2010年10月15日金曜日

連載コラム154 from 台湾

9月7日に沖縄・尖閣諸島沖で起きた
中国漁船衝突事件。

この事件は、中国漁船が尖閣諸島付近で
操業していたところをパトロール中の日本の
海上保安庁の巡視船に発見され、
停船勧告を無視し逃走。

逃走のさい、巡視船2隻に衝突を繰り返し
破損させたとして公務執行妨害で逮捕
したものである。

中国は「尖閣諸島は中国のもの。
違法行為などしていない」と主張し、
船長逮捕は大問題だと日本政府に警告。

日本大使を真夜中に呼びつけたりしたが、
日本が「手順に従い・・・」と船長を解放をしないため、
中国で仕事をしていたフジタの社員を、
「スパイ行為した」と逮捕した。

お互い人質をとり駆け引きをする形になり、
日本はあっさりと降参。船長を解放した。

粘りのない日本
海外のメディアは、
「日本は外交が何か分かっていない」
「本当に粘りがない」と批判気味でこれを報道。

あまりにも思い通りに事が進んだ中国だが、
「衝突のビデオ」を公開されるとマズイこと、
逮捕した人質が、大金に化けることを確信。

粘りのない日本政府のことだから、
私たち国民が知らないところで大金が中国へと
流れたのだろう。

一部を公開する方向で話が進んでいた
ビデオも結局は公開されないことになったようだ。

中国のやり方が汚いと海外メディアで報じられ
イメージを悪くしたとも言われているが、
そんなの中国は気にもしていないだろう。

それどころか、日本政府が「衝突ビデオ」を
公開しないのは日本側に落ち度があるから、
攻撃をしかけたのは日本側だと主張するだろう。

遠慮、配慮、という言葉は身内でもない者に対して
与えるわけがないではないか。

日本政府は一体誰のための政府なのか。

恐ろしいメディアコントロール
外国のメディアまでが「日本は何をしているのか」と
疑問を投げかけている、
理解に苦しむ日本政府の対応。

外国だったらデモが起こるだろうに、と思っていたら
日本でも2000人を越えるデモが行われた。

何をされてもデモしない日本人が、
日本の旗を持ち「規則正しく」デモ行進したと、
CNNなどがいち早く報じた。

日本のメディアはどのように報じるのかなと
ロケーションフリーを使用し、
日本のテレビを見てみたところ、
どの局もデモのことを報じていなかった。

大手新聞の公式サイトも全く触れていない。
我が家では最も偏らず報道しているとして、
日本経済新聞をとっているが、
その新聞にも掲載されていなかった。

政府が関連していることは明らか、
そしてみんなしてそれに従った日本のメディアに
心底がっかりしたと同時に背筋が寒くなった。

ひょっとして選挙の結果だってコントロールされており、
日本国民の知らないところで、
日本は終わりに一歩、一歩近づいているのかもしれない。

こんな国、もう見捨てるしかないのかもしれない。


▼写真は、台北淡水河で見つけた美しいシラサギです。

















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

0 件のコメント:

コメントを投稿