2011年8月1日月曜日

連載コラム173 from 台湾

以前からこのコラムに書かせてもらっている
東日本大震災により起こった福島第一原発事故。

政府は国民にすぐに情報公開せず、
公開したとしても「今は大丈夫」と前置きできるくらい
長い時間が経ってから。
その数値ですら、もはや信用できないものとなっている。

震災から4ヶ月経つというのに原発内の放射能の数値は
長時間作業もできないほど高い。
予定表などというものを作ったらしいが修正しまくり
自己満足の表を制作しただけ。

スムーズに処理できないのは仕方ないだろう。
それほど深刻で大きな事故だからだ。

政府は、国民がパニックになるのを防いだというが、
明らかにプライオリティが間違っている。

日本はいつから真実を知ることができない国になって
しまったのだろうか。

笑えない中国高速鉄道事故
7月23日に、中国の高速鉄道が信じられないような事故を
起こした。

なんと追突し脱線、200人以上の死傷者を出したというのだ。

この死傷者の数は正しくないとう見方が強い。
どう考えても少なすぎるからである。

しかも、事故直後、高架にぶら下がっている状態の車体を
無理矢理地上に落とし、ろくな現場検証も行わないまま
埋めたのだ。

動かされた車体からは人間らしきものが飛び出しており
その映像はインターネット上で世界中の人に見られ、
メディアで伝えられた。

さすがにマズイと思ったのか、中国はなんと車体を掘り起こした。

笑うしかないような酷い対応。

でも、日本は決してこの中国の対応を笑ってられない。
日本だって似たようなものだからだ。

福島第一原発事故、放射能汚染に対して最悪な対応をしており
日本も「隠し事ばっかりやっている、信用ならない国」と
見られつつあるからである。

やはり起こった全国レベルの汚染
政府が真実を隠そうと奔走するため、
対応に統一がとれず、懸念されていた放射能汚染された食物が
全国にばらまかまれている。

遅かれ早かれ、こうなることは目に見えてきた。
だから海外では福島はもちろんのこと、周辺国からの食物は
輸入しないという処置を早くからとったのだ。

しかし、日本は「風評被害」という言葉を武器にして
国民に「変に怖がるな」「怖がるやつは裏切り者」のように
洗脳していった。

結果、汚染された牛肉までもが全国に流通。

安全だ安全だといわれてきた放射能だが、
ここにきて、さすがに日本国民の間にも「怖いかも」という空気が
流れだしたようである。

日本を立て直せるのは日本人
放射能は目に見えない。
内部被爆もすぐには健康に影響が出てこない。

それをいいことに日本政府はやりたい放題をしている。

日本国民が団結して復興をするのは当然のこと。
消費税を上げるのもやむをえないと思っている。

信じられないほどの円高に対しても何もせず
とうとう80円を切り、77円までさせてもボーっとしている政府。

いや、かえってみんな買うからいいでしょ、と
お得な買い物特集まで組む日本のテレビ。

ちょっと、待ってほしい。
もう少し危機感を感じて欲しい。

なぜ、ここまで世界中の人たちが「東日本頑張れ」というのか。
それは、それほど日本の状態が悪いからなのだ。
日は沈む、もう昇らぬとも言われているのだ。

日本人が目覚めるのかどうか、世界から注目されていることを、
もう少し意識してもらいたい。


▼写真は、台北市の動物園近くにある猫空ロープウェイです。



















コラムニスト●プロフィール
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岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住 from 台湾

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