日本の大学は世界の大学に比べて
入学するのがとても難しいとされる。
その代わり卒業するのは簡単であり、
入学さえすれば、あとは楽勝だという印象が強い。
おまけに日本は今大学がありあまっており
どんなに勉強嫌いで成績が悪くても
どこかしらの大学に入り込むことができる。
日本において今や大卒という学歴は
簡単に手に入るものなのである。
呆れたネット・カンニング
先日、京都大、早稲田大、同志社大、立教大などの
入試問題が、試験の真っ最中にインターネットの
質問サイトに投稿されるという事件が起こった。
投稿されたのはヤフーの質問サイト「知恵袋」。
試験開始7分後に最初の投稿があったとのことで、
最初からこのネット頼みだという姿勢が見られる。
なめきったこの態度に警察も捜査に乗り出した。
投稿は携帯から行われていたとのことで
IPアドレスから犯人を特定することは難しいことではない。
これまでも携帯で問題を写メするという形で
カンニングしていた者はいただろうが、
誰もが観覧できる投稿サイトに掲載するという
大胆な行動に出るとは心底呆れる。
ひょっとしたら合格などしなくてもよいと思って
いたのではないかとまで思ってしまう。
カンニング行為を保護する意見
事件後間もなく、このカンニング行為を、
とある人気ブロガーが擁護する発言をした。
ブロガーは、
「この「ネットワーク&ITの時代において
問題を解く力」がある学生を入学させたいなら、
こういう人まさに合格させるべきな気がする」
と書き、
「今回は日本語が書いたからバレたけど、
中国語や英語で書いていたらバレなかったはず」
「この事件を聞いたとき、わくわくした、
ITが何かに勝った感じがした」
と綴った。
この書き込みは、つぶやき投稿サイトのTwitterに
掲載されたのが、驚いたことに同意する者が
次から次へと現れたのである。
低下し続けマヒ状態のモラル
まず、今回のカンニング事件を「凄い」と思うのは
大きな間違いである。
カンニングがいけないことは万国共通のことであり、
小学生でも、下手したら幼稚園児でも
知っていることである。
それを絶賛するような書き込みをするとは
一体どのような思考回路の持ち主なのか
神経を疑ってしまう。
「ネットワーク&ITの時代において問題を解く力」
と言うが、確かにネットワークとITなしに
ビジネスは成立しないまでになっているが、
ネットワークとITだけでもビジネスは成立しないのである。
高校生の過程を終えるまで年を重ねたにも関わらず、
カンニングが悪いことではないと思うのは
問題を解く力、以前の問題である。
日本人のモラルはここ10年、15年で大きく低下した。
日本の政治家は自分の言葉を守れず
嫌になったらあっさり総理大臣の座を降りるなど
ワガママし放題、やりたい放題。
前総理大臣は信じられないほどの大金を脱税し
それが発覚した今でも何食わぬ顔をして政治家を続ける。
現総理大臣もマニフェストは何も守らず
道理が通ってないことばかりしている。
国の頂点に立つものがモラルの欠片もないから
国民もモラルが低下するのだろうか。
今回のようなカンニング事件は大きな恥である。
もう二度と、このようなことが起こらぬよう
日本人が常識的なモラルを取り戻すよう
祈るのみである。
▼写真は、台北市中山駅近くにある台湾人の若者に人気のアート・ギャラリーです。(この日はインド展をしていました)
コラムニスト●プロフィール
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岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住
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