2011年1月16日日曜日

連載コラム160 from 台湾

1月28日に召集予定の通常国会では、
子ども手当が最大の争点となるだろうと言われている。

この子供手当て、
昨年末に3歳未満の支給額を2011年度から月2万円にし、
3歳~中学生を従来通り月1万3000円とするとして決着。

引き上げに必要な額は国が1550億円、地方が950億円を
それぞれ負担することにした。

しかし、これに地方自治体が反発。野党も反対しており
引き上げがずるずると延びる可能性が出ている。

引き上げは必要か
3歳未満を月2万としたが、はっきり言って3歳未満の子供に
そんなにお金はかからない。

オムツ代ミルク代とか言うが、教育費や成長期の服や靴代に
比べたらびびたるものである。

大体本当に生活がひっ迫しているのであれば
オムツは布オムツにするだろう。ミルクだって1歳過ぎれば
乳離れする子も多いし離乳食だってさほどかからない。

子育てをしてしている側からすれば、この引き上げは
全く必要のないものなのである。

子供手当ては小子化対策になるのか
この子供手当てで小子化を解消しようという考えも
そもそも間違っている。

子供手当てを「ありがたい」と思っている人は多いだろうが、
子供手当てがあるから「もっと子供を産もう」なんて
子持ちは誰も思わない。

そもそも出産する産院確保も難しいと言われ、
産後に職場復帰しようとしても預ける保育園がなく、
幼稚園にしたって激戦区では近場の園には入れられない状態。

病気がちな子の医療費、よい小児科は遠く交通費もかかる。

子供が小学校になると、兼業主婦の家庭では学童へ。
しかし学童も3年までのところが多く、評判が悪かったりする。

だとしたら塾へ入れるしかないが、これもお金がかかる。

イジメがひどく先生のレベルも低い現在、私立へ入れようものなら
お金が湯水のようになくなる。

月1万チョイの金で子供一つを増やしたところで
生活が圧迫されるだけの話なのである。

絶望的な老後
若い世代が子供を作りたがらない理由に
介護・老後の問題がある。

年金が当てに出来ないから自分でお金を貯めねばならず
子供なんかにお金など費やせないのである。

また子供が欲しいと思っていても親を介護しているため
そんな余裕は精神的にも金銭的にも時間的にもないという人も
とても多い。

日本の絶望的な老後問題をまず解決しないと
子供を作ろうと思う人は増えないだろう。

結婚=幸せではない日本
小子化対策を立派に語られている政府だが
結婚しようとしない、またできない人が増えている
そんな現状を知っているのだろうか。

結婚したくても「給料が安いから」としない人が多い。
またジェンダーフリーの名のもとに日本の男女中性化が進み
「男らしさ」「女らしさ」を否定するようになってきたため
家庭内の父母の役割分担もあいまいになり
「結婚しなくても生活に支障はない」と思う人も増えている。

周りも結婚しないので「みんなしてないから大丈夫」となる。
熟年離婚が多い日本は、「子供が家に居る間は我慢している」
ということだから、そんな家庭に育った子供たちは
「結婚は不幸」と思うようになっている。

結婚は幸せという考えを作らない限り
小子化対策にはならないのである。

お金のかかる不妊治療
最後に、今日本では不妊治療を受けている人が
とても多いということをご存知だろうか。

添加物を多く摂取していた世代だから、
公害のせいなのか、今妊娠できない人は多い。
女性だけでなく男性不妊も急増しているのである。

彼らが不妊治療に費やすお金は1万、2万どころではない。
莫大なお金を投資し辛くて屈辱的な治療を受けている。

しかも全て自費で行っているのである。
そして、お金が続かず治療を断念した人も多い。

本当に子供が欲しい人に産ませてあげられるよう
サポートしてもよいのではないだろうか。

民主党が票集めのために必死になっている、子供手当ては
小子化対策にはならない。
増税するための目くらましであるだけのことに
国民は早く気が付くべきである。


▼写真は、台湾総統府です。年に数回、一般公開され写真が撮影できることもあります。















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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