連日報道されている「所在不明の高齢者」ニュース。
事の始まりは7月。
東京都足立区で生存すれば111歳になる男性が
自宅で白骨遺体として見つかり、
実は何十年も前に死んでいたことが発覚した事件。
家族は年金目当てに男性の死を隠していた疑いが
生じ、他にも所在不明の高齢者がいないか
調査したところ、ボロボロ出てきたのである。
高齢者が家族と住んでおらず
誰もどこに居るのか分からないケースが続出。
役所のいい加減さをむき出しにしたようなニュースが
連日続いている。
問題すり替え
今回の「所在不明の高齢者」ニュース。
足立区の場合は男性が家族が住む自宅で亡くなり
長期に渡り放置されていたという特殊なケースであるが、
ほとんどが家族と離れて高齢者が一人暮らしをしている、
そのため所在が分からなくなったというケースである。
このためメディアは「今の日本は家族の絆が弱い」
「もっとお年寄りを大事にすべき」と報道。
ワイドショーのコメンテイターは
「昔の家長制度を復活させるべき」
「何世代に渡り暮らすべき」
と声たからかに意見し、同居を勧めだした。
しかし問題はそこではない。
何度も言うが、足立区のケースは同居していたわけだし、
所在が分からないケースは、死んでいるが年金目当てに
家族がだまっている。
生死が分からないわけでなく、分かっていながらお金目当てに
知らぬ存ぜぬを突き通しているのである。
110歳以上の高齢者の子供といえば80~90代。
役所や警察も強く詰問できないのであろう。
嫌な風潮
問題を摩り替えたメディアは
孤独死を引き合いに出し、特殊掃除人の特集まで出し、
お年寄りや高齢者独身者の不安を煽る。
その結果、まともの生活してる者へ皺寄せがくる。
良好な関係を築き上げているのなら、
遠距離に住んでいても週に最低1度は電話連絡するものだ。
それすらないのは関係が良好でない、
お互いに問題があるのだろう。
それなのにメディアに煽られ同居を迫られるケールが
最近増えているという。
高齢独身者も兄弟だけでなく甥や姪を当てにし始める、
そんな嫌な風潮が強まっているそうだ。
もともとお金があれば、手厚く面倒見てくれる施設に入れ、
不安などない。
親子関係が良好ならば孤独死の心配などまずない。
そもそも家族が機能していないから、今回のような問題が
生じるのである。
厳しい処罰を
アメリカによって無くされた家長制度を復活させろという声が
メディアで大きくなってきているが
今回問題を起こした家族たちは、家長制度を知っている
世代である。
足立区の件は年金詐取容疑で立件されるそうだが
厳しい処罰を下して欲しい。
もちろん手を抜きまくっている役所も責任を取るべきである。
そしてメディアには事実と本当の問題点を
きちんとピックアップして報道して欲しい。
もう二度とこのような事件が起こらないためにも。
▼写真は、映画「海角七号」の舞台になった台湾南部の美しい海辺です。
コラムニスト●プロフィール
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岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住
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