2010年8月1日日曜日

連載コラム149 from 台湾

海外に住んでいると現地の人たちが持つ
「日本」そして「日本人」に対する印象を
聞かされることがよくある。

得にアジアやサブコンチネンタルや中東の人々は
びっくりするほど日本の知識を持っており
憧れの気持ちを抱いている人も少なくない。

アジア一親日であるといわれる台湾も
日本関連のニュースは日本寄りに報じることが
多い。

しかしそんな台湾メディアもどう報じてよいのか
明らかに戸惑うニュースが飛び込んできた。

7月20日に日本政府が、
1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯、
金賢姫元北朝鮮工作員/死刑囚を来日させた、
そのニュースである。

元死刑囚という人間
20日未明に厳戒態勢の中入国した金賢姫
元北朝鮮工作員。

韓国からは日本政府が手配したチャーター機で
入国するという何から何まで至れりつくせり。

本来ならば日本の偽造パスポートを所持し
日本人になりすましテロの実行犯を日本人だと
見せかけようとした人物なので、
日本国内に一歩足を踏み入れた時点で
逮捕されなければならないはず。

爆弾を飛行機に仕掛けるという任務を遂行した後、
自殺を図ろうとするものの死に切れず
身柄を韓国国家安全企画部に引き渡され
訊問を受けたときもほとんど日本語で通したほど
だったのだ。

もし事件が日本人だと断定されてしまったのなら
日本が受けるダメージは計り知れなかったのである。

そんな人物を「例外」として入国許可することは
決して許されることではないと報じる海外メディアも
あったほどなのだ。

拉致被害者家族も日本政府に心を拉致されている
何千万円も1億円もとも言われる費用をかけ
金賢姫元北朝鮮工作員を来日させた日本政府。

しかし拉致被害者家族は新しい情報を得ることは
出来なかったという。

家族らは「励まされた」「会えてよかった」と繰り返したが
本音ではないだろう。

韓国に行き面会したという意見も多かったのに
わざわざ日本に呼び寄せ、会見を開かせて政府に感謝させ
これは現政権の一大パフォーマンス意外の何ものでもない。

これまでの体験から、家族らは「感謝した」と言わなければ、
政府が今後動いてくれなくなる可能性もあると感じている。

その点では家族らも日本政府に心を拉致されているのだ。

支持率に踊らされ、その場限りの人気取りしかなしない
そんな日本政府を海外メディアは冷ややかな目で見ている。

不可解な国日本
よく日本人は「不可解だ」と言われる。
「イエス」と言っても「ノー」という意味であったり
「ノー」であっても「イエス」という意味であったり。

筆者個人が一番言われることは
「何で日本人は政府に対して怒らない」
ということ。

長年に渡り、必死になって納めた税金を無駄遣いされ
今になって年金が破綻したといい、
子供手当ては全日本人には渡らず、
日本に来たこともない外国籍児童に支払われる。

今回の金賢姫元北朝鮮工作員来日も税金が使われたのだ。
政府に舐められまくりの日本人。そろそろ怒りをあらわにしても
良いのではないだろうか。

▼写真は、梅雨空に広がる台北101です。


















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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