2012年8月1日水曜日

連載コラム197 from 台湾


7月20日、アメリカのコロラド州デンバーで
『バットマン』シリーズ最新作『ダークナイト ライジング』
を上映していた映画館で、銃乱射事件が発生。

12人が死亡し、58人が負傷するという大参事となった。

ジェームズ・ホームズ容疑者はアメリカの銃事件として
珍しく、生きたまま、警察から銃で撃たれることなく逮捕。

逮捕時、髪をオレンジ色に染め、
映画に登場する悪役を名乗るなど、
精神的におかしいところが多い容疑者だが、
警察は顔写真を公開し、メディアも公開。

その後、両親の顔もニュースで流し、コメントも発表している。

顔写真公開は当たり前
アメリカでは、冒頭の事件などの重罪事件容疑者の
顔写真をすぐに公開する。

年齢関係なく公開されることがほとんどで
小学生くらいの子供であっても容赦しない。

容疑者であるとはいえ、罪は罪であるというスタンスを
持っているからだろう。

また、犯人の親などの写真も報道されることが多いが
これも当然として受け止められている。

人権、人権と叫ぶアメリカだが、被害者の人権を
最優先させた結果だといえよう。

O・J・シンプソン事件のように限りなく有罪であっても
無罪になることが多いアメリカでは、
無罪を勝ち取った容疑者のその後も
タブロイドが追い掛け回すことが多い。

日本で同様のことが起こったら大問題に
発展しそうだであるが。

大津のいじめ事件
昨年10月に、滋賀県大津市の中学校に通う
中学2年生が、同級生からのいじめを苦に、
自宅マンションから飛び降り自殺した。

またもやいじめられた若者が自殺という道を選ぶという
悲惨な事件が発生したのだが、
このいじめは犯罪ともいえるような過激なもので、
担任教師もいじめを目撃しながらも、
怖かったのか、面倒だと感じたのか黙認。

親には心配させたくないという心を持つ生徒
であったからこそ、学校にも強く相談できず、
最終的にいじめから逃れるために死を選んだ。

いじめは複数の生徒に目撃されており、
いじめた者が誰なのかも明確であるのだが、
大事にしたくない学校は、いじめなどないと放置。

ネットでいじめた者が誰なのか特定されると、
いじめた者の家庭は複雑だったの、
転校先で無視されるいじめになっているのだの、
加害者が被害者であるように報じられるようになった。

誰が被害者なのかを明確に
日本のマスコミは、お涙頂戴さながらの報道を
よくする。

加害者にも事情があったような、
加害者の人権を守るような、妙な報道が多い。

被害者の顔は当然のごとくニュースで流し、
被害者の遺族にはしつこく取材をする。
被害者の遺族は取材に応じるのが当然で、
取材してやってるんだという態度まで感じられるほどだ。

一方、加害者の家族がニュースに登場し
コメントすることはない。

加害者に可哀そうな家庭に育ったというのなら
そういう環境を作った親の責任は重大ではないか。

なぜ、加害者の親には取材をしないのか、
不思議で仕方ない。

写真くらいは公開を
大津のいじめ自殺事件では、加害者の顔写真が
ネットで割り出され流出している。

それを悪だ、ネットリンチだと騒ぎ立てる者もいるが、
なぜそうされるのかということを考えてもらいたい。

人間誰しも危険な人間との接触は避けたいもの。
加害者の顔を見ておきたいと思うことはごく自然な欲求である。

学校も教育委員も市も警察も動かず、
大騒ぎになったから、やっと動き出すというこの事実も
酷いものである。

日本のメディア、そして警察は、被害者側の人権を、
もっと考えるべきだと思えてならない。



写真は、台北の道端で販売されているパイナップルです。
台湾パイナップルは、シンまで甘く、大変おいしいです。


















コラムニスト●プロフィール
…………………………………
岩城 えり(いわき えり)
1971年12月東京生
オーストラリアで学生時代を過ごし
アラブ首長国連邦・シンガポールで就職
結婚し帰国したものの夫の転勤のためすぐに渡米
2005年12月より台湾在住

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