2012年9月2日日曜日

連載コラム316 from 北海道●竹島領土問題


ほぼ1年ぐらい前から、私の周りではK-POPや韓流ファンが多
くなった。
それもにわかファンなどではなく、明らかな熱烈なファン達だ。
CD、DVDの購入は当たり前で、コンサートも国内だけでは飽き
足らず、韓国まで出掛けていく。
ブログやツイッターが当たり前になった昨今、睡眠時間を削ってま
でアイドルの日記にはまる友人の話や動向から想像するに、きっと
全国的に統計なんかを取れば、もの凄い数のファン層になってしま
うのだろう。
北海道では、コリアンタウンで名高い新大久保も決して近場ではない。
でも、コリアンタウンに如何にもありそうな店ぐらいなら多少は地
方にもあるものだ。
韓流ブームに便乗して、韓国料理や酒も知名度が上がった。
当然の如く、韓国料理好きな人達が増えたし、マッコリ好きも多く
なった。
昨年の暮れには、こんな世相に便乗して、NHKの紅白歌合戦で
も韓国アイドルが、それまでになく多く出場した。
国策として、お国の芸能人に外貨をどんどん稼がせる韓国政府の思
惑が裏にあったとしても、こういう世の中の流れに、個人的には何
も出来ない。
基本的に、文化の交流は良いことだし、ないよりあった方がいいに
決まっているが、なにか韓国の良いイメージばかりが先行している
ような感じがしてならなかった。
8月に、韓国のイ・ミョンバク大統領が竹島を訪問したことがきっ
かけで、ロンドンオリンピックの最中、竹島の領土問題が一気に浮
上した。
オリンピックの競技会場では、韓国代表のサッカー選手が、ハング
ル語で書かれたパネルを掲げ、独島パフォーマンスをした。
オリンピックでは、競技会場などでの政治的宣伝活動は御法度である。
よって、この選手については、メダル剥奪の声も上がった。
また、イ・ミョンバク大統領の行動によって、韓国の人気俳優が、
竹島に泳いで渡るような出来事もあったし、何より最低だったの
は、大統領の天皇陛下に対する発言。
これは、いくらなんでも、常軌を逸する行動だ。
日本の韓流ファン達は、これらの出来事に少なからず不安を覚えた
だろう。
日韓の文化交流も、もしかするとこれまでのようには行かなくなる
のでは、と想像した人も多かったのではないだろうか?
政治的な争いは、政治の世界だけでやってほしい。
文化交流には、関係のないこと。
たぶん、大多数の日本のファンは、そう思っているだろうし、願う
かもしれない。
だが、文化交流と政治が関係がないと考えるのは、日本人だけで、
韓国人は違うのだ。
きついことを言ってしまえば、韓国に親日なんてものは存在しない。
歴史を遡れば、それが歴然とする。
悲しいことだが、韓国民は、日本に占領され受けた屈辱を決して忘
れることなく、教育の中で徹底してきたからだ。
だから、従軍慰安婦問題も、韓国人が公言するそれとは本当は違う。
従軍慰安婦問題は、1965年に日本と韓国の間で、財産及び請求
権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定によって補償も
既に終わっている。
韓国政府も、それについては明らかにしている話だ。
だが、その補償金が、実際に慰安婦だった人々の手に渡ったかどう
かについては解らない。
そして、この解らないことは、韓国国内の問題と捉えるべきなのだ。
これまでも、韓国政府が、反日を掲げて国民向けのパフォーマンス
をする時は、大概政府が何か問題を抱えて苦しい事情がある時で、
国民の不満をかわすためのガス抜きのアピールだった。
しかし、そうだとしても、韓国の人々の心に、日本への恨みが脈々
と受け継がれてきたことも、また事実である。
日本への憧れ、親しみ、そう言った感情も韓国の人々は抱きながら
も、憎しみも捨て去ってはいない。
竹島領土の問題は、そうした韓国人の心情、感情をよく表している
と言ってもいい。
実効支配が、正しいか正しくないかなど彼らには関係ない。
すり込まれた教育が、間違いかどうかなんて彼らにとって振り返る
必要もないことなのだ。
自国を占領され、虐げられた先人達の屈辱が、今も尚、怨念として
ある、それだけのことである。
問題なのは、いくら領土に関する歴史認識が日本の方が正しくて
も、韓国の竹島軍事占領を日本が60年も野放しにしてきた事実である。
島根県の漁師達が領海内での漁業でトラブっても、日本はこれを
ずっと放置してきた。
その間、日本の穏やかな友好的な外交は、韓国政府、韓国の人々の
目にどのように映っていたのだろうか。
日本が竹島を手放せない理由は、竹島そのものより領海にある。
漁業権の問題ばかりでなく、領海内に眠るエネルギー問題にも深く
関わってくるからだ。
しかし、この自然エネルギーについても、政府は公に発表したがらない。
やっと最近になって、竹島問題を国際司法裁判所(ICJ)に提
訴する動きに日本政府が本腰を入れ始めたが、韓国の実行支配が6
0年も続いてきた島を今更日本が取り戻せるのは、たぶん相当難し
いだろう。
例えば、北方領土の問題も同じくだ。
ロシア政府と日本との間で、何度となく和解、返還のチャンスが
あったにも関わらず、北方領土は、67年間もロシアが実効支配し
てきたし、近年では目まぐるしく島を開発し発展させてきたことに
より今ではロシア人が多くが住むようになって、この島の日本返還
はひどく難しい。
そもそも北方領土の実効支配が行われた理由に、日露戦争後、日本
が、サハリン(樺太)の半分をロシアから取り上げ所有してしまっ
たことに原因があるのではないだろうか。
第二次世界大戦後に侵攻してきたロシアにサハリン並びに北方領土
を支配されてしまったのは、その昔に戦争で自国の領土を奪われた
恨みによる侵略と私なんかは想像してしまう。
目には目を、歯には歯を、そういうことである。
竹島も北方領土も、実効支配の全ては、そういう理由によるもの。
そんなふうに想像すると、これは単なる領土問題ではなくなってく
るし、彼らの恨みの連鎖を日本に断ち切るすべはないのかと苦しく
なってしまう。
だったら、竹島も北方領土も彼らにくれてやればいい。
非国民と罵られるかもしれないが、そのかわりに、領海だけは日本
の物として、きっちり決着をつければいい。
北方領土は領海すら無理な話かもしれないが、竹島に関しては、領
海だけは譲らないよう解決できればベストではないだろうか。


コラムニスト●プロフィール
……………………………………
赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

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