2011年3月21日月曜日

被災者の皆様に捧げたい~SUKIYAKI(上を向いて歩こう) by エスコーツ

2011年3月15日火曜日

連載コラム282 from北海道●負けないで

壊滅的な東北地方の惨いありさまに、言葉を失うばかりです。
私は、ちょうど国会中継を見ていた最中だったのですが、とつぜ
ん、画面に見慣れぬ地震警告が映し出され、それから間をおかず
に、参議院委員会が開かれていた閣議室が揺れていました。
天井から吊り下げられたシャンデリアが、音を立てて揺れる光景に
驚いていたら、わが家も揺れ出したので、とにかくじっと絶えました。
わが家は、アパートの10階ということもあり、地震にはまま敏感です。
横揺れの振動は、ガクンガクンと強い衝撃が伝わりながらも、円を
描くように揺さぶられる状態でした。

東北の惨劇に、まったく言葉を失うばかりです。
9.0という想像を絶する規模の地震に見舞われたあと、津波に襲
われた東北は、家屋や車がみるみる凄い勢いで押し流され、津波が
生き物のように街を飲み込んでいく姿には、本当に恐ろしい気持ち
でした。
炎上する気仙沼は、地獄絵図そのもので、他の街の惨劇も、まるで
空襲を受けたようなありさま。
こういう時は、ハイテクな機械ほど、役に立たなくなるものなのですね。
ライフラインが見事にパンクしてしまうことを、今回はしっかりと
思い知らされた感じがします。
時間が経過するにつれて被害が拡大しています。
津軽海峡を越えて、北海道からわずかな距離に暮らす人々の暮らし
が、根こそぎ奪われてしまったことに身震いさえします。
頭では解っていたはずなのに、身近でこんなことが起こってしまう
と、天変地異に人間はひとたまりもないと思い知らされます。
たくさんの人々が一度に亡くなりました。
家族とかろうじて再会できた人々。
大切な家族や友人、知人を亡くしてしまった人々。
国は、震災に見舞われた人々の命を一人でも多く救うために全力を
尽くすと、宣言しました。
いろいろ問題がある我が国ですが、いまは心を一つにして、私たち
一人ひとりも自分に出来ることを探しましょう。
日本人は、がんらい心の強い民族です。
私たち国民は、これまでも何度も荒波を乗り越えてきました。
復興してきました。
街を再建し、人々は生活を取り戻し、しっかりと強く生きてきたのです。
阪神淡路大震災の時には、人々が団結して復興に取り組む中、略奪
や強奪は一つもなかったそうです。
それは、本当に凄いことなのです。
火事場の泥棒は恥だということを、私たち国民は、感覚的に知っている。
ですから皆さんも、チェーンメールの募金詐欺には決して引っかか
ることなく、被災地への募金は、安全で必ず信用できるところへ募
金をしましょう。

「命が助かっただけで、じゅうぶん」と涙ながらに語った被災者の
言葉に、ぐっとなりました。
このような時に、とても不謹慎な発言なのかもしれませんが、私た
ちの暮らしに、保証や絶対に確かなことなんて、本当は何もないの
でしょう。
国の経済に甘んじて、私たちは今の生活も安全もすべて保証されて
いるような気になっているけれど、本当はそんなものなんてどこに
もない。
そのことを、惨い形ではあるけれど、災害は教えてくれる。
そして、そういう時にこそ、私たちは試されているのでしょう。

福島の原発で、被曝した方々、亡くなられた方たち。
被曝を心配しておられる方々のことを思うと、胸が痛みます。
この先、この被災地が復興した後に、これは日本が抱える一番の問
題になるように感じました。
経済成長より人々の安全を優先するか、選ぶか、国は、きっとその
ことで必ず岐路に立たされるでしょう。
世界もそのことを見守り、注目しています。
この度の東北の震災に、世界も心を痛め、手を差し延べてくれています。
震災に見舞われた皆さん、どうか今は、力を振り絞ってください。
そして、頑張って生き抜いてほしい。
どうか、負けないで。



コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

連載コラム164 from 台湾

日本の大学は世界の大学に比べて
入学するのがとても難しいとされる。

その代わり卒業するのは簡単であり、
入学さえすれば、あとは楽勝だという印象が強い。

おまけに日本は今大学がありあまっており
どんなに勉強嫌いで成績が悪くても
どこかしらの大学に入り込むことができる。

日本において今や大卒という学歴は
簡単に手に入るものなのである。

呆れたネット・カンニング
先日、京都大、早稲田大、同志社大、立教大などの
入試問題が、試験の真っ最中にインターネットの
質問サイトに投稿されるという事件が起こった。

投稿されたのはヤフーの質問サイト「知恵袋」。
試験開始7分後に最初の投稿があったとのことで、
最初からこのネット頼みだという姿勢が見られる。

なめきったこの態度に警察も捜査に乗り出した。

投稿は携帯から行われていたとのことで
IPアドレスから犯人を特定することは難しいことではない。

これまでも携帯で問題を写メするという形で
カンニングしていた者はいただろうが、
誰もが観覧できる投稿サイトに掲載するという
大胆な行動に出るとは心底呆れる。

ひょっとしたら合格などしなくてもよいと思って
いたのではないかとまで思ってしまう。

カンニング行為を保護する意見
事件後間もなく、このカンニング行為を、
とある人気ブロガーが擁護する発言をした。

ブロガーは、
「この「ネットワーク&ITの時代において
問題を解く力」がある学生を入学させたいなら、
こういう人まさに合格させるべきな気がする」
と書き、

「今回は日本語が書いたからバレたけど、
中国語や英語で書いていたらバレなかったはず」

「この事件を聞いたとき、わくわくした、
ITが何かに勝った感じがした」

と綴った。

この書き込みは、つぶやき投稿サイトのTwitterに
掲載されたのが、驚いたことに同意する者が
次から次へと現れたのである。

低下し続けマヒ状態のモラル
まず、今回のカンニング事件を「凄い」と思うのは
大きな間違いである。

カンニングがいけないことは万国共通のことであり、
小学生でも、下手したら幼稚園児でも
知っていることである。

それを絶賛するような書き込みをするとは
一体どのような思考回路の持ち主なのか
神経を疑ってしまう。

「ネットワーク&ITの時代において問題を解く力」
と言うが、確かにネットワークとITなしに
ビジネスは成立しないまでになっているが、
ネットワークとITだけでもビジネスは成立しないのである。

高校生の過程を終えるまで年を重ねたにも関わらず、
カンニングが悪いことではないと思うのは
問題を解く力、以前の問題である。

日本人のモラルはここ10年、15年で大きく低下した。
日本の政治家は自分の言葉を守れず
嫌になったらあっさり総理大臣の座を降りるなど
ワガママし放題、やりたい放題。

前総理大臣は信じられないほどの大金を脱税し
それが発覚した今でも何食わぬ顔をして政治家を続ける。

現総理大臣もマニフェストは何も守らず
道理が通ってないことばかりしている。

国の頂点に立つものがモラルの欠片もないから
国民もモラルが低下するのだろうか。

今回のようなカンニング事件は大きな恥である。
もう二度と、このようなことが起こらぬよう
日本人が常識的なモラルを取り戻すよう
祈るのみである。



▼写真は、台北市中山駅近くにある台湾人の若者に人気のアート・ギャラリーです。(この日はインド展をしていました)






















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

2011年3月1日火曜日

連載コラム281 from北海道●毎日かあさん

すでにテレビアニメ化し、実写版の映画も封切りになった人気マン
ガ『毎日かあさん』は、この映画の宣伝のために、主演の小泉今日
子さんが、バラエティなどにも出ずっぱりだった。
マンガ『毎日かあさん』は、マンガ家・西原理恵子さんの家族物語
であるが、ストーリーとしては、一話完結で構成されながら、戦場
カメラマンでアルコール依存症だった夫・鴨志田穣さんのことや、
子ども達との親子物語がほとんどだ。
息子ブンジの予測不可能な言動や、おませな娘フミに、かあさん西
原は、驚いたり、腹の中で舌打ちしたり、それでものびのびとスク
スク成長していく子供達が、とても愉快で、なにより素敵で、この
マンガを読んでいても、子供達の存在が、西原さんにとって何より
の幸福なのだろうとしっかりと伝わってくる。
良い母でいることも、世間様のうっとうしい評価もすべて放棄し
て、逆に読者が作者に問われている気さえする。
あなたにとって、本当に大切なものってなに?
あなたにとって、家族の幸福ってなんなの?
マンガ『毎日かあさん』に出会った時に、心にお日さまがはえたよ
うに、ポカポカとあったかい気持ちになった。
「まだ日本にも、こんなにたくましいお母さんがいるんだ。捨てた
もんじゃないぜ、この国も!」と、嬉しくなった。
そんな読者やファンは、私に限らず多いのだろうと思う。

映画『毎日かあさん』は、アルコール依存症の夫・鴨志田さんが生
前していた頃の家族物語で、西原家の毎日に、笑ったり楽しくなっ
たりする反面、切なさが見え隠れする。
そして、話が進むにつれ、微笑ましさより、切なさがあふれて、心
がどうしょうもなく揺さぶられてしまうのだ。
アルコール依存症から抜け出せない夫カモシダを、サイバラは冷や
やかに見つめるいっぽうで、許してしまう。
離婚してからも、なお彼を家族の一員と迎え入れ、やっと精神病院
に入院して酒を断つことが出来たカモシダは、すでに癌におかさ
れ、余命半年と宣告される。
それだから、映画版の『毎日かあさん』は、主人公西原さんの話で
ありながら、夫・鴨志田さんの話でもあるし、子ども達を含めて鴨
志田さんが癌で他界するまでの家族の記録でもあった。
西原さんが、強くて素敵なのは、こんなに波瀾万丈に生きてきたから。
毒舌で、チマチマしたところがなくて、海のように心が広く愛情が
いっぱいのお母さん。
でも、あったかくて笑いでいっぱいの家族物語をマンガに描きなが
らも、ものごとをいつも冷静に見ている、そんな目線感じてしまう。
西原流の母さんは、マニュアルもないし、普通でないけど、わが家
はこれでいいのだとハッキリと宣言しているようだ。
そんなに、立派なお母さんになろうとしなくてもいいんだよ。
死にさえしなけりゃ、大丈夫と、家族が笑って生きる大切さを教え
てくれるのだ。

さて、主演のキョンキョンこと小泉今日子さんは、西原さんそのもの。
どう逆立ちして見たって、キョンキョンが西原さんに思えてしまう
ぐらいのはまり役でした。
それだけで、凄いなぁとしみじみ感動です。
キョンキョンも、過去にあれだけの人気アイドルの座を獲得してお
きながら、常に等身大の自分を大切にする女性である。
西原さんと同じく、彼女に憧れる女性ファンは多い。
それだから不安定なところがひとつもなくて、とても心が健康だ。
そういうイメージ。
自分の人生をわかっていて、自分が楽しいと思えることを知ってい
て、この年でも鼻歌まじりにスキップしながら、はやく大人になり
たいなぁっなんて人生を謳歌している。
最近の映画作品では、『風花』『グーグーだって猫である』『トウ
キョウソナタ』『マザーウォーター』に出演、主演している。
どの作品でも、独特の存在感で、小泉今日子という色を見事に消し
去り、豹変してくれるのだ。
同じマンガ家の役でも『グーグーだって猫である』と『毎日かあさ
ん』は全く違うし、同じお母さん役でも『トウキョウソナタ』と
『毎日かあさん』は、まるで別ものだ。
小泉今日子という人は、いい年の重ねかたをしている見本のような人。
それだからか、彼女に憧れ、共感する人も多い。

ところで、夫・鴨志田さん役の永瀬正敏さんは、キョンキョンの元
夫としても知られているが、こちらも永瀬さん以外の適役はいない
と思えるほど、役にぴったりだった。
というより、前編のアルコール依存症ぶりも、ダメダメ夫ぶりも、
癌におかされ激痩せしていく姿にも、スクリーンに永瀬さんが登場
しただけで、その時々の鴨志田さんの雰囲気を纏っているのだ。
背中から、表情から、全てから、永瀬さんは鴨志田さんそのものだった。

二人の息子ブンジと娘フミの存在が、作品を温めている。
笑いと楽しさに満ちているが、ここにも子供の切ない感情が見え隠
れする。

平日の上映にも関わらず、映画館は女性の観客でいっぱいだった。
年齢層はさまざまだったけれど、圧倒的に多いのは、30代から上
の世代。
愉快なシーンに声を出して笑っている人も多かったのに、最後はこ
らえきれずにすすり泣いている人達が多かった。
映画『毎日かあさん』は、実話からうまれたつくりものの世界。
でも、とってもリアルに思えるのは、西原家を演じた皆さんが役を
越えて本物だったから。
私には、そんなふうに思えてなりません。



コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

連載コラム163 from 台湾

日本のNaverというサイトで
「海外で働く日本人が驚いた、日本と違うギャップ」が
紹介されていた。

様々な国で働く日本人たちの声が寄せられており
とても興味深いものとなっている。

今回は海外で働いてきた筆者自身が感じた
「日本はここが違う」という点を綴っていく。

ながら仕事を嫌う日本人
以前、シンガポールで働いているとき
「朝ごはんを職場で食べながら、仕事をするなんて
信じられない」と日本から来た同僚が話していた。

アメリカに転勤した配偶者も、最初に感じたギャップは
「とにかく時間関係なく、自分のデスクでお菓子などを食べる」
「音楽を聴きながら仕事をしているなんて信じられない」
だったと語っている。

堅い職場であったため、なおさらそう思ったのだろう。

日本では「自分の机は仕事をする場所。
休憩や何かを食べたい時は、給湯室や外に出れば良い」
と考える。

音楽を聴いて仕事をするなどもってのほか
ながら仕事を嫌う傾向にあるといえる。

しかし、海外では「自分の仕事をすれば、それでOK」とされ、
机に家族の写真を飾ったり、食事をしたりすることが許される。

個人的には、日本式の方が気が散ることなく集中力があがり
仕事の効率も上がると思うのだが、
海外では、そう考えない国の方が多いようである。

謝ることは絶対にしない
冒頭で紹介したサイトにも
中国で働いている人の「絶対に謝らない」という文が
掲載されていたが、中国だけでなく仕事上で謝ることは
絶対にしない国が多い。

アメリカもそうであり「謝る=こちらに非があると認める」
弱みを見せてしまう、と考えられている。

ただし、欧米でも明らかに自分に非があるときは
潔く謝るし、今後こういうことが起こらないよう対策もする。

中国だけでなく華僑が多く住む国は、謝ることはしないが、
これは日常的なことで、自分が悪いと認めることはしない。

明らかに自分に非があっても、ミスをした状況を説明し
「ごめんなさい」とは絶対に言わない。
これは国民性であるため仕方ないと諦めるしかないだろう。

ただし、何かをしてもらった場合は感謝し、その借りは忘れない。

日本人は「ごめんなさい」をよく言うが、
中国人は「ありがとう」をよく言うように感じられる。

意外と多いお昼寝のある国
メキシコやスペインなどお昼寝の習慣のある国は
意外と多い。

アジアでも台湾にはお昼寝の習慣があり
現地の会社ではお昼ご飯の後、
自分の机に突っ伏して昼寝をする。

学校でも行われていることであり
これは、その国の習慣をして割り切るしかないだろう。

昼寝をする理由は「その方が午後の効率が上がる」
という最もな理由があるからである。

家族あっての自分
欧米に多いことだが、仕事よりも家族を優先する。

未成年の子供がいる人は残業をしたがらないし、
妻が風邪をひくと早めに仕事を切り上げて帰る。
両親が病気で入院すると駆けつける。

しかし、日本では「お給料をもらっているのだから」と
サービス残業をさせられ、子供の世話は妻に丸投げ、
妻が風邪をひいたくらいで帰ることなどしない。

親が入院したとしても、危篤でない限り
仕事がある平日に駆けつけることなどしないだろう。

海外では家族あっての自分だと考えるが
日本では仕事あっての自分たちの人生が成り立つを考える。

国が変われば感が方も価値観も変わる。
海外の考え方を取り入れる会社も増えているが
果たしてどこまで上手くいくだろうか。



▼写真は、台北アリーナで開催されたフィギュアスケートの四大陸選手権の様子です。会場はガラガラで日本人だらけ。台湾でスケートが流行るのは、まだまだ先のようです。























コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住