2011年4月15日金曜日

連載コラム284 from北海道●日本の再生を信じて

この度の大規模な震災には、自衛隊のみならず、海外からも支援救
援に多くの方々が駆けつけてくれた。
日本在住の外国人も、ピンポイントで被災地入りし、炊き出しを行った。
何人もの芸能人が、みずから足を運んで、物資を被災地に届けている。
被災地に駆けつけられなくとも、何だかのかたちで、ボランティア
に加わる人々もいるし、企業側の支援も多い。
それぞれが、被災地のことを思い、自分にできることを行っている。
この度の大地震と大津波、それに加えて福島の原発事故は、あまり
にも被害の規模が大きすぎて、途方もない気持ちになるけれど、そ
れでも、この惨い震災から、私たちは確かなことに気づかされた。
人としての心を、私たちは一番に取り戻したのだと思う。
海外から救援のために被災地入りした人は、倒壊した店の中から出
てきた店主に、「なにもありませんが」とせんべいを差し出された
という。
また、通りがかりの住民に、「遠くからわざわざありがとう」と声
をかけられ、アメや菓子を手渡された救援隊もいる。
現地のコンビニで、「救援隊なら」と代金の受け取りを拒まれ、
カップ麺やおにぎりの提供を受けた話もある。
苦しく辛い状況の中でも、他人を思いやる心に、諸外国のみなら
ず、私たち日本人も、涙がこぼれるほど、温かい気持ちになった。
海外からも絶賛された秩序ある被災者の行動は、日本の村落共同体
の精神である。
暴動はおきず、支援物資は並んで受け取り、避難所でもそれぞれに
リーダーが生まれて、秩序が保たれている。
それなのに、心ある支援とは裏腹に、被災地では風評被害にさいな
まれ、被災地のみならず、近隣の自治体にまで、その被害は及んでいる。
風評被害に及んだ原因は、やはり政府の発表だろう。
言葉運びを慎重に選んだつもりでも、含みをもつ言い回しには、不
安をかき立てられて当然なのだ。
それでも、「風評被害に負けないで」と、福島や茨城のアンテナ
ショップでは、産地の物を一つでも多く買おうとする客であふれた。
被災地の物産展でも、同じくだ。
「せっかく農家の方が、大事につくった野菜なのに」と、野菜や果
物を手に取る人々は多かった。
私も同じ気持ちです。
スーパーに並ぶ被災地の食品を手にとり、積極的に買うように努め
ています。
私たち消費者に出来ることは、こんな小さな応援もあるのだという
気持ちだからです。
前を向いて、元気を出さねばと思います。
日本の再生のために、そう思います。




コラムニスト●プロフィール
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赤松亜美(あかまつあみ)
北海道在住

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