるのが一番だと思えてならない。




▼写真は、台湾市内を優雅に散歩する台湾によくいる雑種ネコです。



















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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