2011年11月1日火曜日

連載コラム179 from 台湾

10月25日、
マレーシアで日本人女性が死刑判決を受けた。

女性は2009年10月、アラブ首長国連邦のドバイから
マレーシアのクアラルンプールに入国。
その際、空港で覚せい剤を隠し持っていたとして
逮捕、拘束され、裁判が行われていた。

女性は「知人から持って行ってと頼まれた、
スーツケースだった。中身は知らなかった」と主張。

しかし、法律通り「死刑」判決が出たのである。

女性は、判決を不服とし控訴する方針だというが
死刑を覆すことは難しいと見られている。

麻薬持込は重罪
日本に麻薬を持ち込もうとした場合、
間違っても死刑にはならない。

もちろん逮捕はされるが、綺麗な拘置所や刑務所で
三度の食が出るなど人間らしい扱いを受ける。

しかし、アジア諸国は違う。
前出のように、マレーシアだけでなく、中国、台湾、
シンガポール、タイに韓国も、
麻薬の持ち込みをすると、基本的に死刑になる。

ごく微量の場合、死刑は免れこともあるが、
無期懲役、終身刑になる場合も多い。

その場合、日本人のスタンダートからすると
信じられないような悪環境の中、人間以下の扱いを
受けながら刑に服すことになる。

アジアの中で、日本という国ほど麻薬からみの犯罪に
対してゆるい国はないのだ。

なぜ死刑なのか
では、なぜアジア諸国では麻薬絡みの犯罪を
死刑という最も厳しい処分にするのだろうか。

それは、ヨーロッパの植民地となっていた時代に
国民が麻薬で支配されていたからだと言われている。

アヘンなど麻薬中毒にさせられることによって、
思考回路はまともでなくなり、抵抗する力もなくなる。
理想的にコントロールできたため、使用されてきたのだ。

アジア諸国にとっては辛く苦い経験となっており、
祖国を守れなくなるほど力がなくなる麻薬は、
憎き敵だとみなしたのである。

また、麻薬が町に蔓延ると犯罪率も高まり
マフィアなどの争いのもととなる。

麻薬とは、それほど恐ろしいものなのだ。
だから、彼らは死刑反対団体に批難されながらも
スパスパと死刑判決を下し、執行してきたのである。

知らないでは済まされない
今回、死刑判決を受けた女性は、37歳の元看護師。
覚せい剤はスーツケースの中に入っており、
なんと3.5キロという重さであった。

3.5キロというと、生まれたての赤ん坊よりも
少し重いくらい。かなりの量である。

女性は「知人から持って行ってとたのまれた。
中身は知らなかった」という主張を
逮捕直後からずっと行っている。

しかし、ドバイとマレーシアを短期間に何往復も
しているという事実があり、
密輸人ということで間違いと判断されたのだ。

ハンドバッグの中など手荷物の中に、
「知らないうちに入れられていた!」というのならば
まだ同情の余地があるが、
知人から頼まれたというのは、やはり疑わしいだろう。

家族であれど頼まれたものの中身がなにかチェックする。

そんなことは、大昔から言われていることであり、
頻繁に国をまたいで移動する人ならば常識である。

女性は海外旅行歴が多く、ドバイとマレーシアに限っては
何往復もしてきたのだ。

「知らなかった」で済まないことは、彼女が一番知っている
はずなのである。

日本でも極刑を
日本でも近年麻薬絡みの犯罪が増え続けている。

密輸しようとして逮捕された犯罪者のニュースも
よく流れているが、
恐らく、その何倍もの量がスキャンされずに
密輸されているのだろう。

麻薬は一度手を染めるとなかなか抜け出せない
恐ろしいものである。

日本でも麻薬絡みの犯罪は死刑を含む
極刑にすべきである。


▼写真は、台湾の最南端、墾丁にある国立海洋生物博物館です。






















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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